屋久島の縄文杉をツアーでなく個人で見に行く際の留意事項

屋久島の縄文杉を、トレッキング・ツアーでなく個人で見に行った。
そのメモにて。

行程の7割は線路を歩く

初めて縄文杉に行ってみてから分かったが、行程の7割くらいはトロッコの線路だった。
線路の上を歩く。

「山登り」というより、スタンド・バイ・ミー形式。
縄文杉トレッキング モデルコース・マップ

縄文杉に行くには往復で8時間ほど歩く必要がある。
そのうち5時間ぐらいは、線路ウォーク。

早朝のまだ暗い時間から、延々と線路の上を歩くのである。
(峠越えする別ルートもあるが、有名なのはこのルート)

日が昇り始めたな~。
と思っても、まだ線路上にいる。

これは一般には、評判が良くないらしい。
歩くの楽だし、景色も良いし、個人的には好きだった。

何度も川を渡ったりするが、橋も線路である。

ちなみに後半の2~3割は、普通に軽めの山登りになる。
なので装備的には、ちゃんとした方がいい。

トレッキング・シューズ、軍手、雨装備。
屋久島は「1ヶ月に35日の雨が降る」と言われるほど、雨が降る。

雨装備は重要。
自分が用意するのを忘れてて後悔したのは、リュック用のレインカバー。

 

それはともかく、縄文杉を見に行った印象は「いい線路道だったな~」という。
トロッコ道の印象しか残ってない(笑

実際のところ歩きやすいし、杉の巨木や苔に満ちていて、すごく良かったです。
ただ前後が混雑していると、単調でツラいかもしれない。

自分は登山口で出発時間をズラして、なるべく静かな道を歩けるようにした。
でもまぁ、縄文杉に近づいたら結局渋滞につかまって、アレだったけど。

体力的には、長い時間歩くのでキツいにはキツいが、「8時間の登山」という感じではない。
行程の大半が平坦なトロッコ道なので、徒歩(大)+山道(小)という印象。

 

縄文杉へのアクセス手段

縄文杉はトレッキング・ツアーの他、自力で見に行くこともできる。

登山口から縄文杉までの道のりは、迷うことのない一本道。
また、基本的にそこそこの人数が同じ道を歩いているので、「迷うも何も・・・むしろ人多すぎて困るんですケド」状態。

そのため自力で行くにあたってのクリアにしておくべき問題は、1つ。
登山口までのアクセスとなる。

以下、具体的なアクセス方法について。

荒川登山口まで(荒川登山バス)

荒川登山口までの交通手段は、バスのみ。
「屋久杉自然館」から登山バスが出ている。
屋久杉自然館(Google マップ)

この区間は一般車両の通行が規制されているので(3月~11月)、基本的に「荒川登山バス」を使うことになる。
「屋久杉自然館」には駐車場(160台)があるので、そこまでは車で行くことも可能。詳細は、下記HPを参照。
屋久島山岳部車両運行対策協議会 – 登山者の方へ

ポイントは2つ。

  • 登山バスのチケットは、前日までに購入する必要あり
  • チケット代金は、環境保全協力金1000円もセットで徴収される
  • バスの往路は、早朝4-6時(時期による)のみ

登山バスのチケットは、前日までに購入する必要があるので注意。
一応、当日もバス乗降場所でチケットを売っているようだったが、基本は前日までに購入。

チケットは、観光案内所や一部のホテルで販売している。
具体的な販売場所は、以下の「荒川登山バス券販売窓口」項を参照。
屋久島山岳部車両運行対策協議会 – 登山者の方へ

ちなみに自分は「屋久島観光センター」で購入した。
屋久島観光センター(Googleマップ)

また「荒川登山バス」の時刻表も要チェック。
時期によって異なるが、往路(屋久杉自然館→荒川登山口)は早朝4-6時のみとなっている。

時刻表はまたしても↓ページの「荒川登山バス時刻表」項を参照。
屋久島山岳部車両運行対策協議会 – 登山者の方へ
※時刻表内の「屋久杉自然館」(自然館)行きの路線時刻をチェック

縄文杉を見に行くと8時間くらいはかかるので、早朝出発前提なのだ。

屋久杉自然館まで(バスの場合)

上述のように、荒川登山口までの登山バスは「屋久杉自然館」から出ている。
「屋久杉自然館」まで車でなく、公共交通機関で行く場合はどうなるか?

