電波受信状態がよくなるシール「バリ5」

誰もが見かけたことがありそうな、ちょっと怪しげなアイテム「バリ5」が、公正取引委員会から景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を受けました。
「バリ5」は、携帯に貼るだけで「電波受信状態がよくなる」という謡い文句のシールです。
2007年10月以降で総計約45万個(計約9億円)を売り上げたとのことで、結構スゴイすよねー。
前から「怪しいよなー」と思いつつ、気になってたアイテムなので、経緯を把握しときたいと思ってチェキらっときました。

●今回の報道
携帯の受信向上「根拠なし」、4社に排除命令 公取委
●公正取引委員会の勧告(pdf)
携帯電話の電波の受信状態が向上すること等を標ぼうする商品の製造販売業者らに対する排除命令について

本件の発端は、公取委が製造・販売元の、カクダイ、ナスカ、森友通商、吉本倶楽部の4社に、「電波の受信状態がよくなる」・「電池が長持ちする」ことの裏づけ資料を提出をもとめたところ、「期限内に資料が提出されたが、合理的な根拠を示すものであるとは認められなかった」(公取委)こと。
提出された資料の中身はわかりませんが、従来主張されていた内容を、カクダイのHPから引用してみます。

電池を繰り返し使用している(携帯電話、PHSの電池は放電を繰り返す)と内部に不純物(スラグ)が発生し、電子の流れを阻害して充電容量を少しずつ減少させてしまいます。「バリ5」は、特殊に配合した鉱石微粒子素材を、銅板(特殊処理)に接着させることにより、電池内部に励起作用やイオン化作用が働き、電池内部の不純物(スラグ)を速やかに細分化。
電池内部での電子イオンの流れをスムーズにします。

さらに、こうした効果の根拠は、製品のパッケージで「28カ国で特許取得済み」とある「特許」に関係ありそうです。
製品のパッケージに書いてある番号の特許(ナスカ社)は以下。

[RN]登録番号=3468743
PDF:特開2002-080315 塗料用防錆防汚添加剤および同添加剤を含有する塗料

【課題】 海洋環境に悪影響を及ぼすことなく、錆発生の防止および海洋生物の付着防止に効果的な防錆塗料用添加剤および同添加剤を含有する塗料を提供する。
【解決手段】 塗料用防錆防汚添加剤は、その全重量に関して、バストネス石、モナズ石及び中国複雑鉱から選択される少なくとも一種70〜94%、電気石3%もしくはそれ以上、ジルコン石3%もしくはそれ以上を含む。
塗料に塗料重量の8〜15%の添加剤を添加し、所定量のマイナスイオンを発生させることにより海洋生物の付着防止効果を提供するとともに防錆効果を達成する。

はっきり言って文系のボキには内容がちんぷんかんぷんですが、内容が
>防錆塗料
ということは分かりました。
今回、この「防錆塗料」では「電波の受信状態がよくなる」・「電池が長持ちする」ことの証明ができなかった、というところでしょうかね。

なお、カクダイHPによると今後は
>2009年3月末までに公正取引委員会承認の新パッケージで新発売をします
とのこと。

https://www.bousaid.com/tag/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%83%BC

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