ヴァンヴィエン、ラオス、2012。やがて哀しきチュービング。

最近、ヴァンヴィエン(ラオス)の「チュービング」を、チラホラWebで見かけるようになった。

懐かしいな、と思って色々みてたら、2012年に一度クローズ(?)したという話があり。
え、そうなんだ、と思って調べてて。

メモにて。

「チュービング」というのは、タイヤチューブ(のような浮き輪)を使って、川下りをする遊び。
これ自体は、国内外に多くのスポットがある。
チュービング – Wikipedia

ヴァンヴィエン」という街は、ラオスの首都「ヴィエンチャン」からバスで4時間ほど北にある。
ヴァンヴィエンから更に北に6.5時間のところに、「ルアンパバーン」という世界遺産の街。

バックパッカーがよくとるルートで、世界遺産の街に行く途上に「ヴァンヴィエン」がある。

バンコク(タイ)
電車とかバスで国境越え
ヴィエンチャン(ラオス首都/空港)
バスで4時間
ヴァンヴィエン
バスで6.5時間
ルアンパバーン(世界遺産)

自分も、かなり昔にバンコクからバス・電車で北上し、1度だけ「ヴァンヴィエン」を通ったことがある。
(目的地は別にあったので、ルアンパバーンには行かなかったけど)

「ヴァンヴィエン」自体も有名な観光地で、「バックパッカーの楽園」と呼ばれたりするらしい。
景色がキレイで、ひたすらのどかで。
レンタルバイクで田園を抜けたり、川辺のバーで見事な眺めの山を見てマッタリしたり。
↓ページの写真なんかが、いい写真だなぁ、と思う。
Vang Vieng – A backpacker heaven in Laos – Laos Tours, Laos Holidays

街の特色は、wikiの文章が分かりやすい。

1990年代より急速に観光地化が図られた。
小さな町に寄り添うように多数のホテルやゲストハウスレストランが軒を連ね、ナムソン川をはさみ独特の形状をした石灰石からなる山並みが見える。
観光の中心は、町の中心部を流れるナムソン川のカヤッキングやチュービングなどのアウトドア・アクティビティを中心に山すそに数多く存在する洞窟や鍾乳洞、滝の探検、トレッキングなどが中心となっている。
これらは町中に数多く存在する旅行代理店または各ホテルでツアーなどに申し込み参加することが普通。
町中にはレンタルバイクが多く免許は不要(平均1日50000kip)。
また、レストランや川沿いのコテージなどでハンモックにゆられたりしながらゆっくりと過ごす欧米人バックパッカーが多い。

ヴァンヴィエン – Wikipedia

あと、寝椅子バー(TVバー)が多かった印象。
寝椅子が並んだ居酒屋で、飲みながら酒をぼんやり眺めて過ごすという。

ということで、貧乏旅行をしている身にはかなり居心地の良い街なんだけど。。。
やっぱり、この街が有名な一番の理由は、「チュービング」。

「ヴァンヴィエン」のチュービングが、どんなものか?
↓の動画が比較的、分かりやすい。

チューブに尻をしずめて、川を下る。
美しい景色を眺めながら。

その距離、4km。
なげぇ。

ボンヤリと川の流れに身を任せていると、、、
なにやら前方から大音量の音楽が聞こえてくる。

岸辺に、バーがある。
簡易な木造の土台と、オープンスカイなバー。
陽気な酔っぱらい達が、踊り狂っている。

チューブで流れていって、バーの近くまで行く。
手を挙げてアピールすると、バーのスタッフがロープを投げてよこす。

ロープを伝って、バーの方に手漕ぎでにじり寄り・・・
一杯飲んでいく。

そして、いい気分でまた、川を下っていく。
キレイな景色を眺めてぷかぷかと流れ、「天国だな」と思った思い出。
暑すぎる日だとキツいかもしれないが、その時は気温もちょうど良かった。

バーは長い川の両岸に点在しており、過去には20軒ほどあったらしい。
(ちなみに、下流の最後のバーの名前は「LAST BAR」)

川岸には、ターザンのごとくロープで川に飛び込むアクティビティ(?)や、滑り台もある。
↑の動画にある通り、これまた楽しい。

普通に川下りするだけでも、結構時間がかかるのに。
途中途中で遊んだりするので、ゴールまでかなり時間がかかる。
自分は結局、5時間以上かかったかな。

そんなこんなで。
個人的には、めちゃくちゃ楽しかった記憶がある。
「こんな世界があったのか」と驚きつつも。

当時は、旅で出会った日本人1名と、スペイン人の二人組の、計4人で行ったんだけど。
やはりグループで行った方が、楽しいとは思う。

しかし。

「様々に深刻な問題」があり、2012年にヴァンヴィエンのチュービングはクローズしたらしい。
チュービングは継続したけど、バーがなくなったのかな?
※どのような問題があったかは、もろもろ米wikiのリンク先参照
※自分はビールを何杯か飲んだくらいで、深刻に酔うようなことはなかった

まぁ普通に考えて、危ないよね、と。
実は、毎年20名以上の人が、飛び込みで打ち所が悪かったり、溺れたりで、亡くなっていたとのこと。

Dr Chit says five to 10 backpackers a day arrive at the hospital
(近くの病院のドクターは言う)
毎日、10人のバックパッカーが病院にくる。
ここには、深刻な怪我を治療するための設備なんてないのに!

