ANA・JALで、4月以降に発券(購入)する航空券の燃油代(サーチャージ)が0円になるとのこと。
燃油代が0円になるのは、2009年9月以来の6年ぶりだそうですね。
今日時点で4月以降の航空券を買っても、まだ燃油代は必要。
4/1以降に購入するチケットで、燃油代が0円になる。
(少なくとも4/1~5/31の購入で燃油代0円になることが決定された)
ANA公式リリース
国際線旅客「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」を改定|プレスリリース|企業情報|ANA
JAL公式リリース
国際線「燃油特別付加運賃」が不要に(4月~5月発券分) | プレスリリース | JAL企業サイト
会社ごとに方針が違うけど、もともとANA/JALは「ケロシン価格が60ドルを下回ったら、燃油代を廃止」という規定だった。
米ドルで換算。
それが2015年に、「日本円で6000円を下回ったら燃油代を廃止する」と方針変更。
結果的に、「燃油代の廃止」が遠のいたように思われたが、、、
遂に、6000円も割ってしまった。
シンガポールケロシン市況価格の円貨換算額は5163円と、適応外の基準となる6000円を下回ったことによる処置。
ANA、4月~5月発券分の国際線の燃油サーチャージを無料に 日本発着の全路線が対象 – トラベル Watch
さて。
下記は、ANAの燃油代の推移(2013/4~2016/4)。
徐々に安くなってきていた燃油代が、0に向かって収束していく。
発券時期 | 欧州/北米 | ハワイetc | タイetc | グアムetc | 中国 | 韓国 |
---|---|---|---|---|---|---|
2016/4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2015/12 | 7,000 | 4,000 | 3,000 | 2,000 | 1,500 | 300 |
2015/8 | 10,500 | 6,000 | 4,500 | 3,000 | 2,500 | 500 |
2015/4 | 14,000 | 8,500 | 4,000 | 3,500 | 3,500 | 1,000 |
2014/12 | 21,000 | 13,500 | 6,500 | 5,500 | 5,500 | 2,000 |
2014/8 | 25,000 | 16,000 | 8,000 | 7,000 | 7,000 | 2,500 |
2014/4 | 23,500 | 15,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 2,200 |
2013/12 | 21,000 | 13,500 | 6,500 | 5,500 | 5,500 | 2,000 |
2013/10 | 21,000 | 13,500 | 6,500 | 5,500 | 5,500 | 2,000 |
2013/4 | 23,500 | 15,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 2,200 |
※全て片道分の燃油代。往復分なら2倍必要。
なお、留意点。
まず、国内線はもともと燃油代を徴収していないので、関係ない。
LCCは、国際線でも燃油代を徴収していないので、関係ない。
国内線やLCCでは、料金の中に燃油代が含まれているという考え方。
それで。
4月以降にチケットを買うと、チケット代が安くなるか?
例えば、北米や欧州に行く場合。
2014年の夏は、片道2.5万、往復で5万円の燃油代が必要だった。
2015年でも、往復3万円程度は必要だった。
今日時点で買うと、1.4万円。
これが、4月に買うと「0円」になる。
特に長距離路線では、差が大きい。
まぁ、既に安くなってきてたから、正直今となってはさほどの差ではないけど。
ただし。
去年の今頃にもそういう話があったが、「燃油代がさがると、ちょっぴり運賃があがる?」という話がある。
原油価格の下落を受け、アジアの航空各社が相次いで燃油サーチャージを引き下げる動きを見せている。
ただ、利益確保のため航空運賃は値上げされる可能性も高い。
アジア航空各社がサーチャージ引き下げ、運賃は値上げの可能性も – ロイター
Qantas Airways Ltd. began folding the surcharge into its base ticket price a year ago, adding that its international fares wouldn’t change as a result.
カンタス航空は燃油代を廃止したが、チケット料金に盛り込んだので、チケット代は安くならなかった。
今回はどうかな。
※2016/05/13追記
https://www.bousaid.com/2016-05-13-082413/
http://www.bbc.com/news/business-35311224
- 燃油代は下がり続けている
- 廃止する航空会社も出ている
- そろそろ「燃油代」は終わりつつあるのか?
- ただ、「燃油代」から「carrier imposed surcharge」というような、名前が変わっただけの場合もある
- マイラー目線でみると、例えばBAにおけるcarrier imposed surchargeのようなものは、結局はマイル加算対象じゃないのが残念すぎる
- それで、結局チケット代は安くなっているのか?
- IATAによると、(人件費や空港維持費が上がり続ける中で)2015年は航空券料金の平均が5%さがっており、2016年も同程度は下がり続けると予想
まぁ、安くはなる。
しかし、航空業界全体でみると、「燃油代」の下落の分だけ安くなると言うよりは、5%とか、ちょっとずつ安くなるんじゃない?的な。
だって、運賃は他の要素もいろいろ絡んでるし-。
ぶっちゃけ、「燃油代」はそういうのの調整弁の役割も、多少は担ってたりしたんだし-。
みたいな。
まぁ、元々燃油代は徐々に安くなってきていたので、今回のタイミングでいきなり
「燃油代0円、一気に値段が安くなる!」
というワケではない。
また、燃油代が下がりつつも、他の部分で運賃や手数料が値上げしたとしても、それが燃油代廃止の影響で紛れ込んだものなのか、他の要素からきたものなのかを峻別するのは難しいかもしれない。
あからさまなものでなければ。
個人的には、チケット代が安くなるのはうれしいけど、、、
原油安が経済に与える影響の方が、イタいでプー。
カムバック、株価。
運賃がどうなるかは分からないが、少なくともマイルで特典航空券を取得するタイミングとしては、4~5月はいいかもしれない。
通常、ANAやJALでは、特典航空券(国際線)のチケットをとっても、別途燃油代が必要だが、これが不要になる。
特典航空券の「必要マイル数」は、通常の運賃と違って滅多に変更が入らないので、まぁ、普通にお得になるよね、と。
そんな感じ?
去年の今頃の話はコチラ。
https://www.bousaid.com/2015-02-03-080139/
https://www.bousaid.com/category/%E7%87%83%E6%B2%B9%E4%BB%A3/