羆嵐

正月に読んだ本・観た映画(2024年)

羆嵐

M-1はじめました。

M-1はじめました。」は漫才グランプリ(M-1)を作った吉本社員の話。
漫才というのはM-1以前は全く人気がないコンテンツだったそうで。

現在はテレビで人気の漫才師たちが、不遇時代に世を拗ねていた仕草がリアルに匂ってくる。
そしてM-1をきっかけに成り上がろうとギラギラしだしたくだりは、やっぱりアツい。
中川家とか、ますだおかだとか、ダウンタウンとか。

吉本社内やテレビ局の力関係とか、オートバックスとのなれそめとか、ビジネス展開も生々しい。
ここまで書いて、大丈夫なんだろうかと心配になっちゃう。

いずれにせよ、良本だった。

羆嵐

北海道で実際に起きた、日本史上最大の熊害事件「三毛別羆事件」をモデルにした小説。
一頭のヒグマが開拓村を襲い、1週間で7名が犠牲になった凄惨な事件。
三毛別羆事件

熊に食われて死んだ村民の通夜に、同じ熊が戻ってきて更に犠牲者がでる。
肉の味を覚えると、徹底的に人に執着するという熊の恐ろしさを感じる作品だった。

羆嵐」はこれをモデルにした小説だが、ほぼ史実に沿っているらしい。
小説なだけに、読みやすくなっている。
一方で、完全なノンフィクションとしては「慟哭の谷」がある。

もともと「旅をする木」を読んでスゴく良い本だったんだが、作者が熊害で亡くなったことを知り。
最近ではOSO18なんかの話もあることから、「羆嵐」に辿り着いた。

今年は熊の本をたくさん読んだので、もう北の方の山に行くのが怖くなっちゃったな。
礼文島・利尻島みたいな、熊がいない島とかなら良いけど。。。

羆嵐

医者が教える 究極にととのう サウナ大全

最近は旅先のホテルでサウナを使うようになったが、ととのったことがない。
そこで、「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」を読んでみた。

「ととのう」とは、サウナ→水風呂において交感神経が優位な状態から、外気浴で副交感神経優位に移行しつつも、血中にアドレナリンが残っている状態らしい。

実際、本の通りにやってみたが、ととのわなかった。
サウナーとしての道のりは、遠そうだ。

サウナは健康に良い/悪いの議論がまだ尽きてないイメージがある。
それはともかく、一度「ととのう」というところは体感してみたいな、と思ったんだが・・・

なかなか、難しいね。

エマニュエル・トッド

エマニュエル・トッドの本を2冊ほど読んだ。
我々はどこから来て、今どこにいるのか?」を読んで興味がもったので、もう少し読んでみようかと。

我々はどこから来て、今どこにいるのか?」は、家族構造で人類史を解釈する。
家族構造が政治・宗教・経済に影響してくるという話だが、これがなかなか面白かった。

家族構造とは核家族・直系家族・共同体家族などで、同居・相続・外婚/内婚などで細分化される。
ただしこれを長々と分析するので、話が長いしお値段も結構する。

そういう意味では「老人支配国家 日本の危機」が短くまとまっているかもしれない。
これは文藝春秋への寄稿を寄せ集めた新書だが、「我々は~」のエッセンスは散りばめられている。
タイトルがアレな感じがするが、全然そんな感じではない。なんでこのタイトルにしたのかな。

トッド人類史入門 西洋の没落」の方は、佐藤優氏の解釈やインタビューなどで構成。
補講的な意味では良い本だったが、これを「入門」というと、ちょっと違うような気が。。。

個人的なメモは以下。

絶対核家族のアメリカは、創造的破壊を得意とするので今後も世界を牽引する。
米国が非常に革新的・先進的な一方で「なぜか野暮ったく見える」のは、そのコインの裏側。
最近はグローバリゼーションで白人中間層の短寿命化が進み、(白人間の)平等主義に傾きつつある。

直系家族型の日本は、キャッチアップは爆速でできるがイノベーションは苦手。

中国は急速な人口減少の問題があり、今後も覇権を取れない。
そして中国もまた、世界の工場化を求められて成長してきたグローバリズムの囚人。

読んだ感想としては・・・

NISAの配分を検討するのに役立った。
今後もアメリカでいいかな、と。

ゴジラ-1.0

映画をみた。
ゴジラ-1.0

すごく良い映画だった。泣けた。
ベタな感じで、落しにかかってくる。

CGの街並みやゴジラも、思ったより全然いい感じだった。
ハリウッドに比べると全然予算が少ないらしいが、そうだとするとスゴいな、と。

関係ないが、予備知識ナシで観に行ったので「ゴジラ1.0」と思ってた。
マイナス1.0なのね。。。

パーフェクト・デイズ

ヴィム・ヴェンダースの新作で、トイレ掃除の映画。
寡黙な主人公の役所広司は、セリフはほとんどないが演技が良かった。
パーフェクトデイズ

職人のように丁寧にトイレ掃除の仕事に励み、銭湯と居酒屋で疲れを癒やす。
昼休みには神社の木漏れ日を愛し、夜は趣味の読書に耽る。そのルーティン。
日光を浴びるだけで充足する草木のような、ささやかなパーフェクトデイズ。

しかし地球は回っており、不意に世界が眼前まで迫ってくることがある。
仲間との別れ、助けを求める姪っ子、肉親とのトラウマ。早すぎる死別。
堪えきれず、泣いて、笑って、そしてまた静かなパーフェクトデイズに帰って行く。

挿入歌が懐かしくて、良かった。ルーリード、ヴェルベットアンダーグラウンド、キンクス。
劇中で石川さゆりが「The House of the Rising Sun」の日本語版を熱唱していて、それもジンときた。

ほい。

そんな感じ。