サウナ専用スマートウォッチ「サウォッチ」(大人の科学マガジン)と「サの国」アプリを使った感想

大人の科学マガジン Special サウナウォッチ

サウナ専用スマートウォッチ「サウォッチ」を買って、12回ほど使ってみた。

「サウォッチ」は雑誌「大人の科学マガジン Special」の付録して販売されている。
スマートウォッチ付で、価格は約8990円。
大人の科学マガジン Special サウナウォッチ

大人の科学マガジン Special サウナウォッチ

サウォッチでは、心拍数とサウナのプロセス(サウナ・水風呂・休憩)を記録できる。
ハード的には耐熱・防水に対応し「正式サウナ対応」を謳う珍しい製品。

また、心拍数の変化から「ととのい値」を指標化できる。
日本サウナ学会 加藤容崇博士とのコラボ製品となっている。
世界初!※ ととのいの数値化に成功! 大人の科学×日本サウナ学会 加藤容崇博士とのコラボ企画サウナ専用ウォッチ8月23日予約開始!

12回ほど使ってみた所感でいうと、結構気に入っている。
今後も使う予定。

ただ制限事項もあり、それを受け入れた上で使ってる感じではある。

そこら辺について。

それでは早速、レッツらゴー!!

サウナ用スマートウォッチ「サウォッチ」

サウォッチの特徴は、何と言っても正式サウナ対応のスマートウォッチであること。

具体的には、以下のスペックを備える。

  • 耐熱スペック
    • 高温対応リチウム電池
    • 公式マニュアルによると、座面温度80℃(サウナ室の温度表示で95℃相当)まで対応
  • 防水スペック
    • IP68防塵防水

「サウナで使っても問題なかった」という時計は数あれど、サウナ正式対応は珍しい。

ちなみに自分は、買ったばかりのAppleWatch(series 9)をサウナで使ったこともある。
しかし途中で「高熱のためシャットダウンします」となり、使い物にならなかった。

そもそも耐熱処理されてないリチウム電池入りの時計をサウナで使うのは、気が進まない。
バッテリーの寿命を縮めそうだし。
AppleWatchが3年で故障した。バッテリー膨張によって液晶がはがれて終了。

個人的には、耐熱対応の点だけをもってしても「OK!」かなと思います。
正式に耐熱対応を謳ってて、心拍数を計測できるスマートウォッチはほかにあんまないので。

とはいえ、まだ発展途上というか、使い勝手に関しては色々ある。

「サウォッチ」は雑誌の付録ということで、一色のみの展開
以下のような外観。

サウナ用スマートウォッチ「サウォッチ」

バンドは取り外しが可能で、充電する際には片方のバンドを外してUSB-TypeAをつなぐ。
※↑画像の赤枠部分がUSB端子

耐熱の問題からこういう形式にしたのかなと思いますが、充電はやや面倒ではある。
充電したい時は、ちょっと力を入れてバンド(片方)を抜く必要あり。

操作は、画面下部にある「タッチボタン」を使う。
物理ボタンではないので操作感としては画面タッチ式に近い。
画面下部ボタンマーク部分を「タップする」「長押しする」の2系統で操作する。

サウナ中は、画面操作でモードを切り換える必要がある。
サウナ・水風呂・休憩の各プロセスで、開始・終了を画面操作で記録する形。
どのモードの時も心拍数が表示され、それが参考になる。

サウォッチ サウナモードの切り換え

このタッチボタンは、シャワーをあてただけでも誤作動する場合がある。
あと、水風呂に入った時の、水との接触?
「あれ?いつの間にかサウナモードが始まってた?」みたいな。

自分の場合、3セットのサウナの中で、たいてい1回は誤作動が発生しますね。
後からスマホアプリでサウナデータを編集できるので「まぁいいや」と放置する場合もあるけど。

一方で、タッチボタンに水滴があると指で触っても反応しないので、一度タオルで拭く必要がある。
たとえば水風呂から上がったら、サウォッチ画面を一度拭いて、「水風呂、終了」(ボタン長押し)。

この点は、公式マニュアルにも「シャワーをあてると誤作動する」「水中では操作できない」「操作前に拭く必要があるのでタオルかサウナハットを使ってね」とある。

そういう意味では、画面操作は毎回「拭く」という所作が必要になる。
面倒です。もう少し値段が高くていいから、物理ボタンにして欲しいかな。
防水イヤホン「Jabra Elite 7 Active」なんかが物理ボタンを採用してるが、あんな感じの。

サウナ終了後には、データをスマホアプリ「サの国」に転送する。
「ととのい値」が集計されるのは、スマホアプリ側(更にいうとサーバ側)。
時計本体だけでは、「ととのい値」は表示されない。

ということで、サウォッチの感想をまとめると以下。

  • 正式サウナ対応の耐熱・防水
  • サウナ中に心拍数がみれる(時計にもなる)
  • 充電がやや面倒(バンドの抜き差しが必要)
  • シャワーを当てるとほぼ誤作動、水風呂に入る時の衝撃?でたまに誤作動
  • 画面が濡れている場合は、一度拭いてから操作する必要あり
  • 心拍数を分析した「ととのい値」は、本体では表示されない(要スマホアプリ)

