なぜ「富山高山すし空港」なのか
富山高山すし空港
富山空港の愛称は、富山弁で「新鮮」を意味する「富山きときと空港」だった。
2026年7月からは、愛称が「富山高山すし空港」に変更となった。
富山県 – 定例記者会見[令和8年7月8日(水曜日)]
![富山県 - 定例記者会見[令和8年7月8日(水曜日)] 空港名称の発表](https://www.bousaid.com/wp-content/uploads/2026/07/20260726_533095.jpg)
改名理由はシンプルで、インバウンドに強いキーワードを使った形。
インバウンドに強い、「寿司」。
富山は寿司消費量が1位の県だったり、他県に比べても漁場から港が近く新鮮(きときと)な魚が食える、など。
富山県は「寿司と言えば、富山」というブランディングに力を入れている。

飛騨高山は岐阜県ではあるが、空港から近い(車で2時間)。
そして富山県内の観光地に比べて、インバウンドの流入数が桁違いに多い。
富山と飛騨高山は周遊を目指した協力関係にあり、空港名に「高山」を使うことも岐阜県や高山市から承諾を得ている。

いきなり超ビッグワードの「寿司」と、他県の観光地「高山」を引っ張ってきたのは驚いたが…
理由は公式資料にある通りなので、なるほどな、と。
他県の地名が空港の愛称に使われるのは、「萩・石見空港」に次いで2番目とのことで。
とはいえ、新愛称には県内からも反対の声があったようではある。
他県の「高山」を使うに至った経緯は、どんなもんだろうな、と。
ちぇけちぇけ。
なぜ「高山」なのか、いつから「高山」なのか
富山県議会の資料などを、みていた。
いつから「高山」が空港名として浮上したのか?
そして、それはどのような背景で?
県議会の議事録に「空港名=高山」が初登場したのは2015年、11年前のことだった。
そんな昔から、空港名に「高山」を使うアイディアが公的な場ででていたんだな、と。
◯37番(高平公嗣君)皆さん、おはようございます。
私は、自由民主党を代表いたしまして、質問をさせていただきます。(中略)
次に、富山きときと空港の利用促進について伺います。
先月19日、全日空は、北陸新幹線開業の影響で乗客が大幅に減少している富山・羽田便について、現在の利用状況が続いた場合、来年3月27日からの夏ダイヤ以降、現行6往復から2往復以上減便する可能性が高いとの見通しを発表しました。
本年度の10月末からの冬ダイヤの1日6往復継続は決定しましたが、来年の夏ダイヤ以降も6往復を継続するためには、1便平均30人以上増といった路線の収益性改善がない限り、来春以降は減便となる可能性が示されており、冬ダイヤ期間の需要回復が便数維持の正念場と捉え、利用拡大の取り組みを一層強化しなければなりません。その際、富山市を経済、生活圏とする飛騨市、高山市からいかに利用拡大を図るかが鍵となると考えますが、同地域もカバーするドクターヘリが運航開始したこの機会に、結びつきを再認識させる取り組みの1つとして、国内外に認知度の高い高山の名を冠し、オールジャパンで通用する富山高山空港に変更するなども考えられ、そのためにも、まずは富山きときと空港と飛騨高山地域との連携をもっと進めるべきであります。
そこで、富山・羽田便の減便回避、富山きときと空港の生き残りをかけ、従来の発想によらない独自の解決策や、路線維持に向けての新たな利用促進策、支援強化策を講じる必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
北陸新幹線の開業や人口減少で飛行機の利用者が減り、ANAの羽田-富山便が減便の流れにあった。
富山空港の運営について、県内ではかなり危機感があったらしい。