Vang Vieng, Laos: the world’s most unlikely party town | World news | The Guardian

2012年の事故に関するニュース映像があった。
Man dies ‘tubing’ in Laos river

この状況をどうにかすべく、ラオス政府が行動を始めた。

In the third quarter of 2012, the Lao government carried out a crackdown in Vang Vieng, pulling down all the riverside bars.
Tubing is still going on, but in a much more controlled fashion.

2012年後半、ラオス政府は川のバーを取り締まり、閉店させた。
チュービング自体は継続した。政府にコントロールされた形で。
(事故の原因になっていた滑り台等は撤去されたらしい)

The Bangkok Post reported that although the number of Westerners has dropped, visitors from Japan, China, and South Korea are on the rise, making up for the loss.

そのため欧米人のバックパッカーは減少傾向だが、日本・中国・韓国からの観光客が増えつつある。

Vang Vieng – Wikipedia

特に、韓国人の観光客が増えているらしい。
韓国のテレビ番組で、ヴァンヴィエンが舞台となった影響?とのこと。

local bar manager tell me that a famous Korean reality TV show involved Korean celebrities coming to the Blue Lagoon.

The New Vang Vieng | WillTravel4Knowledge

あと、以下はヴァンヴィエンにおけるチュービングの歴史や、地元の人から見た問題点が書かかれた記事があった。

http://www.traveller.com.au/down-the-tube-1hzzc

Thanongsi Sorangkoun氏は言う。
1999年、氏が所有する農場のボランティアに対して、川でリラックスして欲しいと思い、2つのチューブを買った。
1ヶ月後、それをみた各ゲストハウスや旅行代理店が、チュービングを客に提供し始めた。
そして、「ぱーりー」が始まる。

「They don’t respect any law, regulations. There’s no inspections, no control」
(それは無法地帯になった)

観光客はゴミをまき散らし、裸で街を歩き、酔っ払い、抱き合った。
ラオスでは文化的に、およそ受け入れられない行動だった。

この記事は2011年のもの。
その後、上述のように2012年にチュービングは取り締まりが入った。

2012年。おーけー。
その後はどうなったか?

As of July 2015, five bars operate each day along the river on a two day rotation.
As of December 2015, only one bar operating.
2015年の12月には、オープンしているバーは1軒だけとなった。

Vang Vieng – Wikitravel

最近の動画をみると、もうちょっと復活しているっぽい。
(2つかそこら?)

2012年以前と、以後。
どう変わったんだろうか。

↓記事の言葉が印象深い。

It’s like going to a party that’s already ended, but the last few stragglers are still partying!
すでに終わっちゃった祭りに向かうような感覚だけどさ。
そこではまだ、最後のぱーりー・ぴーぽーが「ぱーりー」してるんだよ。

Tubing in Laos: Then and Now – Intrepid Escape

一方で。
今のチュービングの方が、より純粋に「景色を眺めながらの川下り」を楽しめるのかもしれない。
いわゆる、文字通りの、「アクティビティ」。

ただ、最近のチュービング動画のはしゃいだ感じを拝見すると、ちょっと腰が引けるかな。
自分が過去に行ったのは2012年より以前の話で、もうちょい牧歌的な感じだった気がする。
(日によって違うのかもしれない)

うーむ。

今、どれくらい川に飛び込む遊びが復活してるか知らないが、、、
もし行くような場合は、怪我にご注意ください。
2020年 タイヤチューブ川下り (バンビエン)へ行く前に!見どころをチェック – トリップアドバイザー
※2013年以降の口コミが見られる

行く際には、サンダルじゃなくてウォーターシューズを持って行くと便利です。
というか、サンダルだと多分キツいかも。
海外の離島で便利な「ウォーターシューズ」(マリンシューズ)。その選び方と必要なシーン。 – やじり鳥

↑は、ヴァンヴィエンの街角で撮った写真。
チュービング関連の画像が1枚もなかったので、なんとなく。
「床屋かよ!」と思った記憶。

昔は、あんま写真とか、撮らなかったんだよなぁ。
今思うと、もったない。

うーん。

そんな感じ。

2020年 タイヤチューブ川下り (バンビエン)へ行く前に!見どころをチェック – トリップアドバイザー

海がないラオスの秘境ビーチ「シーパンドン」(四千の島々)

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