出版科学研究所の月間ベストセラーリストをチェックしていたところ、久しぶりに携帯小説がランクインしていた。
「恋空」の作者でもある美嘉の「いちご水」が、2009年8月に16位。
- 作者: 美嘉
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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ちょうど2008年8月2日から9月13日まで「恋空」のテレビドラマが放映されていたので、その影響もあるかと思う。ただし、ドラマの方は、「視聴率は初回から最終回まで軒並み一桁台と低水準が続き大きく伸び悩んだ」@wikipedia)とのこと。
ちなみに、出版月報のランキングは9月も既に発表されてるけど、「いちご水」はランクアウトしていた。
部数的には、数万部〜なんじゃないかな(ちなみに「恋空」は200万部)。全然勘だけど。
発行元は「アスキー・メディアワークス」で、同社の月間ベストセラーは2009年度では「いちご水」だけなので、それ相応の寄与はしてるんじゃないかと。
ライン的には「魔法のiらんど文庫」。「魔法のiらんど」の書籍化。
自分は携帯から、全部読んでみた。
内容的には「いじめられてる女の子」と「いじめ加担してる自分に悩む男の子」が出会い、それぞれの問題を克服していくモノ。
なかなか感動できる、いい話だと思います。
PCからも携帯からも無料で読むことができるんで、気になる方はどうぞ。
で、感想。
受容的な面で。
ティーン向けの物語として「いじめNO!」を主題としてそこそこ売れた本、という意味で「素晴らしいな」と思った。
特に、読者層=女子高生は通常の書籍ではリーチできないと思われし、彼女らが接するチャネルでイマドキ「いじめNO!」なんてやるコンテンツって少なそうだし。
内容面では、いわゆる「ケータイ小説」に特徴的(社会的な正しくなさ、悲劇イベントの多発、ジャーゴン)な点が少なくて、フツウのティーン向け小説のような雰囲気で意外だった。今後、そういう「らしくない」ケータイ小説がバンバン売れると、おもしろいかも。
高校生のいじめ問題、ということで、個人的にはロバート・コーミアの名作「チョコレート・ウォー」を思い出しながら読んだ。文章の良し悪しではやはり「ケータイ小説」は分が悪い。
ただ比べるもんでもないと思うし、新しいチャネル・新しいジャンルという意味で今後が楽しみなので、継続チェックすかね。
そんな感じ。