2015年以降、ANA便が減ったり、国際線のソウル便が運休となったり…
便数がどんどん減っていた。

そのため県議会でも、何度か「高山」案が言及されている。
ただ最初に「高山」案がでてから「富山高山すし空港」になるまで、10年以上かかっている。
2015年以降、ちらほらと「高山」案が議会にも登場するが、それほど話は進展しなかった。
2020年の議事録をみると、富山県知事がジョークで(空港経営が厳しすぎるから)「富山高山空港に改名したら、高山市からお金をもらえないかな」とか言ってるくらいなので、まだ現実味がなかったんでしょうね。
新田知事
武田委員には、9月定例会でも空港について深い興味を示していただいております。ありがとうございます。問題意識は共有しております。
今年は特にコロナがあり、利用者が前年度比90%マイナスという大変厳しい状況です。今は耐える時期かなと考えております。ただ、耐えながらも全日空さんとの関係を何としてでも維持をしていく、これも大切なことだと、今事務方ではいろいろと動いているところでございます。
コロナ収束後を見据えて、今いろいろ手を打つべきところでもあると思います。羽田を中心とした国内外とのネットワークの活性化、国内外の新規路線の開設、航空機の乗降以外のサービスの向上などにも取り組んでいければと考えております。
こうした取組を実現するためには、全日空さんなど航空会社やその他民間サービス事業者との連携、協力を図り、その資金やノウハウを活用することも不可欠です。民間の力を活用して、富山きときと空港の活性化を図るため、まずは他の空港における具体的な取組を勉強していきたいと考えております。
さらに、富山きときと空港の優位性、将来性、競争力等に関する調査や、コロナ収束後の民間委託へ向けた具体的な方策の可能性についても検討していきたいと考えておりますが、やはり民営化、あるいは民間委託は魔法のつえではないわけでありまして、ちゃんと受けてもらえるような形にしていかないとならないと思います。そういう意味で、また委員のお知恵もぜひお借りしたいと思います。
ちなみに、富山高山空港、これも高山の方がもしお金も出してくださるなら楽しみですけれども、ネーミングライツということも当然、ここまで苦しいと、考えていくことも一つだと思います。等々、またいろいろと一緒に考えていきたいと思います。
ちなみに、私は就任後もう3回乗っております。どうか先生方にも利用の促進をお願いできればと思います。
ただ、ここで語られているように、「空港運営は民営化さえすれば、何とかなるワケではない」ということで、2026年の空港の民営化に向かって少しずつ空港の改称も視野に入ってくるようです。
2026年の空港改名は、民営化(混合型コンセッション)とワンセットで実施されることになる。
県としては「稼げるSEOワード」を空港名として用意した上で、民間に運営を委託していく流れ。
2022年・2023年あたりになると、割とシリアスに「高山」案が県議会で発言されている。
15番(安達孝彦君)
次に問2、広域観光の推進について3問お伺いをいたします。(中略)
富山まで来ても、高山へ乗換えなしで行ける電車は現在1日に4本しか運行していません。これではせっかくの立地も生かすことができません。
公共交通機関の広域的な利用拡大を一層進めるべきだと思いますし、まずJR西日本には、高山線の特急ひだの運行本数の増便を求める。「富山きときと空港」の名称を「富山高山空港」または「富山飛騨空港」に変更する。旅行会社をはじめマスメディア、インフルエンサーなどに、富山と飛騨高山を一体としてPRする。新幹線で東京から名古屋へ向かうと富士山が見えますが、これも大変大きなポイントではありますが、富山からは富士山に劣らない立山連峰が見えます。また、日本海も見えますし、高山にはないおいしい海鮮もあります。
ぜひともここは行政の垣根を取り払い、広域圏を意識した思い切った施策を打ち出し、様々な媒体を活用し富山と高山や飛騨地方の近さを周知させていくことにより、本県にとってもとても大きなプラスになると考えますが、田中交通政策局長に御所見をお伺いいたします。
県議会の発言の中では「寿司」は、あんま見なかった。
いつのまにか、追加されてましたね。
いずれにせよ、「高山」案についてのアイデアは、かなり昔からあった。
そこから空港運営が厳しくなって、民営化の話にもなって…
徐々に「高山」案が現実味を帯びてきた、と。
県内で反対の声がありつつ押し切ったのは、それくらいやらないと民営化しても空港運営が持たない、と。
そういう風に拝見しました。
民営化(混合型コンセッション)
空港の名称変更は、民営化とワンセット。
その民営化の方については、いままで県や第三セクターが運営していた空港施設を、民間に渡していくことになる。
| 施設 | 旧 | 新 |
|---|---|---|
| 管制塔や税関など | 所有:国 運営:国 | 所有:国 運営:国 |
| 滑走路など | 所有:富山県 運営:富山県 | 所有:富山県 運営:民間企業 |
| ターミナルビル | 所有:第三セクター 運営:第三セクター | 所有:民間企業 運営:民間企業 |
その民間企業というのは「株式会社富山エアポート」(特別目的会社/SPC)。
富山エアポートを設立したのは、「JPiX・OCコンソーシアム」。
「日本共創プラットフォーム」(JPiX)と「オリエンタルコンサルタンツ」(OC)は、南紀白浜エアポートでも実績を上げている。
また鳥取砂丘コナン空港も、このコンビとのこと。
運営する民間企業の方で、ガシガシ「富山高山すし空港」を使って集客していく感じになるのかな。
ほい。
そんな感じ。



