15年使ったEvernoteからUpNoteに完全移行した。EvernoteとUpNoteの価格と機能を比較する。

EvernoteからUpNoteに移行した

Evernoteの値上げに耐えきれず、遂にEvernoteからUpNoteに移行した。

Evernoteでは、2023年に大きな変更があった。

長く愛用したので継続したい気持ちもあるし、移行が面倒というのもある。
自分はEvernoteを2009年から使っているので、15年間お世話になった。
ノート数は数千件あるので、移行するのは気が重い。

しかしPersonalプランの年額9300円は、なかなかイタいんだな。

Evernoteは、値上げしつつ機能も増えていく。
しかし大抵、複数人で使うための機能拡張だったり、カレンダー連携・タスク管理のような統合アプリへの拡張。
あくまでシンプルなメモ帳で良かった自分的には、あまり恩恵がなかった。
長年お世話になったので感謝の念があるが、自分はここら辺が潮時かな、と。

UpNoteは新興のメモアプリ。
統合アプリ化が進むEvernoteと異なり、UpNoteは現時点ではメモ帳に特化している。
メモ帳としての機能は多機能だが、一方でキビキビと動く操作性が良い。
UpNote

UpNoteとEvernoteの価格比較

UpNoteとEvernoteについて、価格と基本スペックの比較は以下。

比較項目UpNote
Free
UpNote
Premium
Evernote
Free
Evernote
Personal
価格無料買い切り
4,000円
無料年額
9,300円
ノート50ノート無制限50ノート10万ノート
フォルダ無制限無制限11000
デバイス無制限無制限2台無制限
ノート
サイズ上限
文字数
30万
*1ノート
文字数
30万
*1ノート
25MB200MB
添付
サイズ上限
20MB20MB25MB200MB
アップロード
上限
無制限無制限60mb10GB

UpNoteの有料版Premiumは、月額と買い切りがある。
買い切りは、セール価格であれば3500円くらいでいける(現時点)。
この書き切り価格は、2年前には2000円だった。
ユーザーが増えていくと、また価格が上がっていくかもしれない。

  • 月額サブスク=100円
  • 無期限(買い切り)=4000円

UpNoteのPremiumにおいては、作成できるノート数は無制限。
アプリの動作が重くならないよう、開発者は1万件以上を推奨している。
UpNote limitations

UpNoteについての唯一の不満点は、添付ファイルのサイズが20MBと小さめな点ですね。
Evernoteのように200MBくらいあると、安心なんだけど。

UpNoteとEvernoteの機能比較

移行先のUpNoteについては、以下の理由から選定した。

  • 動作が軽いメモ帳アプリであること
  • 複数デバイスで同期できること、オフラインでも使えること
  • 階層構造のフォルダでメモを管理できること
  • pdfやエクセルなどの添付ファイルが扱えること
  • セキュリティ面

これは好みにもよるが、自分の感想としては以下。

比較項目UpNoteEvernote
アプリ挙動の軽さ
複数デバイス同期
オフライン編集
メモ管理方式×
添付ファイル
WEBクリッパー
テキスト検索
セキュリティ
自動バックアップ
Markdown入力

アプリの軽量さについては、UpNoteはEvernoteより随分と軽い。
サッとアプリが立ち上がり、キビキビと動く。めちゃ軽い。

デバイス間の同期については、Evernoteより自動同期がちょっと遅いと感じることがある。
PCでメモを修正した後にスマホでみると、「あれ、まだ反映されてないな」みたいな。
ただまぁ手動で同期するアクションも簡単なので、それほど課題感はない。

マルチデバイスでちょっと痛いのは、WEB版がないこと(スマホ/Win/Macのネイティブアプリのみ)。
旅先のネットカフェとか、レンタルした一時的なPCで「ちょっとPCで編集したい」というのもゼロではないのでWEB版もあると嬉しいが、まぁスマホでやればいいし、致命的ではないかな。

メモの階層管理については、EvernoteよりUpNoteの方が使いやすい。
Evernoteは「階層」とは方向性が違うので、階層管理がしたい自分はスタックとノートブックでやりくりしていた。
UpNoteはフォルダ階層を自由に作れる。フォルダの中にフォルダを作れる。
最近のバージョンアップでワークスペース(空間)も追加された。

添付ファイルについては、Evernoteの方が機能充実している。
ただUpNoteも最低限はできるので、まぁ問題ないかな。

  • 添付ファイルでノートを作りたい場合、Evernoteはファイルを放り込むだけでノートが自動で生成されたが、UpNoteでは「まずノートを作成し、そこにファイルを添付する」という手順になる
  • UpNoteは添付ファイルの上限サイズ20mbと小さめで、サイズを気にせずファイルを放り込めるEvernoteとは異なる
  • Evernoteはpdf以外にエクセルなどもアプリ内でプレビューができたが、UpNoteがアプリ内でプレビューできるのはpdfのみ。例えばxlsxを閲覧したい場合、MSエクセルを起動する必要がある
  • アプリ内を検索する場合、Evernoteはおフォス文書も検索対象になったが、UpNoteはならない
  • UpNoteに添付されたxlsxをエクセルで開いて編集したら、その内容はUpNote側でもちゃんと保存はされる

いろいろ制限はあるが、少なくとも添付したエクセルファイルを(外部アプリで)編集できるので、そこはいいかな、と。

WEBクリッパーは結構使うんだが、UpNoteのWEBクリッパーはまだ表示の再現性が高くない印象。
その点はEvernoteと異なる。
自分の場合、WEBクリッパーは諦めてpdf化して放り込んだりすることも。

セキュリティについては、やはりEvernoteの方が安心感がある。
Evernoteは個人情報にうるさい欧州に拠点をおいており、長年大きな事故はなくサービスを継続している。
一方のUpNoteはベトナム人開発者2人から始まった米国のベンチャー。
データは全て米国にあり、Firebaseで暗号化して管理されるとのことだが、まだまだ少人数のベンチャーと思われるので、セキュリティ面は後回しになるだろうな、と思わないでもない。
ちなみにEvernoteは2段階認証に対応しているが、UpNoteはナシ。
How private is UpNote?

