カツレツ発祥の店「ぽん多本家」
明治38年創業、宮内庁の西洋料理担当だった初代が創作した「カツレツ」。
「とんかつ」の元祖ということですね。
ぽん多本家

ずっしりと重たい扉。
中の様子も窺えず逡巡するも、ままよと飛び込み入店。
先客で埋まっていたが、5分ほどすると2階席に案内された。

今回注文したのは「カツレツ」(2970円)。
ご飯・赤だし・おしんこのセット(550円)を追加します。
しめて3520円也。

黄金色に輝くトンカツ。
ならぬカツレツ。
美しい揚げ色だ。
それにしても、結構ボリュームありますな。
ご飯はおかわり自由だそうです。

こちらのとんかつは、脂抜きの赤身のみ。
脂が入っていると揚がる時間が長くなり、赤身を揚げ過ぎてしまうので抜いているとのこと。
抜いた脂で作ったラードで揚げて、コクをだしている。
世界に伝えたい日本の老舗「ぽん多本家」
柔らかい肉に、軽やかな衣。
塩をかけて、モリモリ食べ進めます。
肉と脂の旨味が素直に入ってくる感じが、噛みしめ天国。
うまいっス。
個人的には脂ありのジャンキーな「とんかつ」が好みではあるが、そういうのとはまた違う、お上品な肉と衣のハーモニーが楽しめますね。
ちなみにカツの中には1つ、ジャガイモを揚げたのが入っていた。
噛んでビックリ、あれ、芋ですか?
でも、その芋もまた、旨かったですねぇ。。。
ヒレカツ発祥「蓬莱屋」
ヒレカツ発祥のお店、「蓬莱屋」。
公式HPの宣伝文が渋い。
「ヒレカツ一筋、小津安二郎監督が心から愛してやまなかったヒレかつ専門店です」。
ヒレカツ専門店 蓬莱屋
大正元年(1912年)創業、屋台で提供しはじめた「ヒレカツ」が好評で、現在の地に店を構えたのが昭和3年。

店の佇まいも渋いですなぁ。
JR御徒町駅から徒歩2分で、この昭和感。
ヒレカツ発祥の店だけに、注文は「ヒレカツ定食」と心に決めていたが・・・。

「東京物語膳」(2800円)・・・。
小津監督は実際、蓬莱屋によく通っていたそうで。
その日記には、蓬莱屋の名前がたびたび登場するそうだ。
遺作「秋刀魚の味」では「松坂屋の裏のとんかつ屋へはよく行くんですがね」というセリフで、間接的に蓬莱屋が登場するらしい。
そんなセリフ、全く覚えてないが。
演者がとんかつを食べるシーンでも、蓬莱屋の内観ぽくセットを組んで撮影されたそうで。
『秋刀魚の味』において、佐田啓二と吉田輝雄がとんかつを食べるシーンはセット撮影であるが、それはまるで蓬莱屋の二階に二人がいるような印象を与えるセットを組んでいることが、蓬莱屋でとんかつを食べた人ならすぐわかる」(貴田庄『小津安二郎 東京グルメ案内』)
http://harmlessuntruths.net/columns/sanpo17_okachimachi02/
とまぁ、そうなってくると「東京物語膳」が気になるところではあるが・・・
セット構成は特に由来があるものでもないらしいし。
初志貫徹、ヒレカツ定食(3300円)で!

こんがり2度揚げのヒレカツ。
ちなみにカツの2度揚げも、このお店が発祥とのこと。

薄く張り付いた衣、上質感あるヒレ肉。
うまし。
ボリュームが、もうちょい欲しいところですが・・・
外観はレトロな雰囲気ながら、店内1階はキレイなカウンター席のみ。
シャキッとした接客。
雰囲気の良いお店です。
ほい。
そんな感じ。