特典航空券PLUS
JALが国際線の特典航空券を、12月から大きく変更する。
12月からは「特典航空券PLUS」が導入され、予測残席数連動で必要マイル数がアップする。
「混雑期には必要なマイル数が多くなる」という感じ。
公式サイトはコチラ。
JAL国際線特典航空券PLUS導入のお知らせ
プレスリリースはコチラ。
JAL特典航空券のサービスを一部変更します
必要マイル数以外にも、「キャンセル待ち」や「予約変更」が不可になるなどの変更がある。
以下、メモにて。
予測残席数でマイル数が増える
12月以降も、基本的な必要マイル数は変わらない。
(一部必要マイル数が少なくなる路線もあるが、微々たるものなのでここでは無視する)
その今までと同じ「基本マイル数」に加え、追加マイルを払えば「今までなら残席ナシで予約できなかった混雑期」にマイルで予約できるようになる。
この「追加マイル」が、12月に導入される「特典航空券PLUS」。
ファーストクラス以外で導入される。
「PLUS」では、同じ便でも「予測残席数」で必要な追加マイル数が異なる。
予約しようとしたタイミングでの残席予測値から、必要マイル数が上下する形。
↓イメージ図でいうと、基本的には「基本マイル数」(黒)で予約できる日が多いようだが、人気のある日は日によって追加マイル数(赤)が大きく異なるのが分かる。
また「PLUS」(追加マイル)では、路線によって追加マイル数の最大値が異なる。
路線毎の最大マイル数は、9月に発表予定。
現時点では、エリアごとの追加マイルの「最大値」のみ発表されている。
いずれにしろ、必要マイル数の最大値と最小値には、大きな差が開くことになる。
例えばハワイの場合、必要な往復マイルは最小で4万マイル、最大で22.8万マイル。
22.8万マイル?
まじビックリしちゃう。
以下、座席クラスごとの「基本マイル数」と、追加マイル(PLUS)の最大値について。
最大で9倍くらいは高くなる模様。
まずは、エコノミークラス。
近距離路線で、追加マイル数が大きい傾向。
エコノミー | 基本マイル数 片道 |
PLUS時MAX (基本比 倍率) |
往復MIN | 往復MAX |
---|---|---|---|---|
韓国 | 7,500 | 34,000(4.5倍) | 1.5万マイル | 6.8万マイル |
中国・香港 | 8,500 | 78,000(9.2倍) | 1.7万マイル | 15.6万マイル |
グアム | 10,000 | 59,000(5.9倍) | 2万マイル | 11.8万マイル |
東南アジア | 12,000 | 93,000(7.8倍) | 2.4万マイル | 18.6万マイル |
オセアニア | 18,000 | 74,000(4.1倍) | 3.6万マイル | 14.8万マイル |
ロシア | 17,500 | 128,000(7.3倍) | 3.5万マイル | 25.6万マイル |
ヨーロッパ | 23,000 | 141,000(6.1倍) | 4.6万マイル | 28.2万マイル |
ハワイ | 20,000 | 114,000(5.7倍) | 4万マイル | 22.8万マイル |
北米 | 25,000 | 135,000(5.4倍) | 5万マイル | 27万マイル |
次にプレエコ。
プレエコとビジネスは、長距離路線の方が追加マイル数が高い傾向かな?
