ANAがステータスチャレンジ開始、ANAカード決済額で上級会員資格

プレミアムメンバーステイタス獲得チャレンジ

ANAがステータス・チャレンジを開始した。
ANAカードの決済額と、通常より少ない搭乗実績で、ANAの上級会員資格である「プレミアムメンバー」になれる。
プレミアムメンバーステイタス獲得チャレンジ

プレミアムメンバーステイタス獲得チャレンジ

資格の取得に必要な条件は以下の通り。

条件ブロンズプラチナダイヤモンドダイヤモンドダイヤモンド
+More
プレミアム
ポイント
1.5万pt
(通常3万)
3万pt
(通常5万)
5万pt
(通常10万)
8万pt15万pt
対象サービス4つ7つ7つ4つ7つ
ANAカード
ANA Pay決済額
400万円600万円600万円400万円600万円

最上位の「ダイヤモンド+More」については、ダイヤモンドステータス+家族会員のダイヤモンド資格招待と、マイルからSKYコインへの倍率2倍(通常は最大1.7倍)のおまけがついている。

プレミアムポイントについては、通常より最大半分で済むような設定となっている。
「飛行機に乗らなくてもステータスがとれる」というワケでななく、例えばダイヤモンドを獲得するにしても、そこそこ乗る必要はあるという感じですね。

対象サービスについては、最大で7つ利用する必要があるが、さほど難しくはない印象。
以下、赤枠は簡単だなと思った条件、青枠は面倒だけで別にできるかなと思った条件。

ANAサービス条件

ここら辺は人によると思うけど、個人的には「ANAカードマイルプラス」はセブンイレブンでANAカード使うだけだし、「ANAマイレージモール」もよく使ってるし、「その他の加盟店」というのは曖昧でよく分からんが国内・海外のチェーン系ホテル系でマイル番号連携してANAマイル貯めるやつとか、両替店でANAマイル番号提示して貯めるやつとか?、「ANAトラベラーズ」はホテル予約・ダイナミックパッケージでちょいちょい使うし、「空港内店舗」は空港でお土産を買っておけばいいかな、と。

ANAカード・ANA Pay決済額については、ハードル高いですね。
金額的に400万円でブロンズとダイヤモンドを獲得できるのに、プラチナは最低600万円必要というのが面白いですが。
ポイントとしては、「家族カードの決済分は、本カード決済額に合算される」という点でしょうか。
注意点は「電子マネー利用分は対象外」「ANA Payへのチャージ分も対象外」という点(ANA Pay利用分は合算される)。

ビジネスエリートを狙うANA

コロナ不況で経営が逼迫している状況から「飛行機以外での収入を加速させる。マイル経済圏を活かす」という話はあったので、その具体的な施策の1つでしょうね。

キャンペーン扱いではあるが、公式HPに「Status Challenge」とある通り、まさしくこれはステータス・チャレンジで、各ステータスへの具体的な到達条件が設定されている。
ANAがワイドオープンなステータスチャレンジを実施するのは初めてで、その意味では画期的。

一般的なステータスチャレンジという意味においては、ダイヤモンド系の達成条件が3系統も用意されているのが、特徴的かなと思います。
ダイヤモンド級の経済的なハイエンドをどんどん獲得していこうという意欲を感じます。

なお今回設定された各条件は、ここ数年の個別キャンペーンとしてテスト・マーケティングされていた節がある。
今までに実施された個別キャンペーンとしては「ANAカード利用が年間300万円+搭乗実績でブロンズ会員」「ANAカード利用が年間500万+搭乗実績で家族にダイヤモンド資格を付与」など。

興味深いのは、今回設定されたステータスチャレンジは、それらの条件よりブロンズは厳しくなって、ダイヤモンドは(実質的に)緩和されている点(ブロンズ:300万円→400万円、ダイヤ:500万円で家族招待→400万円で獲得・600万円で家族招待)。

いずれにせよ今回は、過去の個別キャンペーンの実績をみた上で、ワイドオープンするにあたって「獲得する会員数」を狙った条件が採用されていると思われる。
データを元に、そこそこ数字を固めて設定しているんじゃないかな、と。

ちなみに、ANAが実施したANA便利用者へのアンケート結果によると、ビジネス用途以外で年間300万円以上のクレカ利用実績をもつ人は多くはなさそう。

ANA利用者の月間クレジットカード利用額

ただビジネス用途を含めると300万円を超えてくる層がちょいちょいでてきそうなのと、また今回のステータスチャレンジでは、家族カードを含めた条件になっている点もある。
※日本の平均世帯年収は500万円のなか、ANA便利用者の世帯年収は平均1000万円、10%以上が世帯年収2000万円を超えるという統計がある

端的に「富裕層」というのもターゲットには入ると思うが、仕事バリバリな「ビジネス用途」「家族会員」(DINKSなど)がポイントになってくるのかな、という印象。
ANAがよく使うセグメント用語でいうところの、「ビジネスエリート」。

そういや今年になって初めて、ANA媒体資料に「ビジネスエリート」に訴求できる広告パッケージが掲載されていた。
今までも当然実施はしていたと思うが、媒体資料としてワイドオープンされたのは今回が初めて。

ANA ビジネスエリート向け広告プラン

セグメント内容
搭乗実績搭乗実績:ビジネスクラス以上搭乗 有
会員ステータス:プラチナ・ダイヤモンド・スーパーフライヤーズ
クレジットカード種別:ゴールド・プレミアム

・30-50代のエクゼクティブなビジネスパーソン
・ビジネスにおいて飛行機利用が多頻度
・ビジネスクラスやファーストクラスも利用する高所得者
・ブラックカードを保持ユーザー有

https://www.anahd.co.jp/ana-info/ana/mediadata/pdf/mediakit/adc.pdf

ANAのHPなどで、上述のようなビジネスエリートだけに表示する広告枠を売ってます、という意味ですね。
(HPを閲覧するユーザーごとに表示する広告を切り換える。この場合はクリック課金で、広告がクリックされた回数で広告費用が決まる)

今回のステータスチャレンジを通してビジネスエリートを獲得することで、航空券代はもちろんのこと、こうした広告施策でも活かして収入を多角化していけそうです。
少なくとも、こうした会員属性を活かした商売も、ANAが今後の非航空分野で収入を伸ばしていくには必要なんだろうな、と。

まとめ

さて。

いよいよ始まりました。
ANAのステータスチャレンジ。

個人的には、箸にも棒にもかからない。
金額的に。

ダイヤモンドの好待遇をウリに、ビジネスエリートを本格的に刈り始めたANA。
そこそこ搭乗実績も必要なので、JALからの乗換を含め普段から飛行機によく乗る高収入のビジネスマンが、メインの獲物でしょうか。
ダイヤ獲得条件も3系統を用意するきめ細やかさで、普段なら「あとちょっとで○○」という様々なユーザー条件に対応できそう。

ちなみに去年辺りの統計ではANAダイヤモンド会員は4万人くらいと思われるが、それがこのステータスチャレンジでどれくらい増えるか、ちょっと見物ではありますね。
ANAスーパーフライヤーズカードとダイヤモンド会員の会員数

ほい。

そんな感じ。

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