スマホのカメラが広角化の傾向
最近、新しく発表されるスマホが、背面カメラにも「超広角レンズ」を備えるようになってきた。
今までも、前面カメラのみ広角レンズを搭載したスマホはあった。
「グループみんなの顔が、ちゃんと入るカメラに収まる広角セルフィー」という売り文句である。
その一方、デジカメ代わりに使う背面カメラについては、どの機種も画角75°程度。
いわゆる「超広角」には、ほど遠かった。
それが最近、新しく発表されたAndroid端末を中心に、広角レンズを背面カメラにもそなえるように。
例えばトリプルカメラのうち1つとして、超広角レンズを備える形。
超広角レンズを備えるGoProを「静止画用のカメラ」として使っている自分としては、嬉しい流れだ。
GoProを捨てて、スマホに一本化できるかもしれない。
例えば、iPhone7(画角75°)とGoPro6(画角149°)では、撮れる範囲に↓くらいの違いがある。
GoProの方が、より広い範囲をカメラに収めることができるのだ。
とはいえ。
最近発表された、広角レンズ搭載の「Huawei Mate 20 Pro」などでも、まだGoProのレベルには及ばない。
iPhone XsやPixel3にいたっては、画角は従来とほぼ変化なし。
(Pixel3については、そもそもシングルカメラでしかない)
しかし最近の広角化の流れは、個人的にウォッチしておきたい。
数年後くらいには、スマホカメラも「超広角化」してくれると、うれしいんだが・・・。
※参考ページ
Need a wide angle camera? Here are 8 smartphones that fit the bill
スマホカメラの画角(DFOV/HFOV)
一般的なスマホカメラ(背面カメラ)の画角は、75°くらい。
iPhoneもPixel3も、それくらいである。
iPhone xsは少しだけ広角化したが、75°→80°なので誤差の範囲。
一方、GoProの画角は149°。
最近の新製品発表で「おっ」と思ったのは・・・
「Huawei Mate 20 Pro」の120°や、「Galaxy S10+」の123°。
そして現時点で最も広角な、「ZTE Axon 9 Pro」の130°。
いずれも2018/11/04時点では未発売の、最新端末である。
製品 | 焦点距離 | 絞り値 | センサー サイズ |
対角画角 DFOV |
水平画角 HFOV |
---|---|---|---|---|---|
iPhone7、8、X | 28mm | F1.8 | 1/3型 | 75° | 63° |
iPhoneXs | 26mm | F1.8 | 1/2.55型 | 80° | 67° |
Pixel3 | 28mm | F1.8 | 1/2.55型 | 76° | (63?) |
Huawei Mate 20 Pro | 16mm | F2.2 | 1/2.7型 | 120° | ? |
Huawei P20 Pro | 27mm | F1.8 | 1/1.7型 | ? | ? |
Galaxy S10+ | ? | F1.9 | ? | 123° | ? |
Galaxy S10 | ? | ? | ? | ? | ? |
ZTE Axon 9 Pro | 10mm | ? | ? | 130° | ? |
GoPro HERO6 Black | 15mm | F2.8 | 1/2.3型 | 149° | 122° |
GoPro HERO7 Black | 15mm | F2.8 | 1/2.3型 | 149° | 122° |
※「Huawei Mate 20 Pro」は、「Huawei P20 Pro」からモノクロ(画質)を捨てて「超広角」を足している。つまり「Huawei P20 Pro」は大して広角じゃないと思われる。
※iPhoneはXsからセンサーサイズが少しだけ大きくなり、少しだけ広角化した
※GoProのレンズは170°と言われるが、撮影できるFOVのスペックとしては上記になる
※トリプルレンズのGalaxy S10+も期待しているが、2018/11/04時点では全然情報が出ていない
上記はいずれも、「背面カメラ」の「広角レンズ」のスペック。
(複数レンズがある場合は、「広角レンズ」のスペック)
セルフィー用の「前面カメラ」のスペックとは、異なる。
また、()カッコ表記についてはスペック不明、他のスペックが同程度な他機種からの予想値となっている。
逆に()がない数値は、ネットからスペックが拾えたモノ。
対角画角(DFOV)と水平画角(HFOV)
スマホ・カメラの画角として公式HPなどに記載されている度数は、対角画角(DFOV)。
撮影方向を対角線上に結んだ際の角度。
水平で考えた場合の画角は、「水平画角」(HFOV)の方。
当方のようなカメラ素人からすると、「水平画角」(HFOV)の方がイメージしやすい。
(縦横全体の「広角感」はDFOVでいいんだが、なんとなくHFOVの方がイメージしやすい)
画角については、以下のようなサイトが参考になる。
カメラ視野角計算(35mm判 対角)
カメラの画角の計算
ただし「広角レンズ」の場合は、計算通りにならないらしい。
そのため個人的には、上記のようなサイトでの計算は特にしていない。
例えばGoProであれば、公式サイトにDFOV/HFOVの記載がある。
HERO7 の視野角 (FOV) 情報
iPhoneのDFOV/HFOVについては以下。
35mm判換算焦点距離と画角の一覧
GoProカメラの広角感
GoProは「アクション・カメラ」なので、魚眼ライクな超広角レンズを搭載している。
つまり「超広角モード」だと画像が歪む(歪まない通常モードもあるが、画角は狭くなる)。
スマホのカメラにそこまで期待するのは難しそうだが、個人的には画質とかどうでもいいので、とにかく画角を広げて欲しいんだな。魚眼でいいから。
スマホ用の外付け広角レンズも持っているが、やはり取り付け・取り外しなど「運用が面倒」なので、標準で超広角レンズが欲しい。
(でも外付け広角レンズでも、割と良いモノはある。そこら辺の話はまた今度)
非常に個人的な好みの話だが・・・
多少魚眼ライクに画像が歪んでも、広い範囲を撮れた方が「雰囲気」を記録できて嬉しい。
例えば、↓はGoProで撮影したカウントダウン花火(プーケット)の様子。
地面から花火や月まで、全景がスッポリと撮影できる。
(遠くには、空に浮かぶランタンも小さく映り込んでいる)
↓はサグラダ・ファミリア。
柱が歪んでいるが、ステンドグラスを含め荘厳な屋内の様子を全体的に記録できる。
部屋の様子を「まるまる撮影したい」場合も、GoProは便利。
↓はホテルの部屋の様子。
同じく、ホテルのプールの写真。
これくらいのレベルの超広角画像を、スマホでとれるようになったら便利だよなぁ、と。
まぁ今発表されている分も含め、今後の新製品に期待したいと思います。
そんな感じ。
iPhone11の超広角カメラ(FOV120°)を、iPhoneXsの広角カメラ(FOV80°)と比較する – やじり鳥