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「蚊よけ・虫よけスプレー」の効果は「ディート成分量」で決まる。海外製品の方が効くのか?体に害はあるのか?

旅行用アイテム

特に東南アジアのビーチリゾートで行くにあたって、「蚊の対策」に非常に苦心するんですよね。
蚊に刺されて痒くなると、せっかくのビーチ・ライフが台無しになるので。


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「蚊に刺される/刺されない」は体質にもよるっぽいが、日本で「刺されない」人でも、海外では刺されることがあるかもなので注意。
また、「蚊よけスプレー」は忌避剤、つまり「蚊が寄りつかなくなる」薬。
つまり、蚊が他人のトコロに行くだけ。
例えば、、、複数人で旅行する際。
一人だけ「俺は体質的に刺されないから♪」と言ってスプレーをしていなかったら?
ゴクリ。。。


それはともかく。


「虫除けスプレー」は、どれが良いんだろうか?


簡単にいうと、効果は「ディートの成分量」で決まるらしい。
詳しくは↓。


biz-journal.jp

  • ディートの成分量で効果/持続時間が決まる
  • 日本の製品は薬事法で「12%」が最大
  • 海外製品では、もっと成分量が多いモノがある
  • しかし、肌荒れなどに注意
  • 長期間、恒常的に用いると体に良くないかも


例えば、「ムヒ」シリーズの「ムシペールα」。
これはディートが12%配合。


【第2類医薬品】ムヒの虫よけ ムシペールα 60mL

【第2類医薬品】ムヒの虫よけ ムシペールα 60mL

●虫よけ成分が12%配合されていますので、虫よけ効果が長く続きます。


ここでは、

  1. 12%(日本で認められている最大)だから
  2. 効果が長く続く

と、「持続性」にポイントを置いている模様。


それはともかく、「ディート」の安全評価というのは、どーなんだろうな、と。
虫に効くんだから、やっぱ体に良くないんだろうか?
どの程度?
気にする程度に?


ちょっと気になったので。


メモにて。



「ディート」(忌避剤)の安全性について


wiki的には、以下のように書いてある。

ディートは忌避剤として最も効果的で、効力も長持ちすることが示されている。
研究から、人の健康には重大な影響を及ぼさないとされている。
ただし人によってはアレルギーや肌荒れを起こすことがあり、動物実験で連続的大量摂取により神経毒性が見られたとの報告もあるが、ディートの危険性は上記のような感染症の危険に比較すれば極めて小さいとするのが一般的な評価である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%88


なるほど。


連続的大量摂取により神経毒性。


うーん。
なんだろうな。


自分は医薬品まわりとか特段詳しくない。
なので、「国がディートをどういう風に評価しているか」っていうのだけ、チェックしてみようかな、と。
具体的には、「厚生労働省」がどう評価しているか。


「厚生労働省」のディート評価の情報をみてると、もともと「国民生活センター」から2005年くらいに、

「ディート」の安全評価をちゃんとして欲しい

という要望が出て、それに対するリアクションとして、厚生労働省の動きが始まった模様。


そこら辺を、時系列に。



2005/6/3(国民生活センター) 虫よけ剤-子供への使用について-

虫よけ剤−子供への使用について− (発表情報)_国民生活センター


国民生活センターより、以下の要望が挙がった。

  • (特に子供の)健康に対する影響について検討して欲しい
  • 消費者が判断できるように、ディート成分量の表示を義務化し、表示方法を統一して欲しい


これを受けて、厚生労働省では「医薬品等安全対策部会ディート(忌避剤)に関する検討会」が開かれる(下記)。
(検討会の前段として、この種の要望にこたえることが目的として記載されている)


ちなみに、この2005年以前にも「ディートって大丈夫なの?ちゃんと調べて~」みたいな声は挙がっていた模様。
例えば、以下。


2002年 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会

ディートということで以前から使われているのですが、消費者団体の方の中には神経毒性ということで非常に気にされている方がおいでになります。
そこら辺についてきちんと安全性等についての情報等をお持ちであれば、逆に言うと情報提供なり何なりしていただかないと

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/04/txt/s0424-3.txt


これは2002年すね。



2005/8/15(厚生労働省) 薬事・食品衛生審議会 (医薬品等安全対策部会ディート(忌避剤)に関する検討会)

薬事・食品衛生審議会 (医薬品等安全対策部会ディート(忌避剤)に関する検討会) |厚生労働省


「国民生活センター」からの要望を受けて、検討スタート。


議事録は以下。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/08/txt/s0815-1.txt


この会議では、ディートによる影響に関する文献「DEETに関するデューク大学の文献(要約)」について、言及された。
デューク大学の文献の要約は、、、

DEET(40mg/kg)をラットに30日間皮膚塗布し、感覚運動機能の神経行動学的評価を行ったところ、実生活において曝露される量では、明白な神経毒性の兆候は現れないが、顕著な神経行動上の欠陥および脳神経の変性を引き起こすことが明らかとなった。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/08/dl/s0815-2c.pdf


ラットの試験で、「脳神経の変性」が起きた、と。


これはwikiに挙がっていた、「連続的大量摂取により神経毒性」系の話すね。


これに対しての、検討会での評価は?


