安くて速い「UQ mobile」「Y!mobile」と、それを批判するMVNO各社の攻防


総務省「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」のWEBサイトで公開されている資料が面白かったので、メモにて。

これは総務省がMVNOやMNO各社など携帯関連業者を集めて、「公正競争促進」を検討する場である。

携帯各社からの意見が、資料として公開されている。
(議事録はまだ公開されていない)
総務省|モバイル市場の公正競争促進に関する検討会

議題の1つを簡単に言うと、MVNO各社から「au/Softbankは、サブブランドのUQモバイル/Y!モバイルを優遇してるのでは?」という意見がでている。
(UQモバイルはKDDI関連会社、Y!モバイルはソフトバンクが展開するMVNO)

詳しい解説については、コチラ。
www.itmedia.co.jp

さて。

当方も気になって資料をみてみたところ、数あるMVNOの中で「UQモバイル/Y!モバイルの回線が、圧倒的に高速・安定」というのが逆説的に浮き彫りになっていて面白い。
やっぱ、そうだったんだな、と。

自分はUQモバイルユーザーだが、なかなか快適です。

それはともかく、優遇云々はどうなのか?
公正な競争が確保されていなければ、料金が高止まりしてしまう可能性がある。

ちょっと気になるトコロだが・・・


UQモバイルやY!モバイルは速すぎる?

事前にMVNO各社にヒアリングした結果から、最初に論点となりそうな部分が事務局より提示された。

MVNO各社には、「UQモバイルやY!モバイルが、回線を借りるau/Softbankから優遇を受けているのではないか?」という不満・疑念がある模様。

ポイントは以下。

  • UQモバイルやY!モバイルの料金設定は、他のMVNOには実現できない
  • ユーザへの提供料金が安いのに、回線速度が速すぎる
  • UQモバイル/Y!モバイルは、親会社のau/Softbankから優遇を受けているのではないか?

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http://www.soumu.go.jp/main_content/000525011.pdf
※赤線は当方が記入

以下、MVNOからの具体的な主張。


MVNO各社から相次ぐ疑念の声

「mineo」を展開するケイ・オプティコムの資料が、最も紙数をさいて主張していた。

調査によると、UQモバイル/Y!モバイルは混雑時・平常時とも、他のMVNOに比べて圧倒的に高速
ほとんど、親会社au/Softbankと同等の速度・安定性が出ているのではないか?と。

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http://www.soumu.go.jp/main_content/000527202.pdf


MVNO各社がDoCoMo/au/Softbankから回線を借りる際の料金は、決まっている。
そのため、UQモバイルやY!モバイルの速度を実現するための費用も、MVNO各社には大体推測できるらしい。

ケイ・オプティコムの試算では、UQモバイル/Y!モバイルの速度を実現する場合、1加入者あたり相当な高額になるハズ
それを安価にユーザに提供するのは到底困難である、と。

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http://www.soumu.go.jp/main_content/000527202.pdf

このため、「サブブランドが従来の速度を維持しながら、料金をなぜ低価格化できるかの検証」が必要という主張。
要は「そんな低料金でこの速度を実現するには、なにか裏があるのではないか」という感じ。


トーンモバイル(CCC)も、同様の意見。
ただコチラはハッキリと、「接続料金、接続条件等について、同等性が確保されているか検証が必要」と主張。

UQモバイルやY!モバイルだけは安く回線を調達できているのでは?もしくは同額でも回線速度が速いように調整されているのでは?ということだろう。

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楽天も、同様の意見。
いわく、「サブブランドにおけるネットワーク速度は他MVNOを大きく上回る。接続料金を勘案するとコスト面でMVNOでは提供不可能な水準」。

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http://www.soumu.go.jp/main_content/000526900.pdf


ということで、MVNO各社から「サブブランドは回線の卸売りで優遇されているのでは?」(なんかズルしてるのでは?)という意見が出た。


KDDIとUQモバイルの反論

回線をMVNO各社に売る際に、価格面や速度面でサブブランド(UQモバイル)を優遇しているのでは?とふっかけられたKDDIの反論

別にサブブランドを優遇はしておらず、平等に回線を売っているとのことだ。

その上で、同じau回線を使ったとしても、MVNO側の用意する帯域幅で速度は変わるので、それは「各社の運用方針次第としか言い様がない」と。
携帯端末からau基地局までの回線は同じだが、その後はMVNOの帯域幅・設備を通してインターネットに出て行くので、同じau回線のMVNOでも各社の帯域・設備で速度は異なるという意見。

要は、ちゃんとMNVO側で帯域・設備に投資すればその分速くなるんだから、遅いのはMVNO側の問題でしょ、という感じ。

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http://www.soumu.go.jp/main_content/000528157.pdf

UQモバイルからも、優遇などは一切ないという主張。

f:id:tonogata:20180125221852p:plain:w800
http://www.soumu.go.jp/main_content/000528158.pdf

料金設定も、ちゃんとUQモバイルの料金設定で回収できる見込みで計画しており、不当に安いワケでもないし、親会社の金を使ってやっているワケでもない。
テレビCMなどの広告費も含め、「先行投資」として自己責任・ポリシーやっている、と。

ということで、au/UQモバイル的には「サブブランド優遇ということは、一切ない」という回答かな。


所感

料金や速度面での「優遇」はない模様。

だとすると、「なぜUQモバイルだけが、そこに先行投資できるのか?」という疑問点が残るのかな、と思った。
「UQモバイルはWiMAXで稼いでるし、金があるから」ということではなく・・・

過去のITmediaの記事で、以下のような意見が書いてあった。
(ちょっとソース失念したので、うろ覚え)

もし「ちゃんと金を積んで投資すればいいじゃん」というコトであれば、金を持ってる楽天やCCC(トーンモバイル)、未参入の大企業が実際に「やる」だろう。
将来性も含めて、儲かると判断できるなら。そうなってないのは、各社の事業性・回収見込みの判断と思われるが。。。

そういう他業種の大企業が「無理」といってるレベルの投資を、もし「UQモバイルはKDDIの子会社であり、グループ全体として回収できるから多少無理な先行投資でもする」「この戦、KDDIグループ的には死守&死守でござる」ということになると、「多様な会社に回線を開放して、競争を促進する」というMVNOの意義的な視点からは、ちょっとおかしな感じになりそう。

確か、↑みたいな考え。
読んでいて、「なるほどな」と思った。

ちょっと業界的なことに詳しくないので、どう考えるべきか分からないが。


いずれにしろ、当方としてはUQモバイルを当面継続することにしました。
やっぱ、通信が安定してるのよね。

www.bousaid.com

また、今回の検討会の中で「MVNOにテザリングが開放されていないのは不公平」という話があったんだけど、KDDIの回答として「準備中」という回答が出ていた。

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自分が使っているUQモバイルでも最新のiPhoneではテザリングが開放されておらず、最大の不満点になっていた。
これが本件を機に使えるようになるとしたら、ラッキーである。

KDDI氏、「優遇問題」から目をそらす意味でも(?)、早々にテザリング開放するんじゃないかと予想(笑


そんな感じ。

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