ANAマイレージクラブ会員規約が変更
ANAマイレージクラブ会員規約が、2022年4月11日から変更となる。
ANAマイレージクラブ会員規約改定のお知らせ
新しい規約では、初めて「スーパーフライヤーズ会員」というワードが登場した。
下記の右側が、改訂後の規約となる。

「スーパーフライヤーズ会員」:本規約およびANA スーパーフライヤーズ会則に準じる会員。
※ANAマイレージクラブ会員規約
弊社が定める条件を達成し、所定の申込を⾏うことによりスーパーフライヤーズ会員となることができる
「スーパーフライヤーズ会員」・「プレミアムメンバー」の定義が追加されている。
最近では「SFC」「変更」と聞くと、ついつい「さては改悪か?」と反射的に身構えてしまうが、今回は特に改悪と言うことでもなさそうだ。
その他の変更点としては、プライバシーポリシー(個人情報の取扱い)に関する変更があった。

弊社は、スター アライアンス加盟各社がスター アライアンスゴールドメンバー、スター アライアンスシルバーメンバー向けに各種特典を提供するため、スター アライアンス加盟各社へスター アライアンスゴールドメンバー、スター アライアンスシルバーメンバーの氏名、会員番号、会員ステイタス等の情報を提供します。
※ANAマイレージクラブ会員規約
ANAの会員情報を、スターアライアンス加盟の航空会社に連携することが追加されている。
ANA側の上級会員はスターアライアンス側のステータスも持つことになるので、そのステータス情報をスターアライアンス加盟会社に連携することで、スターアライアンスでのステータス特典を享受できるようになるということですね。
なお、ANAマイレージクラブ会員規約とは別に、SFC会則は別途存在している。
SFCの「ANAスーパーフライヤー会則」がANA公式サイトに登場
なぜ今になって変更なのか?
「スーパーフライヤーズ会員」・「プレミアムメンバー」 はそこそこ以前からある用語だが、なぜ今になってAMC規約に追加するのだろうか。
時は遡って、2021年3月。
旅客システム会社「SITA」がハッキングされて、世界中の航空会社の乗客情報が漏洩して大騒ぎになった。
世界の航空大手から会員情報流出-スターアライアンスとワンワールド
この時、ANAは100万人、JALは92万人の個人情報がSITA経由で漏洩している。
対象は各航空会社の上級会員の情報で、スターアライアンス・ワンワールドなどのステータスホルダーの情報が漏洩してしまった形。
ANAやJALはハッキングを受けていない。
しかし、それぞれ上級会員の情報がSITA社のシステムに入っており、それがハッキングされたんだな。
なぜSITA社のシステムに上級会員の情報が入っていたかと言えば、先述の通り上級会員の情報を航空会社間で連携するため。
SITA社は航空系ITの巨大企業で、世界の9割の航空会社がSITA社のサービスをなんらか使っていると言われている。
そこら辺の詳細は、下記など参照。
JALが会員情報の漏洩を発表、SITA社ハッキング被害の影響
なお、このハッキングで漏洩したのは「氏名・会員番号・ステータス」のみ。
決済に直接繋がるような情報は含まれていない。
さて。
ということで、今回の「ANAマイレージクラブ会員規約変更」については、この3月のインシデントを受けて、あらかじめ情報の共有について規約で触れたモノと思われる。
他社と情報を連携するのはSFC会員を含む「プレミアムメンバー」が対象であるため、SFC・プレミアムメンバーの定義も追加しつつ、「個人情報の取り扱い」を拡充した、と。
そのほか
また今回の変更では、以下のようにサービスの変更権限についても記載が拡充された。
※左が現行規約、右が変更後の規約

今までは「予告ナシに変更しまっせ」という感じだったのが、「利⽤者等の⼀般の利益に適合する場合(は変更する)」というように、利用者の利益について考慮する旨の記載が追加されている。
ホンマかいな。
Q:じゃあ、もうSFCの特典を弄るのやめてくれるん?
A:非SFC会員の利益全般を鑑みて、全体最適の観点から○△×・・・。
おー尿!!
(Oh,No!!)
ほい。
そんな感じ。