大阪ソウルフードの「たこ焼き」
大阪のソウルフード、「たこ焼き」を食べてきた。
「たこ焼き」は生地に使う「出汁」にこだわりがある店も多いので、「何もつけない」か、「塩」で食うと美味いんだな、と思った。
ソースとか、マヨネーズなし。
ソース&マヨは、結局その味しかしなくなって、出汁の風味が薄れちゃうので・・・。
以下、自分が実際に食べてみて、美味しかったお店の順番にて。
(あくまで個人の感想です)
「やまちゃん 本店」(天王寺・阿倍野)は、出汁が美味い
「あべのハルカス」の向かいにある、「やまちゃん 本店」。
駅からも近く、アクセス良好。
掲げられた、「天然流 健康食品」の文字。
「たこ焼き」が?
健康食品?
そもそも「天然流」とは、これ如何に。
大阪人なら分かる、何らかのギャグ・ボケなのか?
はたまた、いたって真面目な「お店の主張」なのか?
東京から遠く離れた異郷の地、大阪。
空気を読めず、ただただ戸惑うボク。
気を取り直して、とりあえず列の最後尾に並びます。
ふと見ると、店頭にはミシュラン掲載のステッカー。
実力は本物らしい。
ミシュランも認めた、「天然流 健康食品」。
列に並びながら、メニューを眺める。
「ベスト」(何もつけず、そのまま)
「ヤング」(ソースとマヨネーズ)
「ヤングB」(醤油とマヨネーズ)
「レギュラー」(ソースと青のり)
やはり、気になるのは「ベスト」。
ザッツ・大阪ネーミング。
しかし、何もつけないのでは、味気ない感じにならないだろうか・・・。
やはり「たこ焼き」と言えば、ソース&マヨな気がするが、本場の大阪では違うのか?
どうすべきか迷っていたところ、前に並んでいた常連っぽい客が
「ベストとヤング、半々でェ~」
(大阪弁のイントネーションで)
と注文していた。
できるのかッ!!
半分ずつ。
それなら俺氏だって!と思い、
「ベストとヤング、半々でェ~」
(大阪弁?に寄せたイントネーションで)
とオーダー。
8個、440円。
そのまま立ち食いで、熱々のうちに食べてみる。
「ベスト」から1つ、口に放り込んでみると・・・
な・ん・だ、
コレはッ!!
ウマい。
猛烈にウマい。
生地に、「出汁」の味が染み込んでいる。
風味豊かな「出汁」の味で食べる、たこ焼き。
そうか。
「たこ焼き」って、こーゆー風に味わうのか・・・。
そして、その生地の薄皮。
「銀だこ」の油で揚げたような「カリッ」と固い感じでなく・・・
生地を自然に焼き上げて作った、超薄皮の「パリッ・サクッ」感。
その薄皮を破ると、熱々の中身がトロンッとあふれ出す。
生地が舌に広がり、濃厚な出汁の味が加速していく。
中に入っていた「たこ」を咀嚼する。
噛めば噛むほど、グングンとタコの味も染み渡っていく。
マジか。
これが、本場の「たこ焼き」。
これが、大阪の実力。
これが、天然流ッ!!
・・・。
参りました。
この「やまちゃん」、生地については「鶏ガラに約十種類の果実・野菜で4時間煮込んだスープと、昆布・かつおの和風だしをブレンドして出来た自慢の生地」とのこと。
毎朝4時から
- 鶏ガラに玉ネギ・キャベツ・ニンジンなど季節によって種類を変える野菜と、
- パイナップル・リンゴなどの果物を10種以上合わせ、
- 4時間煮込んで作るスープと、
- 昆布とかつおでとった和だしをブレンドし、
粉を加えた風味豊かなもの。
なるほど。
ちなみに、「ヤング」(ソース&マヨ)も美味いんだが、やはり「ベスト」の衝撃は忘れられず。
後日、旅行の最終日に「ベストのみ8個」で大阪旅行を締めたのであった。
2泊3日の旅行で、唯一2回食べた店だった。
「十八番」(道頓堀)は、クリーミーを超えてミルキー
観光地「道頓堀」のど真ん中に店を構える、「十八番」。
お店の横に長蛇の列だが、割とサクサクとはけていく。
メニューをみると、「塩」というのがあった。
「たこ焼き」を、塩で食うのか?