登山バスに接続出来る時間帯に、「屋久杉自然館」への路線バスが出ている。

ただし2社のバスが、それぞれ1日1回程度。
そのバス(2本)を逃すと、結構エグい。

ポイントは2つ。

  • 「屋久杉自然館」へのバスは、早朝4-5時に1,2本あるだけ
  • 最寄のバス停の場所を把握しておく必要あり

バスの時刻表は以下から取得可能。
「屋久島交通」と「まつばんだ交通」の2社である。
屋久島観光協会 屋久島を巡りたい

早朝4-5時の、まだ暗い時間にしかない。
本数も1~2本のみ。
寝坊厳禁。

また2社共通の料金表も↑から取得可能なので、あらかじめ料金を調べておくとよい。
Suica等は使えないので現金決済。両替機はバス内にある。(1万円など高額紙幣は使えない)

ちょっと面倒なのが、バス停の場所。
ホテルから最寄のバス停をチェックしておく必要がある。

これは検索する手段がないので、ホテルに聞いてみるのが良いかと思います。
一応、↓でおおよその路線図を見ることができる。
屋久島内の移動・交通の基本 路線バス・登山バス 路線図・運賃・時刻表

自分の場合、宿泊した「シーサイドホテル屋久島」(シーサイドH)が屋久島交通の始発停留場だったため、ホテル前から出発した。

復路(下山)

復路については、基本的に往路の繰り返しなので、特に難しい点はない。

ただし、「屋久杉自然館」に戻るための荒川登山バスの時刻表だけは、ちゃんとチェックしておいた方がよい。
現時点の時刻表では、15:00-18:00まで30分間隔だった。

また「屋久杉自然館」からバスで街に戻る場合、路線バスの時刻表にも注意。
島の路線バスは、終電が早い。

なお下山した後のバス停では、みんな「とりあえず荷物だけ」を停留所に並べておいて、場所取り/順番待ちをしていた。
(バス待ちで立って待っているのもキツいため)

登山ルートの確認

登山ルートは一本道なので、地図はあんま必要ない。
ただ8~10時間も歩くことになるので、現在地の確認は出来た方がよい。

疲れてくると、「あとどれくらいあるんだ?」というのが、気になるんですよね。
帰りのバスの時間とかもあることだし。
ツアーじゃない場合はガイドさんに聞くワケにもいかないので・・・。

現在地(と登山ルート)を知る手段として、個人的なオススメはスマホアプリの「山と高原地図アプリ」。
山と高原地図アプリ – 登山・ハイキング向けGPSマップ
※アプリは無料だが、地図は500円

↓の紙地図と全く同じ登山地図を、スマホでみることができる。

スマホのGPSで現在地が地図上に表示されるので、紙地図より便利。

※現在地と、自分が向いている方角が分かる

使い方は簡単で、地図の「広域」と「詳細」を画面下のボタンで切り換えるくらい。

また、登山ルートは基本的に電波が圏外になる。
しかしこのアプリは事前に地図をダウンロードするタイプなので、問題なし。
※荒川登山口付近は電波アリ

GPS機能はネット圏外でも使えるので、オフラインで現在地表示が可能。

あと、縄文杉にいたる道には、大王杉・夫婦杉・ウィルソン株など名所ポイントがいくつかある。
その場に行けば人が群がっているので「なんか名所かな?」と分かるし、立て札もある。

ただ、登山地図でそれを見ながら歩けると、またちょっと便利だと思う。
「もうすぐウィルソン株だな」とか。

ちなみに「山と高原地図アプリ」の地図で縄文杉を登る場合、一カ所だけ分岐というか、「近道」と記載のある箇所がある。
平坦なトロッコ道を大回りしていくか、山にちょっとだけ入って近道するか。

ツアーの人達は基本「近道」を進んでいったので、混雑を避けて遠回りするルートを選択したら、猿や鹿が結構いた。
人が少ないので、動物が油断して歩道に出てきているようだった(笑
特に日が昇って暖かくなっている復路。
縄文杉へのルートで動物をみたのは、この「大回り」箇所くらいだったかな。

