書籍「地図と拳」「不老不死の研究」「トマト缶の黒い真実」「文豪と俳句」など

夏休みが終わった

夏休みが終わった。
わずか3日。

最近は長い休みがとれず、旅行にも行けない。
この感じは、しばらく続きそうです。

悲しいね。

それはともかく、夏休み読んだ本について。
以下、面白かった順に・・・

レッツらゴー!!

地図と拳

時は1899~1955年。満州に「街」を作る。
国家や理想郷を形作る「地図」と、それを具現化する「拳」、戦争に揺れる群像劇(フィクション)。
直木賞受賞作とのこと。
地図と拳

地図と拳

日本軍の特別任務でハルビンに潜入すると高木と、通訳の細川。
異教徒として迫害されながらも、地に根を張り神の道を説くロシア人宣教師クラスニコフ。
硬気功の修行の果てに千里眼を獲得、孫悟空と成って暗躍する楊日綱。

それぞれの思惑から「地図」と「拳」が満州の地で交錯し、「燃える土」の地「李家鎮」に収束する。
そして時は流れ、物語は子の世代へ。
舞台は日露戦争へ、終戦後の満州へ。

最初はイマイチ何を読んでいるのか分からなかったが、それでも滅法面白かった。
いや~、怪作ですね。

誰かの理想で地図が書かれ、他の誰かのモノを壊して都市を作る。
地図を実行する過程、つまり戦争となると、地図なんてどうでもよくて、目の前の生死の問題となる。
そういう風に、時間が淡々と進む「満州年代記」のような話。

「百年の孤独」や「火星夜想曲」のような読後感で、自分的にはかなり好きなタイプの本だった。
久しぶりにすごく面白い本を読めました。

不老不死の研究

ホリエモンの先進医療本ですね。
色んなジャンルの研究者へのインタビューが、短く・分かりやすくまとめられている。
不老不死の研究

目次の抜粋は以下。

  • SGLT2阻害薬で腎臓・心臓を守れ
  • サイバニクスで百歳まで歩く
  • 毎年1回うんち検査で大腸がん予防
  • テストステロン補充で若返れ
  • がん新薬「ADC」の革命
  • 夢のアルツハイマー薬「アデュカヌマブ」
  • 究極の予防医療「人工冬眠」

項目はもっとあって、それぞれ「かなり短く」まとまっている。
先進医療の話を興味本位でパラパラ読むのに最適。面白い。

読みやすさ重視で内容は濃くないので、速攻で読める。
1時間もかからないかな。

個人的に面白かったは「SGLT2阻害薬」とか「足の見えるか検診」の話。

あと「NMNの話がでるかな?」と思ったんだが、それはなかった。
NMNは長寿化サプリメントとしてここ数年流行ってるアイテムで、自分は「LIFESPAN 老いなき世界」という本で初めて知った。
LIFESPAN(ライフスパン)
※ちなみにNMNを信じる/信じないは別としても、この本は面白い

NMNは高くて一般ピーポーには難しいんだが、「これ関係の企業の株を買えないかな」という近視眼的な視点でチェックするようになったんだな。
最近だと、割と大手の国内メーカーも出してるけど。

で、当時調べて見るとホリエモンがこれを「独自ルートで安く入手して毎日飲んでる」ということだったんだが、最近では更に、ホリエモン・プロデュース?のNMNも販売開始しているのに気がついた。
徐福」という会社から出ている。
HORIEMON NMN

どういう経緯?背景?と思って本書を買ったんだけど。。。

良く分からんけど、そういうのは有料メルマガとかで語られてるのかもしれない。

トマト缶の黒い真実

トマト缶の中身と製造過程が、ヤバいよっていう本です。
トマト缶の黒い真実

原産地を隠しつつ税回避のために使われてる手法とか。

添加物7割のトマト缶があるとか。

腐ったトマト濃縮液「ブラックインク」を復活させて売りさばいているとか。

強制労働によって作られているとか。

イタリアと中国の連携、そして裏切り・・・みたいな。

それらを実際にインタビューしたり、隠し撮り的な取材して情報をひきだしてるのがスゴい。
企業名とかバンバン出てくるけど、大丈夫なん?っていう。

なお、この本の概要は著者が取材を受けている↓のWEB記事でも読める。
「中国産」のトマト缶が「イタリア産」として売られているワケ

文豪と俳句

夏目漱石とか芥川龍之介とか、そういう文豪が残した俳句についての本。
文豪と俳句

俳句は背景知識がないと分かりにくい句もあるが、解説付きで読めるのがいい。
あと、すごくシンプル?な句がでてきたりして面白かった。

例えば、漱石。

えいやっと 蠅叩きけり 書生部屋 (夏目漱石)

気合いの掛け声と共に蠅を打つ声が、下宿学生の部屋から聞こえる。
無駄にエネルギーが余ってる若者。「若いって・・・」という句らしい。

割とシンプルというか。
これが漱石の句か~っていう(笑)

もっと面白かったのが、泉鏡花。

猪や てんてれつくてん てれつくと(泉鏡花)

「てんてれつくてん」はお囃子の太鼓の音。
芸者に恋をした猪ならぬ「田舎者」が、お座敷で浮かれているよ。っていう。

んー。これでいいのか。俳句。

でも、流石に響きがいいよね。響きが。
さすが文豪。

そのほか

以降は、7月の3連休で読んだ本。
リストアップのみにて。

ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ
御三家の歴史が分かって、すごく面白かった。
日本のホテルがノー・チップ制になった経緯とか、日本初のロイヤリティ・プログラム(NOC)とか、帝国ホテルが初めてバイキングを始めた経緯とか、各ホテルの建築やサービスの特徴・歴史。
良本です。

新宿・歌舞伎町 人はなぜ<夜の街>を求めるのか
面白かった。歌舞伎町の歴史と、夜の街で働く人達の実像が見えてくる。
特に歌舞伎町にある弁財天の話が秀逸であった。

限界のタワーマンション
タワマン否定派による本って気構えで読んだ方がいいとは思うけど・・・
老朽化問題があるので、特にタワマンに住み続けるのは難しいねって話でした。

ほい。

そんな感じ。

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tonogata
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