
コーラ戦争に勝った!―ペプシ社長が明かすマーケティングのすべて (新潮文庫)
- 作者: R.エンリコ,J.コーンブルース,常盤新平
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/05/25
- メディア: 文庫
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コカ・コーラ関連の本は結構あるんだが、ペプシ本は珍しいな、と思いブックオフにて購入。
成り立ちのみに着目すると、コカインが非合法になるまでコカインとコーラ・ナッツを混ぜ込んで頭痛薬として売り出したコカ・コーラの輝かしい(?)曙期に比べ、消化酵素のペプシンに着目して胃薬から始ったペプシ・コーラというのは、ちょっと面白みに欠ける。
しかし、万年2位のペプシの歴史には、マーケティングの妙がある。
70年代、目隠しをした男女にコカコーラとペプシコーラを飲ませ、どっちが美味しかったか言わせる(大抵の人がペプシを挙げる)という無茶なTV-CM、「ペプシ・チャレンジ」は今でも有名だ。
そして、それ以来、現在まで続く過激な比較広告の数々も。
この本は、過激な「ペプシ・チャレンジ」キャンペーンで認知度をあげ、マーケットシェアを伸ばしたペプシが、ブランド醸成のためのマーケティングに乗り出す時期に社長だったR.エンリコによる自伝。
「CM契約したものの、マイケル・ジャクソンの我侭に振り回されて大変だった」
とか、
「マイケル・ジャクソンに払った金額は○○で、これは当時としては考えられないほどの高額だったが、私は決断した」
といったような、社長らしい大味な話が続く。
ペプシ社長としてコカ・コーラの戦略をどう見ていたか、という点においては、読んでいて面白かった。
ペプシのCM戦略の経緯や狙いも、読んでいると大まかには分かってくる。
しかし、いかんせん、マイケルジャクソンに関わるどうでもよい話が、本書の25%くらいを占めていたような読後感。
本書はペプシに煽られて焦ったコカ・コーラが「カンザス計画」と称してコカ・コーラの秘伝の味を変更し、ニュー・コークとして売り出して大失敗した1部始終を、ペプシ側からの視点で描いている。
そこら辺も、本書の読みどころ、かな。