ACCORがIHGとの統合を検討
ここ数日で、ACCORがIHGとの統合を検討しているというニュースが出回っている。
発信源としてはACCORの本拠地である仏紙の記事で、ACCORのパブリックなコメントを含まないものではある。つまり、噂話に毛が生えたレベル、かもしれない。
本件について、自分がチェックした記事は以下あたり。
- Accor considers possible merger bid for IHG
- Accor Shows Interest in Merger With IHG to Create Global Hotels Behemoth: Report
- Rumors Suggest Accor and IHG Considering Merger
以下、サマリー。
- ACCORは6月にIHGとの統合を検討するタスクフォースを設置
- そのレポートに対し、ACCORの取締役会は乗り気だが、CEOは慎重な構え
- 上記のニュースに対し、ACCORもIHGもコメントはナシ
- こうした動きは、明らかにコロナウィルス影響での収益源による余波をうけたもので、まぁ、各社とも苦労しているのでいろいろ考えているよね、と
- 欧州中心のACCORと米国・中国が中心のIHGの組み合わせは、他社との組み合わせよりシナジーを生みやすいかもしれない
- マリオットとSPGが統合した2016年以来、世界最大のホテル・チェーンはマリオットであるが、ACCORとIHGが統合したら久々にトップが入れ替わる
- これらの報道を受けて、ACCORの株価が少し跳ねた
現時点では、こんなところでしょうか。
統合の噂に関する個人的な感想
グローバルでのポートフォリオはともかく、IHGもACCORも、個人的な旅行機会の多いアジアに強い印象。
ただし最近のIHGは中国一辺倒だったり、ACCORは旧仏領アジアでの展開が充実しているなど、アジア内でも違いはある。
自分はアジア旅行において、IHG/ACCORで打線を組むことが多いです。
こと日本においては、どうでしょうか。
ANAと組んで各地方にホテルを構えるIHGはともかく、ACCORに関しては絶望的なレベルで少ないですね。日本国内での統合メリット享受は少ないというか。
日本国内についてはマリオットがフェアフィールドを大規模展開予定なので、そっちの方がまだ期待ができる。
2020年の日本はマリオットが急拡大。1年で10軒以上の新規開業&「道の駅」併設ホテル「フェアフィールド」も開始
ロイヤリティ・プログラムという意味では、統合は(個人的に)良い結果を生まないんじゃないかな、と思ったり。
ここ数年のIHGは、キャンペーンの参加資格が厳格化されたり、ポイント宿泊の固定レートがなくなりつつあったりもしますが、、、
なにしろIHGはパスワードが数字4桁という、ずいぶん化石なシステムで運用されており、それはまぁ、功罪あるとは思いますが、よく使うユーザーにとってはメリットもあるんじゃなかなと。
統合でベンダー・コンサルに金を払ってITシステムが一新するとなると、ビジネス要件とセットでシステム要件も厳密に見直される可能性が高いわけで、アンバでの隠れステータス更新みたいな、よく分かんないスイートスポットはつぶされていく可能性があるよなぁ、と。
あと、そうやって大規模にシステムをいじるとなると、そもそもロイヤリティプログラム(ポイントの価値含め)なんかも、見直される機会になりうるしね。
※このご時世、見直し=改悪であることは確実
ACCORは数年前にロイヤリティプログラムを一新して、すでに旨みがない感じになってて残念なワケですが、せめてIHGはこのままでいて欲しいかな。
今のままのアナタでいて欲しい。
そんなことを思った、土曜の朝なのでした。
ほい。
そんな感じで。