最近ゴアテックスのアウターを探してたんだが、色々とゴアテックスの種類があったり、「2.5層」とか「13デニール」とか用語が意味不明だったので、もろもろメモにて。
ゴアテックスの基本
ゴアテックスの要となるのは、「ゴアテックス・メンブレン」という生地。
ゴアテックス・メンブレンは「1平方センチメートルあたり14億個以上の孔(あな)」があり、「外部からの水は通さないが、水蒸気は外に逃がす」。
つまり、優れた「防水透湿性」を持っている。
「防水」+「透湿」である。
https://www.gore-tex.jp/technology/gore-tex-membrane
しかしこのゴアテックス・メンブレンは厚さが0.01mmしかない。
生地というより、ほとんど「膜」。
そこで、このメンブレンを2枚の生地ではさみラミネートする。
- 表生地=防水性の高いナイロンなど
- 裏生地=肌触りのよいニットなど
https://www.gore-tex.jp/outerwear/gore-tex-products
ゴアテックスは、この3つの生地セットが基本なのだ。
これを「3層」とか「3レイヤー/3L」と言う。
ゴアテックス製品を漁っていると、急に「3L」とか出てくるので「なんの事かな?」と思っていたら、そーゆーことなのね。
レイヤー「3層」「2層」「2.5層」とは
では、「3層」ではなく「2層」もあるのかというと、ある。
(製品としては、今はあんまない)
表生地とメンブレンのみを、ラミネートしたのが「2層」。
ただし、そのままだとメンブレンが剥き出しになって肌と接してしまうので、ラミネートしない「別生地」として結局3枚目の裏地も用意される。
3層・2層以外に、「2.5層」というのもある。
「裏地」を生地でなく吹き付けたモノで、「GORE-TEX PACLITE」(1998年)なんかは2.5層。
生地が1枚少ないので軽い。そして小さく折りたためる=パッカブル→パックライト(PACLITE)。
ただし流石に素材を吹き付けただけでは、肌触りがゴワゴワするらしい。
そこで現在最も新しく人気がある?のが、「GORE-TEX C-KNIT BACKER」(2015年)。
これは「3層」なんだが、肌に接する裏地に「非常に薄く、密でありながら軽い、丸編みニット」を使ったもの。
GORE C-KNIT バッカーテクノロジー
メッシュ状のニットで肌触りがよい上に、体から発する蒸気を外に逃しやすい。
その他、「低デニール、低密度で織られたグリッド上の裏地」を使った「GORE-TEX MICRO GRID BACKER」(3層)、トリコット生地を使った「GORE-TEX TRICOT BACKER」(3層)などもある。
とにかくまぁ、ラミネートする裏地の種類によって透湿性や肌触りの異なるゴアテックスが、複数種類あるんだな。
生地の厚さ「デニール」(D)
また、生地の厚さ(デニール)でも防水性などに違いがでる。
生地が厚いほど防水性が高いが、ゴワゴワするというか。
例えば「GORE-TEX C-KNIT BACKER」を使ったノースフェイスの製品。
↓は厚さ「13D」で軽量さが人気の「CLIMB VERY LIGHT JACKET」(250g)。
↓は厚さ「70D」で強度の高い、「ALL MOUNTAIN JACKET」(490g)。

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- 発売日: 2016/11/07
- メディア: ウェア&シューズ
両方とも「GORE-TEX C-KNIT BACKER」。
ちなみに、「CLIMB VERY LIGHT JACKET」と名前が似ている「CLIMB LIGHT JACKET」(270g)は、「GORE-TEX MICRO GRID BACKER」。
名前の「VERY」の有無で、20gしか変わらない。
「んん?」と思いきや、ゴアテックスの種類も異なるのであった。
それはともかく、ゴアテックスを選ぶ際には、生地の厚さも色々種類があるんだな、と。
同じ製品名でも時期によって素材が違う場合も
個人的に、昔からノースフェイス「CLIMB VERY LIGHT JACKET」を愛用していた。
現在の「CLIMB VERY LIGHT JACKET」は、「C-KNIT BACKER」を採用。
しかし自分が買った時には「C-KNIT BACKER」はなかったので、「GORE-TEX アクティブシェル」とタグに書いてある。
息の長いシリーズだと、素材もどんどん新しいのを取り込んでいくらしい。
「C-KNIT BACKER」人気の火付け役となったモンベル「ストームクルーザー」なんかも、昔のタイプはまた違うゴアテックスだったんだろうな。