プレエコ | 基本マイル数 片道 |
PLUS時MAX (基本比 倍率) |
往復MIN | 往復MAX |
---|---|---|---|---|
韓国 | - | -(-) | – | – |
中国・香港 | 15,000 | 79,000(5.3倍) | 3万マイル | 15.8万マイル |
グアム | - | -(-) | – | – |
東南アジア | 25,000 | 94,000(3.8倍) | 5万マイル | 18.8万マイル |
オセアニア | 25,000 | 84,000(3.4倍) | 5万マイル | 16.8万マイル |
ロシア | 25,000 | 137,000(5.5倍) | 5万マイル | 27.4万マイル |
ヨーロッパ | 35,000 | 152,000(4.3倍) | 7万マイル | 30.4万マイル |
ハワイ | 30,000 | 123,000(4.1倍) | 6万マイル | 24.6万マイル |
北米 | 32,500 | 144,000(4.4倍) | 6.5万マイル | 28.8万マイル |
最後にビジネスクラス。
「往復MAX」で北米往復=78万マイル(MAX時)になっているが、あくまで理論値MAXなので注意。
実際には、往路の両方がMAXの追加マイル数になることもないと思うので、そこまではいかないと思う。
っていうか、そんなマイル数では普通予約しない。
ビジネス | 基本マイル数 片道 |
PLUS時MAX (基本比 倍率) |
往復MIN | 往復MAX |
---|---|---|---|---|
韓国 | 18,000 | 48,000(2.7倍) | 3.6万マイル | 9.6万マイル |
中国・香港 | 24,000 | 99,000(4.1倍) | 4.8万マイル | 19.8万マイル |
グアム | 22,500 | 90,000(4倍) | 4.5万マイル | 18万マイル |
東南アジア | 40,000 | 246,000(6.2倍) | 8万マイル | 49.2万マイル |
オセアニア | 40,000 | 181,000(4.5倍) | 8万マイル | 36.2万マイル |
ロシア | 40,000 | 261,000(6.5倍) | 8万マイル | 52.2万マイル |
ヨーロッパ | 55,000 | 391,000(7.1倍) | 11万マイル | 78.2万マイル |
ハワイ | 40,000 | 224,000(5.6倍) | 8万マイル | 44.8万マイル |
北米 | 50,000 | 394,000(7.9倍) | 10万マイル | 78.8万マイル |
なんか上表だけみると「必要マイル数が大改悪」みたいな感じだけど、ハイシーズン以外はそこそこ「基本マイル数」でいけるんじゃないかな。
オフシーズンの平日とか。
ハイシーズンは・・・
どうだろうな。
また、ファーストクラスについてはPLUSが導入されず、引き続き固定マイル数。
場合によっては、エコノミーやビジネスなどよりファーストクラスの方が安く乗れる場合も、ありそう。
予約困難は変わらないと思うが。
「予測残席数」と「特典航空券の座席数」
上表のように、「PLUS」導入後は必要マイル数が「予測残席数」で大きく変わってくる。
「予測残席数」は、その時点での「空席数」とは異なる。
その時点での「最終的な混み具合≒売れ残り座席数」を、JALが予測した値。
具体的なJALの定義は以下。
※「予測残席数」とは現時点における便の最終的な混み具合の予測値です。
(ご予約時の便の空席状況のことではございません。)
「空席連動」ではないので、発売直後で空席ばかりのタイミングでも、JALが「この便は売れる。満席になる。」と判断すれば、価格は最初からつり上がっている。
つまり、「PLUS」の必要マイル数はググッと上がった形でスタートする可能性がある。
まぁ、夏休みとか、冬休みとか、連休とか、そーゆータイミング。
PLUS開始後でも「基本マイルのみ」での予約は可能だが、ハイシーズンの連休では「いつJALが予測値を反映するか」「予測値に対してどれくらいマイル数を上げるか」が問題になりそう。
一方、「特典航空券」で予約できる座席数は増えるのかもしれない。
実際は分かんないけど、下記JALの説明をみてそう思った次第。
今までの特典航空券では、キャンセル待ちとなる日程でも、追加マイルのご利用により予約できる日が増える。
もともと特典航空券で予約できる座席数は、非公開ながら限定数となっている。
