苦戦する四国の駅弁、松山の「醤油めし」は製造元が事業停止、徳島は駅弁ゼロ県へ

愛媛の松山駅から「醤油めし」が消えた

愛媛県の松山駅で、昭和35年から続くロングセラーだった駅弁「醤油めし」。

製造元の鈴木弁当店が、2018年4月に事業停止して松山駅から姿を消した。

減収基調が止まらず、先行き見通しが立たず事業継続を断念とのこと。

駅弁「醤油めし」製造元、松山駅から駅弁消える~

駅自体の利用者減と、コンビニとの競合激化が原因らしい。


以前、松山駅のホームでは鈴木弁当店の駅弁が売られていた。

左手前に鈴木弁当店、右奥に見切れているのはセブンイレブン。

最近、松山駅に行ったが、すでに鈴木弁当店の形跡はなかった。

ただポツンと、奥にセブンイレブンの小型店舗が残るのみ。

鈴木弁当店では「醤油めし」以外にも、「マドンナ弁当」などの弁当を扱っていた。

夏目漱石「坊ちゃん」(舞台は松山)にちなんだ弁当である。

しかしその弁当も、鈴木弁当店の撤退とともに姿を消した。

松山駅では現在、駅弁が1つも売っていない。


名物だった「醤油めし」は、松山で昔から祭りや祝い事など「ハレの日」に食されていた炊き込みご飯。

おかずは椎茸・タケノコ・鶏肉・・・

滋味あふれる美味しい駅弁だった。

包み紙は昭和35年からずっと同じ、レトロなデザイン。

相撲の番付表風に、伊予弁と現代語訳が書かれていた。


個人的に「醤油めし」は、四国旅行で食べた中で一番好きな駅弁だった。

なくなってしまい、残念。

ちょうど1年前に食ったのが最後かな。

今回の四国旅行で松山駅を訪れて、そこに「醤油めし」が売られていないことを自分の目で確認し、「あぁ、ないんだな」と。

しみじみ思った次第。


ちなみに松山からは駅弁が消えたが、今治など愛媛の他駅には駅弁がある。

しかし県全体で「駅弁が1つもない」という県もある。


徳島は駅弁ゼロ県へ

同じ四国の徳島県。

こちらは、2016年8月を最後に県全体から駅弁が消えてしまった。

徳島県内「駅弁なし」続く 全国で沖縄と2県だけ 徳島新聞

こちらも利用者減による、製造元の撤退。

↑記事に製造元へのインタビューが載っている。

徳島は鉄道に乗る人が少なく、一日に3個くらいしか売れなかった。

徳島を代表して駅弁を作っているという思いから、10年以上頑張ってきたが、持ちこたえられなかった。



全国で駅弁がないのは、徳島と沖縄だけだそうだ。

2016年までは、徳島名産「阿波尾鶏(あわおどり)」を使った「阿波地鶏弁当」などがあった。

↑は2016年の春に食べた「阿波地鶏弁当」。

(その年の夏に、この弁当も消えた)

鶏三昧の、美味しい弁当だった。

今回、徳島駅にも寄ってみたので、一応駅弁の姿を探した。

しかし、やはり1つも駅弁が売っていなかった。


いつかまた、徳島にも駅弁が復活するといいすね。。。


香川「高松駅弁」は廃業も駅弁は継続

高松(香川)については、2014年に「高松駅弁」が業績悪化で廃業。

しかしコチラは引き継ぎ先がみつかって、現在でも高松駅で駅弁が売られている。

JR四国グループ「高松駅弁」 9月末で会社解散 「駅弁販売は続けたい」

製造委託先は、岡山県の会社らしい。

業績の悪化により2014年6月20日をもって廃業(店舗は同年5月11日に閉鎖)した。

同年6月21日より「ステーションクリエイト東四国」が引き継ぎ販売している(岡山の三好野本店に製造を委託)。

高松駅 (香川県) – Wikipedia



現在も高松駅では、駅構内で駅弁を売っている。

キレイな駅弁屋で、品揃えもなかなかいい感じ。


高松の駅弁といえば、「あなご飯」でしょうか。

これもまた、美味ですね。


まとめ

↓記事によると、四国で駅弁を売っていたのは高松、今治、松山、宇和島、高知の5駅。

徳島県なぜ駅弁ない? 姿消し1年、変わる旅のお供 | 乗りものニュース

今回、松山が消えたので残り4駅かな?

他駅の最新情報は分からないが・・・。


さて。

松山や徳島から駅弁が消えたのは残念だけど、年1回で四国一周の電車旅行とかしてるので、今後も駅弁をいろいろ楽しみたいな、と。

そんな感じ。

JR四国「バースデーきっぷ」(3日間)を使い、電車で四国一周。車窓を眺めながら食べた駅弁のメモ。

JR四国「バースデーきっぷ」(3日間)で四国一周しつつ食べた、駅弁のメモ(2017年)

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