サウォッチ連携アプリ「サの国」

サウォッチで計測した心拍数は、スマホに転送して使う。
「サの国」アプリを立ち上げて「同期」をする形。
サの国 公式サイト

アプリでは、サウナ・水風呂・休憩において、心拍数がどう変化したか閲覧できる。
また心拍数の変化から「ととのい値」が計算される。

サウナ施設も位置情報の検索結果から選んで簡単に記録できるので、他の人がどのサウナ施設で、どの程度の「ととのい値」を叩き出しているかの統計結果もみれる。

サの国アプリ

有料機能(月額300円、年額3000円)もあり、その特典は以下。

  • 心拍データの保存期間が延長(通常は30日間)
  • 「ととのい値」がセットごとに表示(通常は3セットとか、まとめて1個の表示)
  • 心拍データのオートラベリング(手動で「水風呂の終了」とか画面操作が不要になる)

自分は気に入ったので、サクッと年額3000円で加入しました。
ちなみに「自分で測りたい派」なので、「オートラベリング」は使ってない。
各セットでの「ととのい値」が見たかったんですよね。あと記録の期間延長。

逆に、無料版でも「30日間、心拍数のデータがみれるなら良い」ということなら十分かも。

ということで、アプリの使い勝手について。

サウォッチから転送されたサウナデータは、転送後24時間以内なら編集可能。
心拍数のグラフに対して「サウナ」「水風呂」などのラベル付けがされているが、例えば誤作動で変になってる部分を修正したり。

編集が終わったら、「確定」してデータをサーバに送信。
「ととのい値」は、数分ほど待ってから「分析が完了しました」となってから表示できる。

また分析結果に対するコメントも表示される。
あまりバリエーションはないが「心拍数があがったり下がったりしてます」「休憩時間をちゃんと確保できているようです」みたいな感じ。
それほど参考にならないかも。

アプリ自体は、使い勝手がよいと思います。
グラフをぐりぐりUI操作できるのもグッドです。

あと、サウォッチの統計データをチェックできるもいいですね。
例えばランキング上位の施設でいうと、「ととのい値」が90点前後って感じ。

サの国 全国ととのい値ランキング

ちなみに自分の上位記録も、最高90点。
有名施設でいうと、赤坂のサウナ東京や、池袋レスタなどで高得点だった。

サの国アプリ サ録の統計結果

「ととのい値」は自動で計算されるワケだが・・・
個別の値については「コレ体感と違うな~」という感じることも多い。

ただ12回分の統計結果の上位をみると、まぁだいたい合ってるかな、という。
参考データにはなるかなと思っている。

「ととのい値」はどのように計算されているか?

「ととのい値」は独自のアルゴリズムで計算され、特許出願中とのこと。

どんなアルゴリズムなのか?

日本サウナ学会 加藤容崇博士とのことなので、氏の著書も読んでみた。
医者が教える 究極にととのう サウナ大全

ざっくり言うと、以下のような内容。

  • サウナで心拍数があがり、交感神経が優位に
  • 水風呂で心拍数が下がりつつ、寒すぎてまた心拍数があがる
  • 休憩で心拍数は下がりつつ、副交感神経が優位に
  • サウナ・水風呂の過酷な状況で、血中アドレナリンがでる
  • 心拍数が下がり副交感神経が優位なのに、血中アドレナリンが残った状態が、ととのった状態
    • 休憩時間の最初の2,3分

「サの国」アプリでの「ととのい値」でも、これを計算してるのかなと思います。

ポイントは、心拍数≒自律神経を定量化できても、血中アドレナリンはサウォッチでは分からない点。
あくまで心拍数だけから、自律神経と血中アドレナリンを想定するのかな、と。

基準としては、「サウナでの心拍数」は安静時(≒休憩時)の2倍あたり。
この心拍数の落差・ギャップが「ととのい」に貢献しているとも考えられているようです。

あとは、自己評価(ととのい度)を記録できるので、その辺りも計算に使ってるかもしれない。
分かんないけど。

特許については、具体的にどれのことかは不明。

似たような特許としては、「特開2023-160344」があった。
出願人が違う?ので、別かもしれない。よく分からない。

まぁ似たような案件ということで、「特開2023-160344」の内容をチェックしてみたい。

「特開2023-160344」は、サウナ・水風呂・休憩の心拍数を計測し、その変化量やモデル比較から「指標を計算する」(ととのい値)というもの。
※これ書いてる途中でJ-PlatPatがメンテナンスに入って、リンク貼れない

【課題】
ユーザがサウナを利用したことが心身の状態の改善に寄与しているかどうかをユーザが把握できるようにする。

【解決手段】
情報処理装置1は、サウナ室への入室、サウナ室から退出した後の水風呂への入浴、及び水風呂に入浴した後の休憩を含むサウナ行動を実施したユーザの複数の時刻それぞれの心拍数を示す心拍数データである実測心拍数データを取得する取得部131と、心身の状態が改善するサウナ行動に対応する心拍数の特徴を示す基準データを参照することにより、取得部131が取得した実測心拍数データが示す、ユーザのサウナ行動における心拍数の変化量に基づいて、ユーザの心身の状態を示す指標値を算出する算出部132と、算出部132が算出した指標値を出力する出力部133と、を有する。

今後の「ととのい値」の発展としては、心拍数だけからでも「ととのい」が分析できるようなモデル化?AI分析?が進むと、いいですね。

期待したいところです。

ほい。

そんな感じ。

この記事を書いた人 Wrote this article

tonogata
TOP