まずは、セブンイレブンで「特性牛丼」(398円)を買ってきます。
コンビニの、セブンイレブンです。
セブンの牛丼は、コンビニの中では飛び抜けて美味いです。
そしてコンビニなので、手軽に入手できます。
牛丼店に行かなくても、「いつでも買える」ってのがポイントです。
次に、買ってきた牛丼をレンジで温めます。
500Wなら3分30秒。
容器は2段式になっていて、ご飯(下段)とお肉(上段)が別れています。
湯気の水滴が白米に戻ると嫌なので、店頭でなく家での温め推奨。
レンチンが終わったら、すぐに容器の上段・下段をバラして湯気を逃してやるワケです。
お肉の方にはツユもたっぷり入ってます。
このツユも、蓋についた蒸気の水滴が戻って純度が落ちるのを避けるため、直ぐに蓋をあけてやります。
純度を保った極上のツユを白米に捧げれば、牛丼はその分だけ濃厚な味で返してくれます。
全ては信頼関係なのです。
牛肉を、白米の上に優しく流し込みます。
飴色の玉ねぎが、姿を現しました。
気分が高揚してスグにでも食らいつきたくなります。
しかし、まだ完成形ではありません。
生卵を2つ用意します。
卵2つのうち、1つは黄身のみ使います。
白身が2個分入ると、卵が多すぎて台無しになるので、要注意です。
信じてください。
これは僕が試行錯誤の上でたどり着いた、至高のレシピなのです。
卵は、黄身×2、白身×1なのです。
用意した卵をかき混ぜ、牛丼の上にかけます。
「ちょっと卵が多くないか?」
せっかく慎重に扱った白米が、黄身の海で溺れているようにみえます。
果たして白米は、黄身に溺れて滅亡してしまうのでしょうか?
しかしこれは、最終審判を迎えるにあたって、必要な工程なのです。
次に、ノアの方舟がやってきます。
慎重に選定された素材だけが、その方舟に乗りこんでいます。
牛丼屋「吉野家」の唐辛子です。
最近は、通販で購入できます。
これは普通の七味ではありません。
「吉野家に唐辛子あり」と名高い、魔法のスパイスなのです。
厳選されたその中身は、陳皮・唐辛子・胡麻・アオサのみ。
そして「陳皮」(みかんの皮)の比率が多めで、香り高く辛くないのが特徴です。
これを牛丼にふりかけていきます。
「ちょっと、かけすぎではないか?」
そうでもありません。
吉野家の唐辛子は辛味がほぼないので、大丈夫なのです。
むしろ、入れまくったほうが旨味が増します。
「流石にもう、十分なのでは?」
確かに、ここで何人か脱落しても不思議ではありません。
先生は怒りません。
しかし、自分を信じることです。
さっき黄身を2つも入れたのは、このためでもあります。
見た目の恐ろしさにたじろがず、ギリギリの調和点を目指して前に進むのです。
目安は、「何も見えなくなるまで唐辛子で染める」です。
これで、完成です。
そしてこれが、僕の考えた最強の牛丼です。
吉野家で2年(バイト)・牛丼太郎で0.5年(バイト)。
合計2.5年の修行の末、僕が辿り着いた答えがコレです。
牛肉と白米、そして陳皮・胡麻の奏でる絶妙のハーモニー。
黄身のトロミと牛ツユの甘み、そして少々の唐辛子。
これは、美味いです。
ちょっと他の牛丼に負ける気がしません。
全く辛くはありません。
自分を信じて小瓶をふった者だけが知る、至高の牛丼です。
ちなみに一度に唐辛子を消費しすぎなので、店頭(吉野家)ではこんな無茶はできません。
また牛丼屋のテイクアウトより、レンチンを前提としたコンビニ牛丼の方がこのスタイルには合っています。
最後に、1つだけ注意点があります。
美味すぎるので、ついつい顔を容器に近づけて、かきこみたくなります。
そうすると、鼻息で舞った唐辛子が、鼻孔に入ってしまいます。
唐辛子が誤って鼻に入ると、「ワサビで鼻がツーンとする」のに似た感じになります。
アレより、もう少し物理の打撃感があります。
ちょっと痛いです。
焦らず、ゆっくり味わって食べるのが良いでしょう。
ほい。
そんな感じ。