遺伝子検査キット「GeneLife Genesis2.0 Plus」を使ってみた感想

「GeneLife Genesis2.0 Plus」を試してみた

手軽に遺伝子を検査できる「遺伝子検査キット」がAmazonなどで売られている。
前から気になっていたので、一度試してみることにした。

自分が購入したのは「GeneLife Genesis2.0 Plus」。
GeneLife Genesis2.0 Plus

GeneLife Genesis2.0 Plus

検査方法は、唾液を採取キットに入れて返送するだけ(送料無料)。
自分の遺伝子から、体質・能力・性格・疾患リスク・ルーツなどを分析してくれる。

GeneLife Genesis2.0 Plus 唾液収集キット

自分の場合、唾液を返送してから3週間くらいで「分析完了」のメールがきた。
公式説明によると検査結果がでるのは「3営業日~4週間」で、混雑具合により異なる。

分析項目は、約360項目。
めちゃくちゃ多い。

ただし「女性のみ」「男性のみ」の項目も少しだけあり。

大項目だけ並べると、以下の通り。

  • 体質 (250 検査項目)
    • 志向性/行動
    • 能力
    • 性別
    • 体型・体格
    • 骨・関節・皮膚
    • 目・耳・鼻・口
    • 血液・免疫
    • 栄養素
    • その他
  • 疾患リスク(110 検査項目)
    • 感染症
    • COVID-19
    • 性別
    • 循環器
    • 呼吸器
    • 消化器
    • 神経系
    • 内分泌
    • 骨・関節・皮膚
    • 血液・免疫
    • 目・耳・鼻・口
    • その他
    • 七大生活習慣病
    • がんのリスク

この大項目の中に、実際の検査項目が含まれている。

例えば「がんのリスク」の中には、大腸がん・胃がん・食道がん・etc・・・という感じで、24件の「がん」項目があり、各種「がん」の遺伝子検査的な「リスク度合い」が分かる。

能力・性格では、「匂いの感じやすさ」「痛みの感じやすさ」「計算能力」など、様々な項目が含まれる。

検査項目の全件リストは、以下でチェックできる。
Genesis2.0 Plusの検査項目

遺伝子検査結果の見方

検査が完了すると、公式アプリで検査結果を表示できる。

GeneLifeには検査キットが複数あり、自分が購入した分のみ閲覧可能。
「GeneLife Genesis2.0 Plus」については、基本分析分の「Genesis2.0」に加えて、それぞれ5000円程度で別売りもしている「ダイエット・タイプ」「スポーツ・タイプ」「肌タイプ」のパッケージも含まれている。

GeneLife Genesis2.0 Plus アプリ 概要画面

検査結果は一覧で概要を俯瞰できる。

結果は、(リスクが)「高い」「やや高い」「標準」「やや低い」「低い」など3~5段階
統計上のリスク・グループの中で、自分がどこに位置するのかが分かる形。
「高い」場合は赤文字、低い場合は青文字など、色つきの文字で結果が表示される。

GeneLife Genesis2.0 Plus 検査結果リスト

例えば、自分の「円形脱毛症」リスクは「低い」であった。
全体のリスク下位8.9%に含まれており、その分布グラフも表示される↓。

GeneLife Genesis2.0 Plus 検査結果詳細

「そんなバカな。当方はハゲ・グループに属するぞ」と思ったが、解説をみて納得。
「円形脱毛症」はストレス性のものをさしており、自然にハゲる話とは別モノであった。
※ハゲに関わる検査項目はコレのみだった。残念。

結果説明を読んでみると、どの遺伝子が関係しているかの解説がある。
また、その遺伝子に関する学術論文や結果の「信頼性」について記載がある。

基本的には学術論文(研究結果)の内容にそって、判定・グルーピングして検査結果がでる。
そういう意味では、研究が進み新しい論文がでてきたら、結果はまた変わってくるのかもしれない。

もし、将来的に新しい研究成果が得られた場合、検査結果は関連する科学的知見の更新に基づいて適宜変更される場合がありますので、予めご了承ください。

遺伝子検査事業者としての遵守事項

また判定は「東アジア人」を含む研究結果をもとにしており、このサービスの前提も日本を含む東アジア人のみとなる(他の大陸の人は、判定結果が当てはまらない可能性あり)。

なお、別パッケージにもなっている「ダイエット・タイプ」「スポーツ・タイプ」「肌タイプ」については、タイプ判定のほかに参考となる情報もイラスト付きで紹介されている。

例えば当方のダイエット・タイプは「バナナ型」(筋肉がつきにくく、やせにくい、タンパク質が不足しがち)。
他には、リンゴ型、洋梨型などがある。
※ちなみにコレは実感として思っていたモノで、当たっていた
※やはりプロテインが重要か・・・

GeneLife Genesis2.0 Plus ダイエット・タイプ結果

あと「肌タイプ」とかも、かなり当たっていた。

検査結果は当たっているか?