実験方法的に足りてないというか、「これだけじゃ分からんよね」と色々疑問が呈されたという流れ(議事録)。


この実験結果からでは分かんないから、「ちゃんと追加試験やった方がいい」、と。

実験方法に不備があり常に少数例で論じられて再現性に乏しいことから、現時点では信用できる科学的なデータであるとは考えにくい。
したがって、英国COTの指摘と同様に、より科学的な方法でなされた追試の報告があれば安全性判断の材料とすることを検討すべきであり、現時点ではデューク大の基礎文献よりも、カナダ保健省による規制を参考にすることがより妥当である

※医薬品のメーカーである池田模範堂、大正製薬の総合見解


それでまぁ、検討結果としては、どうなったか?
別文書だが、以下に本検討会の概要がまとまっていた。

〔検討結果の概要〕

(1) ・ ディートを含有する医薬品等は、我が国において多くの人が40年以上使用してきているにもかかわらず、現在まで薬事法に基づく副作用報告はない
・ 米国、カナダ、英国などにおいて、販売停止等の措置を講じている国はない。
・ デューク大学の研究グループが行ったラット皮膚塗布試験に関する報告については、関係する他の報告に比べ低用量でディートの神経系への影響が認められているが、試験方法等の不備が見られるため、現時点では評価は困難である。

(2)  このような状況において、ディートを含有する医薬品等について、現時点では、販売停止等の措置を講ずるだけの科学的根拠はないと考えられる。

(3)  現在、国内で流通している製品については、使用方法等の記載が不明確なものが多いことから、適正使用を推進する観点から、製品中のディート濃度を明記させるとともに、カナダにおける記載(6か月未満には使用しない、6か月から2歳は1日1回、2歳から12歳は1日3回)を参考に、使用方法の目安等を明記させる必要がある。

(4)  デューク大学の研究グループが報告している低用量において認められた神経毒性については、再現性等を確認するために追加試験を行う必要がある。また、ディートの神経毒性について、今後も同様な研究報告に注目していく必要がある。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0608-5j.pdf
薬食安発第0824003号 2005/8/24


まぁ、
「ディートを使った製品については、使用方法や制限事項をちゃんと明記しようーぜ」
とか、
「とりあえず、ディートの安全評価は、追加で詳しい試験やろーぜ」
とか。
そーゆー感じ。


この検討会での結果を受けて、その後もアクションが続いていく。


その経緯については、以下に記載がある。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0608-5f.pdf


以下、具体的に。



2005/8/24(厚生労働省) ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0608-5j.pdf
薬食安発第0824003号


メーカーは、以下などを「使用上の注意」に明記するように、という厚生労働省の指導。

  • 乳児などへの利用回数の目安の明記
  • ディート濃度の明記


この指導を受けた、メーカーの対応は下記。



2005/9/16(大正製薬) 虫よけ剤 使用上の注意改訂のお知らせ

上述の指導を受けて、メーカー側で添付文書の改訂が行われた。

ディートは世界中で汎用されており、日本でも40年以上も前から販売されておりますが、重篤な副作用報告事例はなく、また諸外国においても販売停止等の措置を講じている国はありません。
しかし、小児に対する適正使用を推進する観点から、カナダにおける記載を参考にして、使用方法の目安等を明記することになりました。
つきましては、改訂添付文書の内容をよくお読みのうえご使用いただきますようお願い申し上げます。

虫よけ剤 使用上の注意改訂のお知らせ | 大正製薬


こちらは別メーカー。
http://www.iwakiseiyaku.co.jp/product/general/deet_siryou.pdf



2010/6/8(厚生労働省) 平成22年度第2回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

厚生労働省:平成22年度第2回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料


「追加試験が必要だよね」って言ってた件で、試験結果が出たので、それを評価しよう、と。


議事録は以下。
平成22年度第2回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会議事録 |厚生労働省

平成20年6月19日に、ディートの製剤を製造販売している企業が集まって結成したディート安全対策協議会から、神経系への影響に関する試験結果として、ラットの4週間の経皮投与試験、それから持続皮下投与試験ということで試験の結果が報告されました。
本日はこの試験結果、それから毎年提出されました研究報告について御評価をいただければと思います。

※試験はメーカー側が実施している


試験結果なんかの資料は、下記。
http://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000jff9-att/2r9852000000jfmo.pdf


それで、、、
評価結果は?


