「スマホ」と「スマフォ」。なぜ「スマホ」なのか分かんない、という話のメモ。

「スマホ」と「スマフォ」

最近「スマフォ」って書いてあるのをみて、

やべ、俺は「スマホ」って書いてた!

と思ってググってみた。

結果的には「スマホ」が多数派。
携帯キャリアも「スマホ」と書いてる。

ただ、なんで「スマホ」なのか?
気になったので、ちょっとメモ。

なお、参考記事として、一番わかりやすくまとまっているのは、こちら。
※pdf
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/kotobax3/pdf/090.pdf

外来語の表記と「内閣告示」

まず、

  • スマートフォン
  • スマートホン

どちらなのか。

こーゆー外来語の表記。
NHKや新聞は「内閣告示」を参考にしている模様。

1991年に「内閣告示」として告示された、外来語の表記方法。
当時の内閣総理大臣は「海部俊樹」。

f:id:tonogata:20140527130752p:plain

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gairai/index.html

今後,各行政機関において,『外来語の表記』を現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころとすべき旨を訓令しました。

しかしこれは、何か拘束力を持つモノとか、そーゆーモノではない。

この『外来語の表記』は,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。
「外来語の表記」のよりどころを示すもの

という考え方。

ここで言われている内容は至って簡潔なんだが、
英語を意識した書き方と、そーでない時は、ちょっと違うよね
、みたいな。
例えば、「ヴァ」とか「フュ」とか、フツー使わなくね?
「ヴァ」とか使う時って、英語の発音意識した時だけだよね。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gairai/honbun01.html

まぁ、そーゆー2種類に分けて考えてます、と。

  1. 一般的に用いる仮名
  2. 原音や原つづりになるべく近くする際の仮名

で、「スマホ」と「スマフォ」に関係するトコは以下。

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gairai/honbun04.html

〔例〕ファイル フィート フェンシング フォークダンス
バッファロー(地) フィリピン(地) フェアバンクス(地) カリフォルニア(地)
ファーブル (人) マンスフィールド(人) エッフェル(人) フォスター(人)


注1 「ハ」「ヒ」「ヘ」「ホ」と書く慣用のある場合は,それによる。

〔例〕 セロハン モルヒネ プラットホーム ホルマリン メガホン

つまり、「フォ」は「ホ」と書く慣用が「ある場合」と「ない場合」があるよ、と。
どっちが正しいとかじゃなくて、単に「みんながどう書いてるか」で、どっちでもいーよ、的な。

「phone」の「フォン」が、「ホン」として「用例集」に入った例は、以下。

  • マイクロホン
  • メガホン

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gairai/huroku05.html

この2つは、みんな「ホン」って書くよね、という(=用例)。

用例には入ってないけど、「インターホン」とかもそうだな。

逆に、「phone」のコトを「フォン」と書く例は、この用例集には入ってないが、いくつか。

「テレフォンショッピング」とか、タモリの「テレフォンショッキング」。
サービス名では、「BBフォン」とか、「niftyフォン」。
http://www.softbank.jp/ybb/option/bbphone/
http://ipphone.nifty.com/niftyphone/

んー。
telephoneの場合、「フォン」なのかね。

面白いのは「ヘッドホン」(イヤホン)あたり。
wikiの中でも「ホン」と「フォン」が混在してたり。
ヘッドフォン – Wikipedia

ここら辺は、昭和の商標とか追ってみると面白そうだと思ったが、面倒なので諦めた。

まぁいずれにしろ、今回の場合。
「みんながどう書いているかで正しい?のが決まる」って話でなく、「なんで、みんながそう書くようになったか」が知りたいわけだが。

「スマートフォン」と「スマートホン」

ここまでのまとめ。

「phone」は、「フォン」も「ホン」もアリ。

  • スマートフォン
  • スマートホン

しかし、実際に流通してる書き方としては、

  • スマートフォン

ということになる。
※googleトレンドなりwikiなり、キャリアHP参照

OK。
スマートフォン。

しかし、なぜ?