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今回、自分がゴアテックスを色々調べてたのは、もともと「あれ、俺が持ってる『CLIMB VERY LIGHT JACKET』と、今売ってるヤツ、なんか違うな」と気付いたからで…。
それで「C-KNIT BACKER」を中心に、いろいろメモったり、比較とかしてて。
まぁ、それだけなんだけど。
ゴアテックスなどの「透湿性」比較
ゴアテックスは「防水」と「透湿」に優れているが、個人的には「透湿性」を重視するかな、と。
自分はライトな山登りや散歩でしか使わないので、雨の日はサクッと中止する。
そのため「急に降り出した雨」には対応したいところだが、大抵は「単なるアウター/防寒・防風の用途」として使うことになる。
そうすると、やはり汗を書いた水蒸気を外に逃がしてくれる機能の方が、重要になってくるのだ。
※そもそも、どのゴアテックスも「防水性」は申し分ないスペックでもあるし
各ゴアテックスの透湿性能=Breathabilityについては、wikiに一覧があった。
自分が狙っている「C-KNIT BACKER」は、もっとも透湿性が高い部類に入るらしい。
素材 | 透湿性(Ret) 低いほど良い |
透湿性(B-1法) 高いほど良い |
---|---|---|
GORE-TEX C-KNIT BACKER | 2.0–5.8 | 25000以上 |
GORE-TEX Pro-Shell 3-Layer | 4-6 | 25000以上 |
GORE-TEX PACLITE | 6-8 | 15,000以上 |
GORE-TEX Performance Shell | 7-10 | 10–15,000 |
Breathability – Wikipedia
New 3-layer GORE‑TEX® fabric with GORE® C‑KNIT Backer
Ret値・B-1法というのは、計測方法が異なる。
ココらへんが難しいところで、例えば他社素材とゴアテックスの耐水性・透湿性をスペック的に比べようと思っても、計測方法が異なったりするんだな。
JISでも定められているB-1法と明記されている場合も、あるんだけど。
それで結局自分は、同じ会社内での「同社製品比較」でみるしかないかなぁ、という結論に至ったんだけど。
ただ、横断的にスペックを書いているサイトがいくつかあり、それは参考にさせていただいた。
以下など参照。
今回、透湿性を重視してアウターを探す中で、気になる商品があった。
MILLET「ティフォン50000」。
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ゴアテックスではなく、独自素材の「TYPHON 50000」採用なんだが、スペックがすごい。
耐水圧=20,000mm、透湿性=50,000g/m2/24h(計測方法不明)。
コレだけみると、防水性能は必要十分、透湿性能は圧巻の一言。
ただ、アウトドアショップの店員さんと話したり、各種レビューをみているうちに、「やっぱゴアテックスの『C-KNIT BACKER』がいいかな」となった次第。
同様に、Rab「Flashpoint Jacket」(45,000g/m2/24h)なんかも迷ったが、やめておいた。
まとめ
個人的には、シャカシャカ感が低減されて着心地のよくなった「GORE-TEX C-KNIT BACKER」一択。
モンベルの「ストームクルーザー」、ノースフェイスの「CLIMB VERY LIGHT JACKET」あたりが代表格。
やわらかく、しなやかな着心地! GORE® C-KNIT™ Backer Technology 搭載 THE NORTH FACE クライムベリーライト and mont-bell ストームクルーザー/ Yamakei Online / 山と渓谷社
アークテリクス好きには「ベータ SL ハイブリッド ジャケット」とか。
その他、「C-KNIT BACKER」は色んなブランドから出ており、選択肢が増えてきた。
自分は半年以上迷った挙句、「C-KNIT BACKER」採用のある製品を買った。
いやー、いいすねぇ。。。
「C-KNIT BACKER」。
着心地が良いし、一度雨に振られたけど防水性もバッチリです。
透湿性も高く、汗で蒸れることがあんまなかったし。
今回は、何度もアウトドアショップで店員さんに話をきいたりして、かなり時間をかけた。
購入する場合、やはり着心地・手触りの確認や、各社でサイズ感も異なるので、リアル店舗での購入がオススメ。
あとコメント欄にもありますが、本格的なのが欲しい場合は「GORE-TEX Pro」が良いかと思います。
GORE-TEX® Pro
自分は「軽くて、カジュアル寄りの」が欲しかったので、Proはチェクしてないです。
そんな感じ。