航空会社のダブルブッキングに対し、席を譲ってマイルをもらう「フレックストラベラー」

ダブルブッキングで飛行機に乗れない確率

ANA/JALを初めとする航空会社では、当日空港にこない客(no-show)が一定数いることを見越して、実際の席数より多めに席を販売することがある。
いわゆるダブルブッキング(過剰予約)。
過剰予約 – Wikipedia
※2018/02/24追記 正しくは「オーバーブッキング」「オーバーセールス」

しかし予想が外れ予約客がきっちり全員やってくると、座席が足りない。
そうなると航空会社は、「別の便に変更して、席をお譲りいただける方を募集いたします」という放送を流して、座席の確保を試みることになる。

ここで協力を申し出て席を譲ると・・・

  • 協力金として、現金もしくはマイルがもらえる
  • 次の便など、代替便の座席が用意される

という特典がある。

もしくは航空会社が「満席のエコノミー席」をこじあけるために、SFC/JGCなどのステータスをもっている人を「ビジネスクラスに繰り上げる」こともあり得る。
いわゆるインボラ・アップグレード。

しかし、協力する人が現れなかったり、ビジネスクラスも満席で、座席が最後まで確保できなかった場合は?
「席が足りないので、飛行機に乗れない」。

国土交通省の資料をみると、10万人に3人程度は「ダブルブッキングのせいで搭乗できなかった」ということがあるようだ。
つまり「予約したのに飛行機に乗れない」確率は、0.003%くらい。
http://www.mlit.go.jp/common/001217666.pdf
※(不足座席数-自主協力旅客数)/ 全輸送人員

あ、あるんだな。そーゆーこと。
↑資料を見てて、ビックリした次第。

遅い時間にチェックインしようとしたら、「すでに席がない!」という感じ?
こわ・・・。

協力金はマイルか現金

この航空会社のダブルブッキングに際し、座席を譲ることを申し出ると、協力金として現金かマイルがもらえる。
もちろん、無償で代替便も用意される。

いわゆる「フレックストラベラー制度」

もらえる金額/マイルは、ANAもJALも同じ。
ANA フレックストラベラー制度
JAL フレックストラベラー制度

当日の便に振り替え 10,000円 or 7,500マイル
翌日以降の便に振り替え 20,000円 or 15,000マイル

用意される代替便が「当日」か「翌日以降」かで、もらえる額が異なる。
また「翌日以降」の場合は、宿泊費やホテルまでの交通費も航空会社から支給される。

ちなみにANAの場合、「マイル」を選択できるのは「AMCフレックスパートナー」と呼び、事前に意志を「登録」することができる(上記URL)。
(いざとなったら席を譲ることを申し出ますよ、的な。登録しても強制で席を奪われることはない)

たぶん登録してなくてもマイルを選択することは可能だと思うが、「座席を譲る」と申し出た人が複数いる場合に、もしかしたら登録済みの人が優先される可能性もあると思い、自分は一応登録してある。

搭乗する便を遅らせて現金/マイルをもらうことが嬉しいか?というと、状況によるだろう。
最近、自分ははじめてこの制度でマイルをもらってみたので、以下にそのメモなど。

席を譲ってマイルをもらってみた

先日、とあるANA国内線の搭乗カウンター付近で、「座席が足りないので席を譲っていただける人を募集します」という放送があった。
2時間後の便に変更してもいい人を探しているらしい。

その日は結構な雨が降っていて、現地に早く着いても予定していた観光があまり期待できないのと、そもそも早朝便であったため「2時間くらい遅れてもいいや」ということで、協力を申し出ることにした。

搭乗カウンターで「座席、譲るのOKです」と申し出ると、「確定したら呼び出すので、搭乗券を見せてください」とのこと。
自分の他にも、2人ほど申し出ている人がいるようだった。

5分後に放送で名前を呼び出され、再度の意思確認。
何度も「預け荷物はないですか?」と聞かれていたので、選ばれる条件として「預け荷物がない」というのはありそう。

問題ないことを告げると、そこで確定。
2時間後の便の搭乗券をもらいつつ、協力金をいただける運びに。

協力金は1万円か7500マイル。
もちろん7500マイルを選択。

領収書+同意書(私は追加の協力金をANAに請求いたしません云々)に署名して、完了。

ちなみに1万円の場合、その場で現金。
マイルの場合、結果的には2週間後に付与された。

また、個人的に確認したかったのは、新たに発行される搭乗券のマイル積算率
ANAだけにアレしないかな?とちょっぴり期待していたんだが・・・

結果的には、マイルの積算率(旅割=75%)は変わらなかった。
運賃種別の「旅割75N」まで、新しい搭乗券に引き継がれている始末。

ちなみに運賃種別や予約クラスは、マイルが付与されるタイミングでANAのHPで確認できる。
ただその時は、その場で確認したかったので搭乗券のQRコードをスマホで読み取った。

飛行機の搭乗券に印刷されたバーコードには、どんな情報が入っているか?

ANA国内線の場合、最後の「Security Data」のとこに運賃種別が入るんすね。

積算率が変わらないのはガックシしたけど、まぁ短めの国内線なので積算率100%になったとしても、大して変わらないか。

フレックストラベラーは年間6000人

国土交通省の資料によると、ANA/JALで「フレックストラベラー制度」を使うのは、だいたい年間6000人
(ANA/JAL以外を含めると、もっといる)

ANAの方がJALより2~3倍くらい発生しやすい。
あと、夏は比較的フレックストラベラーが発生しやすい。

過去2年分 JAL ANA
2015年10-12 409 1,129
2016年1-3 256 1,081
2016年4-6 201 793
2016年7-9 515 1,572
2016年10-12 603 948
2017年1-3 346 760
2017年4-6 430 857
2017年7-9 507 1,498

7-9/10-12/1-3/4-6

まぁ、こんなもんか。

今回は、割といい感じでフレックストラベラー制度を使えた。

2時間遅らせるだけで、7500マイル。
空いた時間は、ANAラウンジで本を読んで待ってました。

また機会があったら利用しようかな、と。

そう思いました。

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tonogata
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