遂に厚生労働省が「ディート30%」を認可(2016年)
「蚊よけ・虫よけスプレー」に使われる忌避剤「ディート」だが、日本では成分量が12%までしか認可されていなかった。
海外では20~30%の製品もあるのに、日本のはイマイチ成分量が少ない。
成分量が少ないと効果の持続期間が短く、頻繁に塗り直す必要があった。
第8回厚生科学審議会感染症部会(2015年2月20日) |厚生労働省
ディート剤については現在、現場からの声も上がっていて、タイの製品などは 20 %、 30 %のものを使うようにアドバイスしているという状況のようです。
日本は 12 %で持続時間が短いので、現場では非常に困っているという話はありました。
それが2016年に、デング熱・ジカ熱への対策でディート30%まで認可されるようになったらしい。
なんと2.5倍のパワーアップである。
また同時に、ディート相当の効果が見込まれつつも、肌への刺激が低い「イカリジン15%」も認可。
デング熱やジカ熱に注目が集まる中、2016年6月、厚生労働省は、ディート30%含有またはイカリジン15%含有のポンプスプレー剤、エアゾール剤の開発を急がせるため、製造販売承認の迅速審査を発表
イカリジン – Wikipedia
https://www.jfsmi.jp/pdf/20160615_1.pdf
2016/8に最初の対応製品が出たほか、2017年に入ってから徐々に他の製品も30%にパワーアップしていた模様。
ちなみに、成分量が多くなると「効果が高くなる」のでなく、虫除けの「持続時間が伸びる」。
30%では持続時間が5~8時間になっている。
逆に言うと12%の時には、『頻繁に塗り直す』必要があった。
しかしまぁ、実際にはそんな頻繁には塗り直さない。
→蚊に刺される
そのため成分量が30%に増えて持続時間が伸びることで、体感的には「効き目が良くなる」と思われる。
自分は買いだめした「ディート12%」の製品がまだ残っているが、買い換えようかと。
蚊に刺されたくないから…。
ディート30%含有製品を、ちぇけちぇけ。
旅行用のディート30%対応製品
ディート30%に対応した、代表的な製品を3つほどチェックした。
- ムヒの虫よけムシペールα30
- スキンベーププレミアム
- サラテクトミスト リッチリッチ30
「ムヒ」と「サラテクト」は、分かりやすく商品名に「30」が入っている。
初の対応製品を出した「ベープ」は、「プレミアム」で勝負。
個人的に、旅行で持っていきたいので携行用サイズからチョイスする。
飛行機に乗る場合は、液体は100ミリリットル以下での「機内持ち込み」でないとNG。
また、スプレー方式は「ポンプ式」とガスを使った「エアゾール式」がある。
エアゾールも100mL以下ならイケる気がするが、海外の空港で引っかかると面倒なので、個人的には「ポンプ式」。
そうなると選択肢は60mLの「ムヒの虫よけムシペールα30 60mL」か「サラテクトミスト リッチリッチ30 60mL」になる。
(ベープには60mLサイズのディート30%製品がない)
60mLは、おおよそ400プッシュ分。
【第2類医薬品】医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30 60mL
- 発売日: 2017/02/20
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
2つとも成分量はディート30%だが、ソレ以外の成分にちょっと違いがある。
サラテクトの方は、「お肌にやさしい4種の保湿成分(PPG・ヒアルロン酸Na・ビタミンC・モモ葉エキス)を配合」。
ムヒは「添加物としてエタノール、香料を含有します」。
当方、ヒアルロン酸は不要なので、ムヒで。
男なら、エタノールと有効成分で(蚊と)勝負。
旅行用のイカリジン15%対応製品
子供や肌が弱い人用には「イカリジン15%」の「天使のスキンベープ 虫よけスプレー ミストタイプ プレミアム 60ml」の一択。
(ディート30%は、12歳未満は使用禁止だが、イカリジンには年齢制限がない)
天使のスキンベープ 虫除けスプレー イカリジン ミストタイプ 60ml プレミアム ベビーソープの香り
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
イカリジンも以前は5%までだったが、15%まで認可されるようになった。
イカリジンは肌への刺激が少なく、乳児にも使える。
お肌にやさしく、お子様への使用制限もないので、お肌の弱い方やお子様のいる方など、薬剤を肌に直接つけることに抵抗があるために虫よけ対策をしていない方にもおすすめです。
天使のスキンベープミスト プレミアム 60ml : 製品紹介 : フマキラー株式会社
ディートと効果が同等なら、肌に優しいイカリジンで良くない?という感もあるが、そこら辺については以下。
「ディート」と「イカリジン」の違い
ディート30%は、12歳未満には使用不可。
(成分量ごとに年齢制限がある)
イカリジン15%は、年齢制限ナシ。
肌に優しい。
しかし、ディートの方が適用害虫が多い。
「適用害虫」の説明記載は厚労省の指導が入っているため、各社とも統一されている。
ディートの「適用害虫」は以下。
蚊、ブユ(ブヨ)、サシバエ、アブ、ナンキンムシ、ノミ、イエダニ、マダニ、ツツガムシの忌避
イカリジンの「適用害虫」は、蚊成虫、ブユ(ブヨ)、アブ、マダニ。
薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録(2015年3月6日) |厚生労働省
以上より、機構は、適用害虫は蚊成虫、ブユ(ブヨ)、アブ、マダニが適切であると判断いたしました。
害虫 | ディート | イカリジン |
---|---|---|
蚊 | ○ | ○ |
ブユ(ブヨ) | ○ | ○ |
サシバエ | ○ | – |
アブ | ○ | ○ |
ナンキンムシ | ○ | – |
ノミ | ○ | – |
イエダニ | ○ | – |
マダニ | ○ | ○ |
ツツガムシ | ○ | – |
ただまぁ、両方とも「蚊」には対応してるんだけど。
効果としてはディート30%≒イカリジン15%で同等?と言われているようだが、成分が効くメカニズムも判明してないみたいだし、個人的にはどっちがどっちとも。。。
分かりま千円。
亀は万円。
そのほか
日焼け止めと併用する場合、ディートやイカリジンを使った虫よけスプレーは「日焼け止めの後」に使うこと。
ディートやイカリジンの上から日焼け止めを塗ると忌避剤の持続期間が短くなるので、まず日焼け止めを塗って、その後に忌避剤を塗るなどの注意が必要です。
ジカウイルス感染症診療 Q&A
よし。
今年の夏は、ディート30%で勝負や。
効果のほどが、ちょっと楽しみ。。。
そんな感じ。