お金を払う有償予約なら空席があるが、マイルを使った特典航空券で検索すると「空席ナシ」。
そーゆーことが、よくある。
PLUS導入後は、そういったシーンでも「追加マイルを払えば、マイルで予約できる」ということかな。
たぶん。
その場合、追加マイル数が必要になりながらも、一応は「マイルで予約しやすくなった」という形になりそう。
ということで、「予測残席数」と「特典航空券の座席数」。
この2つの運用バランスで、「予約しやすくなる」かどうかは変わってくるよなぁ、と。
「特典航空券の座席数が増えたので、マイルで予約しやすくなった」
「そもそも必要マイルが多すぎて、予約できなかった」
など。
連休にしか旅行に行けない一般的な用途でいうと、基本的に必要マイル数は増える傾向になりそうだけど。
キャンセル待ち・予約変更は不可など
「特典航空券PLUS」の導入と同時に、特典航空券のキャンセル待ち・予約変更は不可になる。
(PLUSが導入されないファーストクラスを除く)
予約変更したい場合、「キャンセル&マイル払い戻し(3000円)→再度予約」となる。
とりあえず往路だけ希望日で予約して、復路は仮日で様子をみるとか、そーゆーことができなくなる。
「キャンセル待ち」については、PLUSと相反するので不可になるんでしょうね。
キャンセル待ちってJAL側視点では潜在顧客というか機会損失というか、とにかくアレなので、さっさと有償チケット買うか、追加マイルを払うか、どっちかでヨロ!みたいな。
まぁユーザー視点でも、早く決断できて(諦めがついて)、ある意味いいかもしれないですね。
分かんないけど。
あと、「いま、さらっと大事なことを言った」的な意味で言うと、「ディスカウントマイル」の今後は未定らしい。
Q:PLUS開始後、ディスカウントマイルキャンペーンなどは実施されますか。
A:現時点では未定です。今後キャンペーンを実施する場合は、順次JALホームページにてお知らせいたします。
えー。
みたいな。
また、上級会員への座席開放とか、そーゆーのがなんかあると良いんだど、どうだろうな・・・。
必要マイル数が減る路線
今回、必要マイル数(基本マイル数)が減る路線も用意されている。
と言っても微々たるモノなので、「PLUS」導入の告知で「減る路線もあります!」と言いたかっただけなんじゃないかという気がしないでもない。
以下、マイル数が減る路線の一覧(片道マイル数)。
対象はエコノミーのみ。
(エコノミー以外では減る路線ナシ)
行き先 | 新マイル数 | 旧マイル数 | 差分 |
---|---|---|---|
高雄 | 8500 | 10000 | -1500 |
クアラルンプール | 14500 | 17500 | -3000 |
ジャカルタ | 15500 | 17500 | -2000 |
シンガポール | 12000 | 17500 | -5500 |
ハノイ | 13000 | 17500 | -4500 |
ホーチミンシティ | 13000 | 17500 | -4500 |
シドニー | 18000 | 20000 | -2000 |
モスクワ | 17500 | 20000 | -2500 |
パリ | 26000 | 27500 | -1500 |
フランクフルト | 23000 | 27500 | -4500 |
ヘルシンキ | 23500 | 27500 | -4000 |
ロンドン | 26000 | 27500 | -1500 |
シンガポールがやたら減ってるな。
基本ビジネス路線 or 修行路線で、特典航空券を使う人が少ないから、とか?
まとめ
今まで混雑期については、マイルでの予約がほぼ無理だった。
それが、追加マイル数を払えば「予約可能」になるかもしれない。
普通の平日については「基本マイル数」のみで、いままでと同じマイル数になるのかもしれないが、土日はどうだろうな・・・。
「マイル数は微増」&「でも予約はできるようなった」になるといいんですけどね。
基本、JALの運用次第(予測残席数の反映具合や開放席数=非公開のパラメータ)なんで、あまりにも過激なことはしないでくれると嬉しいんだけど。
少なくとも、ソフトランディングしつつANAが追随するまでは様子をみる、みたいな。。。
なお、JALについては11月に「提携航空会社」の必要マイル数も変更が入る。
こっちも、増減ありつつも基本は増加傾向。
まぁこのご時世、マイルに関して変更が入るとなると、基本はアレな感じになっちゃうワケで・・・。
そんな感じ。