「カフェと日本人」という新書を読んだんですよね。
そしたら、これ。
滅法面白かったという。
そーゆー話なんですが。
日本における「カフェ/喫茶」の歴史。
っていうと、個人的には「昭和レトロな純喫茶とか、懐いなー」で終了しちゃうんだけど。
そうじゃなくて。
もっと奥行きがあったんですね。
例えば。
明治・大正。
美人の女給(店員)目当てに、男性客が通う「カフェー」のカルチャーがあったという。
その代表格「カフェー・タイガー」は、今のAKBがごとく女給の人気投票を催し、菊池寛が推しメンの150票を大人買いして週刊誌に叩かれたとか。
単純に話として、奥行きがあり過ぎる。
面白い。
一方、その「タイガー」のライバル店「カフェー・ライオン」は、和装で正統派の女給接客であったが、そのうちビヤホールになって。
それが今の「銀座ライオン」だとか。
うぉおお。
「銀座ライオン」って、そーゆー流れなのか、という。
その他にも。
談話室滝沢がいつの間にかなくなった経緯とか。
知らなかったなぁ。。。
ブラジル移民と、ブラジル政府からのコーヒー豆の無償提供の話。
コーヒーすすりながら、しんみりせざる得ない。
銀座カフェーパウリスタの歴史|カフェーパウリスタとは|銀座カフェーパウリスタ
日本のカフェ普及は、実質的にはここから始まったのか?と思うと、なかなかに歴史の重みを感じる。
いやー。
面白い。
コーヒー、カフェ、喫茶の歴史が、思ったより面白い。
それに、本書では最近の「うちカフェ」事情も書かれていて。
コンビニコーヒーの話とか。
サードウェーブの話とか。
個人的には、「マウントレーニアがコンビニコーヒーとどう差別化してるか」の話が面白かった。
他にも、本格コーヒーだけじゃなく。
缶コーヒー、スティックコーヒーなど、幅広いコーヒー商品についても語られていて。
最高です。
自分が普段使いしている商品の、市場におけるポジショニングとか分かって楽しい。
それで。
著者は経済ジャーナリストとして、「ヒット商品の裏側」みたいな記事をよく書いているみたいなんだけど。
この本も、具体的な商品名や会社名、売り上げデータが出てきて。
ノリとしては、「経済誌に連載されたコラムが1冊になった」みたいな、読みやすさ。
日本人、日本の企業、日本のカフェ、コーヒー。
著者の思いや回想を交えながら。
カフェへの愛が、溢れんばかりに1冊に収まっていて。
すごく良い本だったなぁ、と。
思いました。
ちなみに。
著者は経済ジャーナリストとして書いた記事が以下でまとまってた。
参考まで。
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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏|ビジネスパーソン向けニュースサイトのビジネスジャーナル
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