検査結果は、学術論文の内容によって統計的にグルーピング判定される。
その結果は、実際の自分にどれくらい当てはまるだろうか。

まず、上述のようにパッケージ化された「ダイエット」「肌」は当たっていた。
これは、今まで自分が感じていたことが判定・解説されて、スッキリした。
「スポーツ」は、特徴が薄いというか、何とも言えなかった。

判定結果がそのまま役に立つような項目は、もともと別パッケージ化されており、それがダイエット・肌・スポーツなんじゃないかと思いました。

その他の項目は、検査結果が360あるといっても、細かすぎる内容も多い。
「血液中のヒスチジン濃度が高い傾向です」とか言われても、「ふーん」でしかない、というか。
※一応「その結果が何を意味するか」「どういう症状が出やすいか」は解説がある

当初は「よーし、人間ドックの結果と突き合わせて、答え合わせしちゃうぞ」とか思ってたけど、人間ドックの血液検査の結果にないような細かい項目も、結構あり。

あと「○○がんのリスクが高い」と言われても、まだなってないから検証できない。
「むむ、気を付けよ・・・」とは、思います。

中には「うーん、当たってる。よく分かったな・・・」と思うモノもある。
一方で、「いやぁ、そうではないけどな」と思う項目もある。
結局、遺伝子で全てが決まるワケではないので。。。

ただ、全体の印象としていえば、「結構当たってて面白いな、これ・・・」という感じだった。

その印象を定量化しておこうと思い、全件チェックして「明らかに当たってる」「明らかに外れてる」の件数をカウントした。

自信があるやつだけ○✕をつけたが、「なんとも言えない」がほとんどだった。
とりあえず自分のカウント結果は以下。

印象件数
合ってる23件
外れてる13件
なんとも言えない307件

「合ってる」の例としては、「鉄欠乏性貧血のリスクが高い」。
当方、昔からコレがあってレーズンとかよく食ってました。

「外れてる」の例としては、「乗り物酔いリスクは標準」。
かなり弱い方です。車や3Dゲームなど。

ちなみに、「なんとも言えない」の項目でも「思い当たるフシがある」的なのは結構あった。
なので全体的には、「当たってる感」を感じたのかもしれない。

パプログループ・テロメアの長さ・コロナ

検査項目の中には、面白いモノもあった。

例えば、以下。

  • Y染色体ハプログループ(男性遺伝)
  • ミトコンドリアハプログループ(母系遺伝)

これについては、数万年前からの祖先の大陸移動の流れが、簡易的に表示された。
別売りの「Haplo 祖先 遺伝子検査キット」を買うと、もっと詳細が分かるのかもしれない。

あと、テロメアの長さが分かるというのは、ちょっと驚いた。
テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、最終的には細胞分裂できなくなるため「命の定期券」と言われている。
寿命との相関については、なんとも言えないらしいけど。

  • 長寿
  • テロメアの長さ

自分が「長寿タイプか」というのも、ちょっと、こう、アレですね。。。
それを知ったところで、という面もありますが。

あと、「コロナ発症リスク」も検査項目にある。
これも、あくまで「遺伝子の統計グループ的に発症しやすいか」という話ではあります。

安く追加できるオプション分析項目

アプリの中で、新しく追加された検査項目が別売りされていた。
1項目480円で追加できるほか、16項目のまとめ買いで2200円

GeneLife Genesis2.0 Plus 追加オプション

「男性のモテ度」「パクチーの好き嫌い」など、変わり種の検査項目もあり。
これらのオプションを買っても再検査は不要で、購入するとそのまま分析してくれる形。

また別売りで1.5万円するHaploパッケージも、アプリからなら4900円の特別価格で購入できる。
別途の唾液検査が不要なため、その分だけ安くなってるとのこと。
GeneLife Haplo2.0 祖先の遺伝子検査/自分のルーツや民族構成を知る

GeneLife Genesis2.0 Plus 追加パッケージ

自分は上記の両方とも、追加で買ってみようかと思ってます。
ただHaploは最新のパッケージ3.0が発売されており、それがアプリ内から購入できるようになるのが5月中旬らしいので、それが対応されてからかな。

遺伝子情報の取り扱い期間

なお「遺伝子」というと、その情報の取り扱いが気になるところ。

結果については、匿名化・暗号化されて保存される。
よくある個人情報の取り扱いと同じ。

その上で、唾液送付時に記入する「同意書」の記載をみると、以下のような保管期間となる模様。

遺伝子検査サービスとしては3年。
つまりユーザー視点では、3年間は結果確認ができる。

お客様の解析データは結果通知時から3年間保管しますので、期間中はいつでも結果が閲覧できます。
検査後にお申出いただければ、個人遺伝情報及び個人愉報のデータ削除も承っております

遺伝子検査サービス申込同意書付属説明書

また本サービスの利用には、匿名化された情報が「研究」に使われることに同意する必要がある。
その「研究」においての情報の取り扱い期間は「研究が終わるまで」で、実質的には「ズッ友」かな?
ただし研究への協力同意を、後から撤回することはできる。

本研究及び倫理審査委員会の承認を得て実施する研究が終了した後に、当社遺伝学研究所もしくは当社が提携している検査受託会社において適切な方法を用いて廃棄します。
(中略)
お申し出いただければいつでも本研究目的での利用に関する同意を撤回できます。

研究協力に関する同意文言

まとめ

個人的には、面白かった。
1万円ちょいでこれだけ楽しめるなら、いい感じだと思った。

印象としては、「ホットリーディングならぬ、遺伝子リーディングされた『占い』だな~」って感じ?

占いには、事前調査して占い結果に反映する「ホットリーディング」というテクニックがあるらしい。
本件で言うと、遺伝子リーディングされて占い結果がでたような印象。
「根拠あり」の結果だが、精度は調査レベルに左右される。限界もある。

遺伝子検査の結果は、結局のところ後天的に変わる性質もあるだろうし、現在の学術論文の精度に左右されるし、一種の「占い」みたいなもんだな、と。

自分は、占い師に占ってもらったことはないけど。
たぶん、アレはアレで楽しいんだろうなと思います。

占い師が自分の話を聞いて「答え」をくれるように、自分の遺伝子を読んでくれた上で、なにがしかの結果を教えてくれる。

それが、結構当たってる気もする。

もしかして、今後の指針に活かせるかもしれない。

そういう意味で、面白かったです。

とりあえず、ダイエット・タイプが分かったので、プロテインを飲もうと思います。

ほい。

そんな感じ。

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tonogata
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