全国を対象とした観光需要喚起策
国による観光支援事業として、新たな制度が7月上旬に開始。
現時点での制度名は「全国を対象とした観光需要喚起策」だが、名前が長すぎるので今後名称が「全国旅行支援」などになる可能性あり。
観光庁による報道資料はこちら。
全国を対象とした観光需要喚起策の実施について(観光庁)

期間 | 2022年7月前半~8月末 ※お盆など繁忙期は除外 |
割引率 | 40% |
割引上限 | 宿泊のみ:5,000円/泊 ツアー:8,000円/泊 ※連泊上限は未定 |
買物クーポン | 平日:3,000円 土日:1,000円 |
開始が7月前半のため、そのうち公式サイトができて詳細が明らかになると思われます。
一方で実施は「8月末まで」となっているが、まぁ、問題なければ延長もあるんじゃないですかね。
なお、もともと「GoToトラベル」は土日利用に偏る・都市部利用に偏る・高級ホテル利用に偏るなどの課題があったため、GoToトラベルと比べて以下のような違いが盛り込まれている。
- 「土日」より「平日」の方がクーポン額が高い(平日への分散)
- 「宿泊のみ」より「ツアー」の方が割引上限が高い(郊外への分散と交通業界支援)
- GoToトラベル比で割引率は5%アップながらも、割引上限は大幅ダウン(高級宿への偏り回避)
旧GoToトラベルは35%割引ながら、割引上限は1.4万円であった。
比べて今回の「全国旅行支援」(仮)は40%割引で上限8,000円。
※「割引」だけを比較した場合。双方とも「クーポン付与」が更にあり
GoToトラベルは「高級ホテルに利用が集中する」という課題があったため、割引率を上げてつつも割引上限を削っている感じですね。
また今回の制度については、コロナ対策の観点から実施を希望しない県があれば、制度から除外される。
この点も全国一律実施だったGoToトラベルとの違いとなる。
実施に際しては、都道府県と協議を行い、感染状況等を踏まえて実施を希望しない都道府県から申し出があれば、当該都道府県を目的地とする旅行を支援対象から除外することとします。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001486713.pdf
7月開始に向けて、「やりたくない」という県がでてくるか、ちょっと注目ですね。。。
「県民割」や「GoToトラベル」との違い
本施策の名称は、まだ正式には固まっていない。
正式名は「全国を対象とした観光需要喚起策」ながら、長すぎるので「全国旅行支援」になる可能性あり。
国土交通省による発言は以下。
(問)先ほど冒頭でお話いただいた観光需要の喚起策ですが、大臣のお話で県民割の全国拡大ではないとおっしゃいましたが、新しい制度を我々はなんとお呼びすればよいでしょうか。
国土交通省 斉藤大臣会見要旨 (6月17日)
(答)全国を対象とした観光需要喚起策。このように呼んでいただければと思います。
官房長官による発言は以下。
名称については、全国旅行支援を考えているものと聞いている。
内閣官房長官記者会見(6月17日)
シンプルに「GoToトラベルの続編にすればいいのに」と思わなくもないが、GoToトラベルは受給不正などの問題が発覚したり、緊急事態宣言でストップするなどケチがついていたので、選挙を控えてマイナスイメージのある「GoToトラベル再開」はしたくないと政府が考えてるっぽい、という解説がニュースサイトなどで散見される。
ということで、「県民割」の拡張版でありつつ、「GoToトラベル」とは異なり「各県に参加を選ぶ権利がある」という形で、新たな制度をレッツ・スタート。
そのあたり、GoToトラベルや県民割との違いについては、以下でも国土交通省大臣の答弁によって語られている。
2つの観点からいきたいと思いますが、Go Toではないと、という視点については、地域の感染状況に応じた運用が可能な地域観光事業支援により全国を対象とした需要喚起策を講じることとしたもの、つまり地域の感染状況に応じた運用が可能。
国土交通省 斉藤大臣会見要旨 (6月17日)
我が県は来てほしくないという場合にはそれが尊重される。
ここがGo Toと違うところです。
逆の視点から、県民割と何が違うのかということについては、先ほど申し上げましたが、全国から旅行者を受け入れる都道府県を対象として支援をする、支援水準を全国一律とすること、新たな支援メニューを追加したこと、先ほどの交通付き、平準化とか、こういうところが県民割と全く違うところでして、御理解を賜りたいと思います。
あえて言うと、先ほど申し上げました、全国を対象とした観光需要喚起策、ちょっと長いですが、そのように考えています。
で、今回の制度も一応の期限は8月末までとなっているし、選挙が終わったら更に「GoToトラベル」(全県強制参加版)をやるのかにゃ?という気がするが、どうでしょうね。
ほい。
そんな感じ。