割と満場一致で、「問題ないよね」という感じ。


結論としては、、、

ただ今までの御意見をまとめますと、今般提出されましたラットにおける4週間経皮投与及び4週間持続皮下投与神経毒性試験において、特段問題となる所見は認められなかったこと。
企業から報告されました副作用報告、研究報告についても、特段の措置を取る必要は認められなかったこと。
それから事務局から提案がありましたように、添付文書の更なる改訂等の措置を取る必要はないこと。
また、これまで行政指導によって行われていた副作用や文献の調査については、これをもって終了することとしたいと思いますが、御異議はございませんか。


ということで。
「ディート」に関する検討・調査は、ここでいったん完了している。


その次に厚生労働省の部会で「ディート」という単語が目立って出てくるのは、自分のチェックした感じだと2015年(以下)。
つまり最近。



2015/2/20(厚生労働省) 第8回厚生科学審議会感染症部会

第8回厚生科学審議会感染症部会(2015年2月20日) |厚生労働省


これは「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針について」という議論の中で「ディート」が出てきたんですが。
「日本の12%は効果あるが、持続時間が短い」とか「タイだと20%とか30%とか使って、持続時間が長い」という話が入ってました。

○渡邉部会長 忌避剤の濃度うんぬんに関しては、薬事法で承認されて売られているのですね。そうすると、そちらのほうの問題になるので、マニュアルうんぬんの話ではなく、メーカーとの関係と、実際に日本で使っている濃度で本当に効果があるかどうかの実証は、もうできているのですか。
○山田委員 私の知るところでは効果はあるのですが、持続時間が短いのです。
例えば海外へ行って汗をかいたら、すぐに流れ落ちてしまうので、日本のものだとしょっちゅう塗っていないといけないことになるのではないかと思います。
その濃度が濃ければ長時間使えると。
○北村委員 ディート剤については現在、現場からの声も上がっていて、タイの製品などは 20 %、 30 %のものを使うようにアドバイスしているという状況のようです。
日本は 12 %で持続時間が短いので、現場では非常に困っているという話はありました。
○渡邉部会長 これはこの指針ではなく、薬剤のほうの。
指針には 12 %ではなく、 20 何パーセントのものを使いなさいというリコメンデーションは出てくるのですか。
○大石委員 ディートがどのぐらいの濃度であるとか、持続時間といったものは記載されると思いますが、診療ガイドラインのほうにそこまでは記載していません。
○渡邉部会長 あとは、それによって国民が選ぶことになるわけですね。
その辺の正しい情報というか、現状の問題点なども含めてそこに記載していただいて、国民が選ぶときに。
ディートは濃度が高くても、人間には副作用はないですよね。
○山田委員 一応副作用はあるらしいのですが、どのようなものかは忘れました。
最近、リスクとベネフィットを比較したスタディーがあって、それによるとディートを推奨すべきだという論文は出ています。
○渡邉部会長 そういうものを加えて、皆さんが判断しやすい状況をつくっていただくというのも重要だと思います。
○大石委員 高い濃度を使用していないというのは、やはり安全性を考えられていると思うのです。
その辺はしっかりリスクベネフィットを記載するように、研究班のほうに伝えておきます。


なるほど。


まぁ、この議事録においては、ディートの評価は議題そのものではないので、参考程度だけど。


そーゆー状況なんすねぇ。


タイでは20%とか30%の製品もあるのか。



まとめ


ここでは、行政のディート評価の流れを追っただけなので、その文脈での話でしかないんだけど。
少なくともその文脈においては、「ディートは用法・用量を守って使えば問題ない」ってことでしょーね。


日本においては12%が最大だが、海外ではもっとディートの量が多かったりするらしい。
つまり、海外で虫よけスプレーを買った場合、日本の製品よりディートの成分量が多いかもしれない。


昔から、「現地の薬の方がよく効く」みたいな一般的な言われ方はあるわけだが。。。


海外で買うと、日本製品のモノより、ディートが濃いかもしれないので、それをどう考えるかですね。

  • その方がいい(ディートが濃い方がいい)
  • なんとなく、日本で使われている12%にしておきたい

という2択?


まぁ、人によるよね、と。


個人的には、海外旅行で数日使うという面では、現地の20%くらいのとかあったら、試してみたいかな。
通販でディートが濃い輸入品とかあるが、それを買うまでのガッツはないや。


そんな感じ。


www.bousaid.com