それ以外で、個人的に重視はしてなかったが違いを感じる部分としては、以下がある。

自動バックアップによるバージョン履歴と復元については、EvernoteもUpNoteもできる模様。
ただ使ったことがないので、よく分かっていない。
UpNoteは、アプリ版でノートの「・・・」ボタンから「バージョン履歴」をみると、過去日のバージョンが残されており、復元が可能な模様。
※PCアプリの場合は自分で設定して、ローカルフォルダにバックアップができる

UpNoteはMarkdownでの入力も対応(Evernoteも対応)。
自分でMarkdownで書くことはあまりしないので、個人的にはどちらでもよいけど。
自分の場合、ハイパーリンクくらいしか使わないんですよね。
ただまぁUpNoteはMarkdownが前提になっているようなので、エクスポートとして他のアプリで表示する際の再現性がよくなるんじゃないかとは思います。

最終的な「メモ帳アプリとしての使い勝手」でいうと、自分はUpNoteの方が好み。
キビキビ動くし、メモ帳としての入力補助が充実していて、使いやすい。

UpNoteの設定・カスタマイズ

自分の場合、Evernote時代から利用する機能はかなり限定されている。
日付入力、ハイパーリンク、チェックボックスくらい。
あと、たまに太字・赤字を使うかな。
それらの設定について。

日付入力は、スマホアプリでも簡単にボタンからできるので便利。
書式もいろいろ選べる。
ちなみに「/」からコマンド呼び出しでもいける。

画面下にあるメニューボタンはたくさんあり、順序を変更できる。
自分は一番よく使う「日付入力」を、一番左に持ってきている。

メニューボタンの並び替えは、メニューボタンの一番右に「編集」があり、そこからできる。

新規ノートを作成した時に適用できるテンプレートも、日付重視でカスタマイズ。
新規ノートのタイトルは、「YYYYMMDD_○○」にしたいのだ。
UpNote Templates

↓図の左が「テンプレート」。ノートと同じように編集できる。
右が、テンプレートを適用した新規ノート。

{{YYYY}}{{MM}}{{DD}}_
{{YYYY}}年{{MM}}月{{DD}}日 {{time24}}

アプリの設定では、フォントサイズなども自由に変更できる。
意外に便利だなと思ったのは「不要な編集からノートを保護する」機能。
一度「編集」ボタンを押してからしか編集できなくなるが、誤ってノートを触って更新日付が変わるのが嫌な場合、これを設定するとよい。

ちなみに「メニューを表示するには/を入力」というのは、自分は外している。
これは、例えば「/」か書けばメニュー起動出来るけど、自分は先述の通りあまり書式を使わないので、いちいち「/」を書く度にメニュー起動するのが鬱陶しいのだ。
※「/date」で日付挿入できたりするけど、UIボタンの方が早い

ノートの自動バックアップについては、Win/Mac/Linuxのネイティブアプリが対応。
モバイル版では対応されていない模様。
UpNote Automatic notes backup

PCアプリには、バックアップの細かな設定がある。
フォルダを指定すると、そこにバックアップが作られる。

参考リンク(reddit)

公式がredditでQAしているので、自分がチェックした中でいくつか。

開発者は2022年時点で2人(現在は不明)。

Q:How many people are working on it full-time, if you don’t mind? Would help the community understand the level of sustained commitment.
A:We are a team of 2 at the moment.

It’s so good. Will it last?

end-to-endの暗号化(ユーザ端末でしか復元できない)の実装予定はない。
ただしこの機能はEvernoteやGoogleKeepなど、他のメモアプリでも実装されていない。

If you use any apps that doesn’t support end-to-end encryption (for example UpNote, Evernote, Google Keep, SimpleNote, etc), your data might be technically accessible by the service administrator. However we are committed to protect user data and never access your data unless given explicit permission.
As our top priority now is to polish the app’s functionalities and performance, we don’t have a plan yet to implement the end-to-end encryption in the near future.

How private is UpNote?

end-to-endの暗号化は「Standard Notes」が対応しているというクチコミ。

If you want e2e encryption, check out https://standardnotes.com. It’s not feature-rich though, and it is expensive imo. But it is stable and fast. I used the free version for about a year or so.
FYI, I’m a happy user (most of the time) of UpNote.

How secure/private is UpNote?

会社の規模を懸念したり、e2eへの要望は多いようで、いくつかスレッドが立っていた。

まとめ

最終的に、以下の点が気に入ったのでUpNoteに移行した。

  • アプリが軽く、入力補助は多機能
  • フォルダをネストできる(入れ子の構造)
  • マルチデバイス同期・オフライン編集・バックアップなど基本機能は揃っている

添付ファイルの扱いとか、WEBクリッパーとかがもう少し使い勝手がよいといいが、主要機能である上記が良い感じなので、まぁ問題ないかな。

月額100円で1ヶ月だけ有料機能を試した後、買い切り版の3500円を買った。

アプリがどんどん発展してくれると嬉しいので、ユーザーが増え続けるといいな、と思います。

一方、Evernoteにあった数千のノートは、さきほど全て削除した。
アカウントだけは残しておいて、今後また定期的にチェックしてみようかなとは思います。

ほい。

そんな感じ。

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tonogata
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