「素材が生きる、塩」とあるので、やはり気になる。
メニューに「ハーフ&ハーフ」(塩×5&ソース×5)があったので、そちらで。
10個で、600円。
10個も食えるかな?と思ったが、杞憂だった。
1つずつのサイズが、割と小さめ。
「天カス」が米粒のようにポコポコと浮き出た、外観が面白い。
さっそく、立ち食いで。
まずは、「塩」から食べてみると・・・
「カリッ」とした天カスな外皮。
その中身は、超クリーミー。
生地に牛乳も入っているだけあって、すごくクリーミーだ。
生地にはだしと牛乳をブレンドし、タコ、紅ショウガ、小エビをまぶす。
たこ焼十八番
小ぶりなサイズ感も、これまた絶妙。
外カリっ、中トロンを、サクサクといただける。
そして、その出汁の効いたミルキーな生地に・・・
塩が効くんだなぁ、これが。
サイズが小ぶりなので、中のタコも小さい。
しかし、この「塩」&「ミルキー」。
うめぇ。
ソース味も食ってみたが、ちょっと順番に注意。
やはりソースを食った後だと、口がソースに支配される。
ハーフ&ハーフで食べるなら、先に「塩」だけ食い切った方が、美味しい。
このお店で「たこ焼き×塩」の破壊力を知り、他の店でも好んで「塩」を求めるようになった。
しかし結局、この「塩」&「ミルキー」が、組み合わせ的には一番良かったかなぁ。。。
「玉屋」(天神橋筋商店街)は、オマール海老の出汁
日本一長いアーケード商店街「天神橋筋商店街」。
その6丁目にあるたこ焼き屋「玉屋」。
こちらの店は、「オマール海老」でとった出汁で有名な模様。
オマール海老を、丸々一匹使っているらしい。
オマール海老ごとダシを採り、生ダコや昆布やイリコ等海の幸から旨味を引き出しています。
鶏ガラ・豚骨(げんこつを使用)から2日間かけてコクのあるスープをこしらえています。
葉野菜、根野菜、フルーツなど10数種類の山の幸から甘味と栄養をたっぷり採りだした特製スープです。
コンセプト 玉屋
メニューをみると、
- 「すやき」(何もつけない)
- 「岩塩マヨ」(一番人気)
あたりが、気になる。
迷ったすえに、「岩塩マヨ」をチョイス。
マヨ&塩に、興味があったのだ。
8コで、380円。
安い。
こちらは、ミシュラン(京都/大阪2016)のビブグルマン(コスパが良い)に選ばれた店でもあるらしい。
早速、食べてみる。
微かに海老の風味。
いい。
岩塩で、トロトロの出汁の風味が、浮き上がってくる。
マヨでさえ活きる、岩塩。
美味いぞ、岩塩マヨ!!
さすが一番人気。
こちらの店では「すやき」(坊主)を食わなかったが・・・
「すやき」であれば、より海老の風味が濃厚だったのかもしれない。
今度行く機会があれば、そっちも試してみたいと思った次第。
「浪花屋」(長居)は、フニャンと柔らかい卵しょうゆ味
長居競技場の近くにある、「浪花屋」。
最寄駅(長居駅)からも、近い。
こちらのお店は、並んで順番に買うのではなく、注文だけ先にするスタイル。
店の前の人だかりは、みんな「注文済みで、できあがりを待っている人達」なのであった。
最初、そのシステムを理解するまで、しばらく様子見で時間がかかった笑
こちらで購入したのは、「しょうゆ」。
出汁の中に醤油が入っているので、何も付けなくても味がするらしい。
8個で250円。
なんという安さ。
2016年、2017年のミシュラン、ビブグルマンで掲載されたとのこと。
2016年度版に引き続き、2017年度版も「ミシュランガイド京都・大阪」のビブグルマン部門の中の「ストリートフード」(地元を代表するローカルフードで、持ち帰りの多い店)店として掲載して頂きました。
た こ 焼 き の 浪 花 屋 (なにわや)
注文は、↑の番号と個数で。
自分は「1番(しょうゆ)、8個」でオーダー。
できあがったら、「1番、8個の人~」と呼び出される。
こちらは店の前で立ち食いする感じではなかったので、長居競技場に向かう。
