秘境駅として有名な「坪尻駅」へ。徳島の山に囲まれた谷底、山道からしか到達できない無人駅。

徳島県に行った際に、秘境駅として有名な「坪尻駅」に電車で行ってきた。

「秘境駅」というのは「山奥や原野など、人里から離れた箇所に所在する鉄道駅」。

坪尻駅は、その「秘境駅」の中でも有名な部類に入るらしい。

自分はそこら辺はあんま詳しくないが、その道で有名なサイトの秘境駅ランキングで、坪尻駅が7位にランクインしている。

秘境駅ランキング 1~50位 2017年度版

この駅は徳島県の山中にあり、最も近い車道から到達するには山道を15分ほど歩く必要がある。

元々は住民の要望で作られ、駅舎も住民の手作りであるらしいが、現在は利用者が1人とか、そーゆーレベル。

駅から徒歩で30分ほど山道を登った所に集落があり、開業当時は通学客や野菜の行商に出る人などで賑わっていた。

しかし、集落付近に道路が整備されたため、駅を利用する住民はほとんど居なくなった

バラエティ番組『ナニコレ珍百景』で、「利用者が1人しか居ない駅」として紹介された。

坪尻駅 – Wikipedia



さて。

JR土讃線・琴平行で、阿波池田駅から坪尻を目指す。

ワンマン列車で、れっつらごー。

こーゆー在来線の穏やかな空間がまた、いいですねぇ。

味があります。

東京ではなかなか見れない、自然に満ちた車窓の景色。

ぼんやりと、眺めつつ。

窓から見る川の、その透明度!!

キレイだなぁ。。。


阿波池田駅からは、17分で到着。

(高知駅から行ったので、トータルでは1時間39分)

隣の駅までは、駅前に民家が普通にあったりするんだけど、この駅はまわりに何もナシ。

駅の前後左右、線路以外は全て「山」なのであった。

線路の向こうを眺めても、ひたすら山。

ただただ、駅だけがポツンと。

駅の中をのぞいてみると、キレイに掃除された空間。

しっかりとしたベンチもあり、休憩できそうだった。

スマホの電波をみると、アンテナ・ピクトが2本(au)。

ネットは問題なく出来た。

駅内を通り抜けて、反対側に出てみる。

しかし砂利の平地がちょっとあるだけ。

ここからどこかに移動するための「舗装された道」はない。

どこに行くにも、山道に入っていく必要がある。

駅の目の前には、「マムシに注意」の立て看板のみ。

まじビックリしちゃう。

特にやることもないので、ちょっと散策。

↓(1)の方に、進んでみる。

入ってスグ、廃屋が見つかった。

放置されたバイクと共に。

放棄されて長いらしい。

中をのぞいてみると、ずいぶん荒れ果てていた。

この廃屋はもともと「駅前の雑貨店」だったらしい。

1963年(昭和38年)に起きた「四国連続強盗殺人事件」の犯人が押し入り、現金と菓子を奪って逃走したという雑貨店。

事件発見から2時間前の午前9時頃、大北宅から10キロ北側の国鉄土讃線坪尻駅前の雑貨商・大上徳(当時33歳)宅に強盗が押し入り「夕べ池田で人殺しをしてきた」と言って脅し、現金2,000円と店の菓子を奪って逃走する事件があった。

四国連続強盗殺人事件 – Wikipedia

参考:【まったり駅探訪】土讃線・坪尻駅に行ってきました。(その1)