 

また、「山と高原地図アプリ」をみれば分かるが、縄文杉へ行くルートは「荒川登山口」以外にもある。
宿泊したホテルの人と話していたら、「白谷雲水峡」(もののけ姫の森モデル)から太鼓岩・辻峠を越えて、「楠川分かれ」で合流するルートは比較的空いているし景観もよいのでオススメということだった。
「白谷雲水峡」には駐車場があり、そこから山に入る。
「荒川登山口」経路よりプラス1時間くらい多くかかるのと、峠を越えるので体力的にちょっと負担が多いくらい、ということだった。
(その人曰く、山に慣れてるならトロッコ道をダラダラ歩くより、こっちの方が楽とのこと)

 

弁当を準備する

登山で8時間、バスでの移動を考えると10時間近くの行程になる。
そのためメシは必須。

しかし屋久島には大手コンビニがない。
個人経営のコンビニは、数は少ないがある模様。
(使わなかったので、よく知らない)

その代わり、登山用の弁当をホテルで用意してくれたり、街の弁当屋で買ったりする。
https://www.google.co.jp/maps/search/屋久島+弁当/

自分の場合はホテルで用意してもらった。
(シーサイドホテル/昼用弁当=700円)

なお荒川登山口も含め、登山中は当然自販機もない。
飲料を持っていくのも重要。

トイレ事情

トイレについては、携帯用トイレを持っていくことも検討。
屋久島世界遺産センター 携帯トイレの利用

縄文杉は山奥にあり下水も整っていないので、トイレの数は少ない。
下水設備のない「トイレブース」(ほったて小屋)がいくつかあり、「携帯トイレ」を使った後、自分で持って帰る(回収ボックスに入れる)必要あり。
(トイレブースは、上記URLに地図あり)

 

携帯トイレは現地でも購入可能。

もろもろ、上記ページを参照ください。

人が少ない時期

縄文杉までの道のりは、とにかく混雑していた。

混雑していると、せっかくの「大自然♡」な雰囲気が減衰する。
また狭い登山道で前も後ろも詰まって、自分のペースで歩きにくい。

目玉の縄文杉なんかも、観覧できるスペースが限られているため、混雑しているとゆっくり見れない。

ホテルのスタッフと話していて、「いつが空いているのか?」ときいたところ、以下のような回答だった。

  • 4月の頭は比較的空いている
  • 団体旅行が少ないため(各種団体の慰安旅行・修学旅行)

確かに自分がいった時期(11月)も、ホテルには団体客がたくさんきていた。
期初の4月にはそういう団体旅行が少ないだろうから、確かに空いているかもしれない。

その後、GWから9月にかけては個人旅行が増える。
GWは、もっとも混雑するらしい。

9月以降は、今度は団体客が増え始める。
そのため4月が空いているのだという。

本当かどうかは、分からない。
ただ、今度行くなら「4月初旬の平日」に行ってみたいなと思った。

ツアーで行くか、個人で行くか

現地トレッキング・ツアーで行くか、個人で行くか、どっちが良いか?

やはり、ツアーでいくと植物や歴史の説明をきけるので、良さげだと思いました。
自分は自力で行ったが、すれ違う際にガイドさんの説明が聞こえたりした。
その説明をきいて「なるほどなー」とか思ったりして。

ただ、自分は将来的に2回目もくることを念頭において、初回の今回は「登った!」という達成感が多少なりとも欲しく、個人でいくことにした。
ツアーは、今度来る時でいいかな、と。

自分のペースで歩いて、写真を撮ったり、休憩したいというのもあり。

ただ混雑している時期だと、どうせ自分のペースで歩けないだろうし。。。
振り切ってツアーにした方がいいかもしれない。

ツアーなら、ペース配分を考えなくていいし、登山口までのアクセスとか帰りの時間も、自分で調べる必要はない。
もろもろ楽だと思う。

その分、達成感的なものは少なくなると思うけど。

 

そんな感じ。

「もののけ姫」モデルとなった屋久島の白谷雲水峡「苔むす森」、幽玄な苔と巨木の世界

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