ちょっと歩くと長居競技場があり、ベンチもたくさんあるのだ。
さっそく、あったかいうちにいただきます・
爪楊枝をさしていただこうとすると、、、
ふにゃん・ふにゃんである。
「外カリ」でなく、外も柔らかフニャン・フニャン。
爪楊枝で持ち上げようとすると、破れてしまいそう。
2本使って、うまく持ち上げます。
柔らかくて小ぶりな、たこ焼き。
食べてみると・・・
卵たっぷり、出汁の味で食べる、優しいお味でした。
小ぶりなので、パクパクとイケる。
そうか。
「外カリ」でなく、「外ふにゃん、中とろん」も、美味いんだな、と。
思った次第。
間に挟むショウガも、いい。
「わなか」(天神橋筋商店街)で食べた、「おおいり」
「わなか」は有名なチェーン店で、あちこちに店がある。
千日前の本店が有名らしい。
自分が行ったのは、天神橋筋商店街(4)にあった、「天四店」。
商店街を歩いてホテルまで向かう途中に、発見したのであった。
メニューをみると、気になったのは「たこポン」。
「すだちポン酢で、さっぱりと!」とある。
しかし、色んな味が食える「おおいり」(4つの味、2個ずつ)も気になる。
迷った末に、「おおいり」をチョイスした。
8個で500円。
イートインスペースもありつつ、店の外に立ち食いできる樽も並んでいる。
樽の上で、パシャリ。
しかし。
店から出てきた関西人が、
「今日の『わなか』はイマイチやったなぁ~」
と、気になることを話していた。
食べてみると、、、
うん。
中はトロトロで、美味いんだけど・・・
外カリでもなく、どの味も個人的にはしっくりこず。
なんというか、普段は美味しいらいしんだけど。。。
こちらの体調的な問題も、あるかもしれない。
と言うワケで。
普通に美味しかったけど、特に印象なく終わってしまった。
また、次回チャレンジしたいと思います。
「くれお~る」(道頓堀)で食べた、「トリュフたこ焼き」
観光地「道頓堀」の「くれお~る」。
「十八番」(道頓堀)の斜めむかいにあった。
「十八番」で「塩で食うたこ焼き」にハマった自分。
ついつい、塩を極めようと思い、変わり種メニューに手を出してしまった。
「トリュフたこ焼き」。
黒トリュフ塩、高級トリュフオイル使用、である。
しかし、失敗した。
なんか、変な感じ。
味にまとまりがないというか、ただただ、混乱するボク。
トリュフたん・・・。
邪魔です・・・。
普通のメニューを頼むべきだったな、と思った次第。
ちょっと、1玉が大きいというのも、アレかな。
大きいと、中身がアツアツ過ぎて、猫舌の当方としては・・・。
個人的な好みとしては、小さめのをパクつきたい、という。
後記
大阪旅行の前に、ちょっと胃腸の調子が悪く、お粥ばかり食っていた。
刺激の強いヤツとか、油っぽいのとか、固いヤツとか、あんまアレで。
旅行も中止するか迷ったが、結局行くことにした。
しかし大阪に着いてみると、やはり食うモノに困る。
別に「普通のモノ」も食えるんだけど、なるべく優しいモノを。。。
「どうしたものかな」と思っていたら、「たこ焼き」。
実は、具材のタコ以外はお腹に優しく、食べやすいのでは?、と。
どっかのネットに書いてあった。
ホントかどうかは、知らない。
しかし実際に食べてみると、トロトロだし、出汁の優しい味で、具合がいい。
「こりゃいいや!」と思って、たこ焼きばかり食べていた次第。
ソースとマヨも「なるべく避ける方向」にしたのが功を奏した。
何もかけない「たこ焼き」、うめぇ。
塩でシンプルなのも、うめぇ。
そうだったのかぁ・・・と。
今までも、大阪に来たことはあった。
しかし「たこ焼き」はいつも、ソース&マヨで食っていたので、気付かなかった。
「たこ焼き」の名店と言われる店は、他にも色々とある。
自分が行ったのは上記のお店くらいで、まだまだ美味い店はたくさんあるだろう。
こりゃ、いつかまた大阪にきて、たこ焼き三昧したいな、と。
そう思いました。