米では収益の16%がマイル販売
アメリカの航空会社では、コロナ禍の影響で旅客収入が減った一方、マイル還元の提携クレジットカード利用が増えたため、カード会社へのマイル販売が増えたそうです。
マイレージの販売が航空会社の大きな収益源に、米大手5社では収益全体の16%に拡大【外電】
デルタ航空は昨年、アメリカンエキスプレスおよびパートナー企業での販売から57億ドル(約7400億円)を稼いだ。これは旅客収入の14%に相当する額だ。同様に、アメリカン航空も45億ドル(約5850億円)、旅客収入の10%相当を稼いだ。
https://www.travelvoice.jp/20230413-153272
マイル販売での投下資本利益率は60%を超えており、利益率も良いとのこと。
記事で引用されていた「Idea Works Company社の調査」をチェックしてみると、航空会社における純粋な輸送系以外での収益、例えば提携クレジットカードなどパートナーへのマイル販売・座席指定料金・手荷物オプションなどのAncillary収益は、グローバルで360億ドル。
US & Canada Airlines Have $39 Billion of Ancillary Revenue, Including More Than $23 Billion from Co-Branded Cards

北米では提携クレジットカードが盛んで、特にサウスウェスト航空では収益の22%がチェース銀行との提携クレジットカードによるものなんだとか。
近年では、提携クレジットカード以外にもマイル販売の経路が増えている、とも。
住宅ローン、コーヒーショップ、etc。
一方、Asia & South Pacificは、グローバルに対して14.2%とそれほど大きくない。
まだまだ伸びていくんだろうけど、2022年に関してはグローバル内での順位を落したようです。
近年ではANAもJALも、マイル販売を含む非航空分野での収益化への取り組みを続けているので、今後もその流れが続きそうです。
ANAの決算短信
メモにて。
例えばANAの場合、「航空事業 その他」というのが1076億円。
ここにはマイレージ附帯収入・機内販売/整備受託の収入が含まれる。
<その他>航空事業におけるその他の収入は1,076億円(前年同期966億円、前年同期比11.4%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
2023年3月期 第3四半期決算短信
内訳はよく分からない。
上述のAncillary収益みたいに、座席指定料とかも含まれるのかな?
またANAは2022年度から、マイル収益を「マイル利用時・マイル失効時」に計上するよう変更している。
自社ポイント制度に係る収益認識
2022年3月期 決算短信
当社グループは、会員制プログラムの「ANAマイレージクラブ」を運営しています。
当プログラムは会員のお客様に当社便の利用や提携他社のサービス利用等に応じてポイント(マイル)を付与しており、付与されたマイルは当社又は提携会社(提携航空会社を含む)から提供される財又はサービスと交換することができます。
従来は、付与したマイルの利用に備えるため、将来的な支出見込額を営業費用及び営業未払金として計上していましたが、本会計基準等の適用により、付与したマイルは追加の財又はサービスを将来購入できるオプションとして、別個に履行義務を識別しています。
その結果、マイルに対して配分された取引価格はマイルの付与時点に契約負債として認識し、マイルと交換される財又はサービスの利用時又はマイルの失効時に収益を認識することとしました。
取引価格は契約に含まれる履行義務ごとの独立販売価格の比率に基づいて配分され、マイルの独立販売価格は、お客様がマイルの利用に際して選択する財又はサービスの構成割合を考慮して見積もっています。
アシアナ航空のことを思い出しました。
アシアナ航空、10年越しの一撃「期限切れマイル計上」叶わず、売却へ
ほい。
そんな感じ。