LCCが地方空港にぞくぞくとやってくる「地方イン・地方アウト」という流れ

海外LCCが地方空港にやってくる

最近、地方航空の国際線就航のニュースを、ちょくちょく見かけるようになったな・・・と思った。

10月には、広島-シンガポール直行便ができるんですね。

航空会社は、LCCのシルクエアー。

適当に検索してみると、最近の新規国際線は↓とか。



ちなみに、広島-シンガポールに就航する「シルクエアー」は、シンガポール航空の子会社LCC。

「シンガポール航空」本体ではないので、スターアライアンスであるANAマイルへの加算はできない。

親会社シンガポール航空の「クリスフライヤー」には加算可能。

LCCはいわゆる「マイル」がつくところは少ない。

何もナシか、航空アライアンスとは無関係な自社独自ポイントプログラムを持っているか、あたり。

バニラエア、国内LCC初の搭乗ポイントプログラム「バニラエア ポイント」


それはともかく、この最近の地方空港×LCC就航の流れはなんだろうな?と思ったんだが・・・


「地方イン・地方アウト」(国土交通省)

どうも数年前からの日本政府の方針として、「地方イン・地方アウトを推進しよう」という取り組みがあるようだった。

つまり、

  • もっと海外からの観光客を増やしたい
  • しかし、みんな東京とか大阪に着陸して、メガ観光地だけ見て帰っちゃう
  • そこら辺の空港の発着枠は、もう限界だし・・・
  • そうだ、地方空港に直接きてもらえばいいんだ
  • よっしゃ。地方空港を援助しよう

という感じ。

我が国を訪れる外国人旅行者の数は増加の一途をたどり、2016 年には約2,400 万人と過去最高を記録しました。

一方、その大半が出入国に際してゴールデン・ルート上を含む特定の空港を利用しているという実態に鑑みれば、今後我が国としてさらに多くの外国人旅行者を受け入れるためには、首都圏空港をはじめとする国際線需要の高い空港の機能強化を図りつつも、地方空港への国際線就航を促進し、「地方イン・地方アウト」の流れを作ることが必要です。

http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr19_000006.html

「地方イン・地方アウト」。

ふへー。

ナイスなワーディングだな、と。


それでまぁ、具体的に国土交通省が発表している施策としては、以下のような感じ。

新たな需要に対する取り組み – LCC普及への取り組み – 国土交通省

気になったのは、以下のあたり。

  • 着陸料の引き下げ
  • コンセッション推進
  • オープンスカイ推進

それぞれ、どんな感じなんだろうな?と。


地方空港におけるLCC等の国際線就航加速パッケージ

「着陸料の引き下げ」としては、「地方空港におけるLCC等の国際線就航加速パッケージ」が用意された模様。

地方空港へのLCC就航促進のため、着陸料の引き下げ等の支援を受けられるパッケージ。

航空:地方空港におけるLCC等の国際線就航加速パッケージ – 国土交通

国土交通省では、地方空港へのLCC等の国際線の就航を強力に推進するため、高いレベルの 誘客・就航促進の取組を行う地方空港を「訪日誘客支援空港」と認定した上で、国管理、地方管理空港等に おける着陸料の割引/補助、グランドハンドリング経費等の支援を行い、新規就航・増便を促進することと しています。

地方空港は、LCCに限らず着陸料の25%~80%が軽減される(3年間)

ただし「訪日誘客支援空港の認定」が必要。

また、羽田、福岡、新千歳を除く

3年間限定だとアレな気がするが、延長前提なんだろうか。

いずれにしろ、海外の航空会社を誘致するための、着陸料や(地方空港が弱い)グランドハンドリングなどの支援を受けられる、と。


空港運営の民営化(コンセッション推進)

「コンセッション推進」=空港運営の民営化も、徐々に始まっている模様。

民営化による効率経営で、黒字空港を目指す。

第一弾として、仙台空港の民営化が完了している。

成果も出て、LCC就航(タイガーエア)もあった模様。

仙台空港民営化1年 LCC誘致成功 全国の地方空港で活発に

民営化の第2弾は、高松空港。

現在進行中。

運営委託先はコンペで、優先交渉権者が最近決定した。

→「三菱地所・大成建設・パシコン」グループ

高松空港特定運営事業等の優先交渉権者選定に係る客観的評価結果等の公表について – 国土交通省

公共施設等運営権制度を活用して行われる仙台空港に続く国管理空港の第二号案件であり、比較的規模の小さなローカル空港としては全国初の運営委託の取組であり、注目度の高いプロジェクトである

優先交渉権者となった「三菱地所・大成建設・パシコン」のプレゼン資料は、下記にあがっている。

http://www.mlit.go.jp/common/001197666.pdf

アジア・世界とつながる四国瀬戸内N o . 1 の国際空港

複数のL C C の拠点化を進め、旅客数3 0 7 万人を達成

「旅客数307万人」(2032年の目標、現在は180万人)

いいですね。

基本的には海外からのインバウンド強化の話だが、地方空港が便利になれば、自分的にも国内旅行が捗るかな、と。

なお、今後のスケジュールは以下。

  • 平成29年10月 運営権設定・実施契約の締結
  • 平成29年12月 ビル施設等事業の開始
  • 平成30年 4月-空港運営事業の開始

2018年4月には運営開始か。


オープンスカイも進む

オープンスカイも、ちゃくちゃくと進めているようですね。

オープンスカイとは・観光用語集 – JTB総合研究所

そのほか先日も、日本-インドのオープンスカイの速報があがってました。

Open-Sky Pact: India-Japan fares could come down with open-sky pact – The Economic Times

オープンスカイでいきなり飛行機代が安くなるかっていうと、ちょっとアレだけど。

ただまぁオープンスカイが締結されると、発着枠の問題さえクリアできれば航空会社が新規路線を作ったり、便数を増やしてくれるかもしれない。

ニーズさえあればLCCとかも突っ込んでこれるので、上記のような着陸料の割引とかで、LCC誘致ができるといいよなぁ、と。

そうなってくると、地方航空。

とはいえ、日本側の地方航空に発着枠があっても、乗り入れ先の「発着枠」がないと、なかなか難しいんだろうけど。


まとめ

地方空港にLCCを誘致するのは、基本的には「外国人観光客を日本へ」という方向の話。

ただまぁ、路線ができれば日本の地方在住者にとっても、海外に直接いけるようになって便利だよな、と。

発着枠の関係から羽田は関係ない(除外される)ので、個人的にはアレなんだけど。

あんま関係ないんだけど。

ただまぁ、国内旅行+地方空港からのの海外ルートで旅行できたり、今後はできたらおもしろいな、と。


そんな感じ。

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