いつから店が放棄されたかは、分からないけど。

この元・雑貨店から更に進んで見るも、山道が続くだけのようなので、引き返す。

再び、駅の中へ。

駅には、スタンプが置いてあった。

1度、誰かが持ち去ったかして紛失。

その後、青森県で発見されて戻ってきたという、スタンプ。

駅ノートや2008年5月15日に地元の町づくり団体から寄贈された駅スタンプも待合室内に置かれていたが、2010年2月10日に紛失していることが判明。

その後この駅スタンプは2010年4月22日に青森県の津軽線中沢駅で発見された。

坪尻駅 – Wikipedia

壁にそのスタンプ紛失と再発見の経緯も、掲示されていた。


スタンプ台の下には、駅ノートが数冊。

この駅を訪問した人が、色々書いているようだった。

駅ノートの下には、辞書や小説が数冊。

暇つぶし用かな。


実は、坪尻駅に到着した際に、先客が3名ほど。

話をきいたら地元の方もいて、車できて観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の撮影にきたとのこと。

四国まんなか千年ものがたり」JR四国

坪尻駅

列車が急勾配の峠を登るため、一旦加速線に後退して勢いをつけてから進む、全国的にも珍しい“スイッチバック”のある駅です(四国には土讃線の新改駅と坪尻駅のみ)。

坪尻駅には列車か徒歩でしか行くことができません。

観光客以外定期的に利用する人も無くまさに「秘境の駅」です。

えっ!!

「千年ものがたり」って、この駅に停車するんだ。

知らなかった当方、びっくり。

(たまたま今回の四国旅行で「千年ものがたり」を使うか検討したが、予約が大変そうだったので断念していた)

ちゃんと駅にも書いてあった。

この駅に停車して、しばらく滞在するらしい。

その地元の方に、「千年ものがたり」がきた際の撮影ポジションなどを教わりつつ、到着時間まで待機。

やがて、音楽を鳴らしながら「千年ものがたり」がやってきた。

駅に停車すると、乗客が降りてきて記念撮影などをしていた。

そこそこの時間、停車する模様。

なるほど。

豪華列車に乗りつつ、要所要所で観光地を見つつ・・・

ちゃんと秘境駅にも下車できる。

イイですねぇ。

ハンパなく予約がムズそうだったけど・・・。

ちなみに、この電車の停車中は、線路の向こうには行くことができない。

車掌さんが踏切のトコロに陣取り、渡らないように乗客にお願いしていた。

(と言っても、渡っても山道しかないけど)


やがて「千年ものがたり」も、音楽をかき鳴らしつつ、次の停車駅に向かって出発。

当方も、手を振ってお見送り。


自分はこの駅に、1時間40分ほどの滞在予定。

一通り周囲の散策もして、腹が減ってきた。

ということで。

高知駅で買った駅弁を、ココで発動。

土佐はちきん「母子弁当」(おくだ屋)。

500円。


親鳥の甘辛唐揚げと土佐はちきん地鶏のモモ肉をそぼろにした母子弁当。酒の肴にどうぞ!

四国の駅弁選手権2014

この日は、暑かった。

外にいると、ジワジワと汗がにじみ出る暑さ。

そこで、涼しい駅舎の陰に入って・・・

お弁当。

ムフ。

たまりませんね。

どうでしょうか?


ありがとうございます。


さて。


やがて、当方が乗る電車もやってきた。

もうちょっと滞在したかたったけど・・・

この駅に止まる電車はかなり少ない。

乗れる電車に乗っておかないと、後が大変です(笑


そうして坪尻駅を後にし。


電車は加速していき・・・



ここから今度は、徳島駅に向かったのであった。

今回、坪尻駅を訪問するに当たっては、↓などを参考した。

(秘境駅ランキング管理人の方が書かれた本)

秘境駅へ行こう! (小学館文庫)

秘境駅へ行こう! (小学館文庫)

  • 作者:牛山 隆信
  • 発売日: 2001/07/06
  • メディア: 文庫

かなり昔の本で、その中では夜に坪尻駅を訪問した際の話が書いてあった。

この駅に、夜滞在するってのは、ちょっと怖いですねぇ。

まわりに何もないし、あるのは廃屋のみ・・・。

自分の場合、今度はお金払って「千年ものがたり」で行ってみたいな、と。

そう思いました。

JR四国「バースデーきっぷ」(3日間)を使い、電車で四国一周。車窓を眺めながら食べた駅弁のメモ。

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