「表記の揺れ」は、個々人の知覚に関係するという話がある。

原音での発音が同じであっても、それを聞き取った日本人がどのように日本語の音韻に当てはめて知覚するかは個人差があり、表記にゆれが生じる原因となる。

外国語の日本語表記 – Wikipedia

また、発音のしやすさで「定着される方がきまる」という話も。
なぜスマートフォンは略すと「スマホ」ですか? – 日本語・現代文・国語 解決済み| 【OKWAVE】
単純にm-→f-の発音なら「ドレミファ」とかあるので、変わらない気がするけど。

まー、提供者側の意図が入る個別のサービス名/商品名をのぞけば、最近できた言葉だと「phone」のことは「フォン」て言うよね、と。

なので、

  • スマートフォン
  • スマートホン

が、「スマートフォン」に傾いて定着したのは、まー、そーだろーな、と。

根拠が薄くとも、割とすんなり入ってくる。
個人的には。

iPhoneも「アイフォン」だしね。
正確には「アイフォーン」だが。
iPhone – Wikipedia

「telephone」では「phone」=「フォン」がナウでヤングな印象なんだろう。

「smartphone」についての、「外来語の表記」は「スマートフォン」。
オーケー。

分かんないのは略した場合。

「スマホ」と「スマフォ」、もしくは「スマホン/スマフォン」

「スマートフォン」が、略されると「スマホ」になる。

「スマフォン」ではなく、「スマホ」。
googleトレンドなり見てると、定着しているのは、圧倒的に「スマホ」。

「スマートホン」が「スマホ」なら分かる。
「スマートフォン」だから、「スマフォン」or 「スマフォ」じゃないのか。

んー。

なぜ「スマホ」に落ち着いたか?

「スマフォ」から「スマホ」に転化した?
語尾の「フォ」は、略語化されると、「ホ」になりやすいんだろうか。
「ホ」の方が、発音しやすいから?

可能性はありそうだ。
しかし事例が思いつかない。

というか、そもそも「フォ」で終わる単語が思いつかない。
「フォン」や「フォー」で終わる単語は色々あるけど。

「ホ」止めが流通しやすいってのは、しっくりくるんだよね。
「ロイヤルホスト」→「ロイホ」みたいな。
しかしこれは「フォ/フォン」が「ホ」に転化する話とは微妙に違う。

んー。

「フォ」で終わる日本語がない/少ないから、発音しにくくて「ホ」に転化したのか?

それだったら、

「スマフォ」の「ホ」化

じゃなくて、

最初から「スマフォン」で良くね?

と思うが。

スマフォン(smartphone)、アイフォン(iphone)。
お。
いいじゃん。
※アイフォンは略されてないけど

「ホ」止めが「発音しやすい」という考え方だと、「スマフォン」を否定できない気がする。

んー。

さっぱり分かんね。

結局は、普及期の「類語」とか「関連語」の印象に引っ張られて、「スマホ」なのか?
※つまりそれは、「発音しやすさ」にも繋がる

個人的には。
携帯電話系の略語として流通していた「パケホ」・「テレホ」。
この「ホ」(ho)止めに引きずられて、「スマフォン」でなく、「スマホ」(ho)に落ち着いたのかなぁ、と。

そう思った。
根拠はない。

んー。

「スマフォン」の可能性に賭けた「au」

以下、ご参考まで。
2011年に登録された商標 by au。

登録番号 登録日 商標 権利者
平成23年(2011)8月5日 第5430126号 au簡単スマフォン KDDI株式会社
平成23年(2011)9月2日 第5435732号 簡単スマフォン KDDI株式会社
平成23年(2011)9月2日 第5435774号 3Dスマフォン KDDI株式会社
平成23年(2011)9月2日 第5435775号 安心スマフォン KDDI株式会社
平成23年(2011)9月2日 第5435776号 ジュニアスマフォン KDDI株式会社

なお、「スマフォン」という語で商標登録しているのは、auだけ。

「スマホ」は、各社の商標がくさるほどある。

「スマフォン」はauだけ。

ちなみに、実際にはサービス・リリースされなかった模様。

登録が2011/8で、出願はもうちょい前。
auがiPhoneを導入したのが4s(2011年)。

これ、iPhone(アイフォン)に引きずられて、「フォン」でいったのかな。

http://news.ameba.jp/20110704-125/

CM上で嵐の某メンバーがスマートフォンを「スマフォン」と表現。
略称はスマホ? スマフォン?
と一部のネット上では略称を巡って論議が勃発

嵐まで引っ張り出して、勝負をかけた。
スマフォンに。
たった一人で。

ちょっとだけ。
auのことが、好きなれそうな気がした。

その他。


iPhone商標の使用許諾元の「アイホン株式会社」の歴史が、意外と感慨深かった – やじり鳥

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