なぜ飛行機の遅延は発生するのか、朝飯問題から軍事演習まで。

定時到着率ランキング

ニュース記事で飛行機の定時到着率ランキングをみた。

その記事というのが、コチラ。

Japan is a nation renowned for its punctuality.

Last year one of its train operator, Tsukuba Express, even issued a grovelling apology after one of its services left the platform 20 seconds early (中略)

So it should come as no surprise to learn that the world’s two most reliable large airlines are both based in the Far Eastern country.

よく知られているように、日本人は時間に正確だ。

去年、日本の鉄道会社「つくばエクスプレス」は、ある日の電車が『20秒も早く出発した』ことを謝罪をした。

(電車が『遅れた』ワケではない。定刻より『20秒早く』出発したことを謝罪した)

だから、世界で最も『時間に正確な航空会社』の1位と2位が、両方とも日本の会社であったとしても驚くにはあたらない。

Revealed: The world's most (and least) punctual airlines

この記事で言及されているのは、OAGが発表した航空会社の「定時到着率」ランキング

2017年の結果は1位がJAL(85.27%)、2位がANAだった(83.81%)。

ちなみに、続く3位はデルタ航空。

プレスリリース JAL、2017年の定時到着率でメガ・エアラインズ部門1位に

20秒早く出発したことで謝罪した「つくばエクスプレス」の話は、以下を参照。

駅を20秒早く発車したと鉄道会社がお詫びを出したところBBCのニュースに – GIGAZIN

20秒早く出発したことで謝罪するのは、海外から見ると「やりすぎ」感があるのかもしれないが、まぁ良くも悪くも時間に正確なのは日本人の特徴ということで・・・。

それにしても、飛行機の定時到着率で1位と2位がJAL/ANA。

さすがだなぁ、と。


朝メシで飛行機が遅れる?

それはともかく、2017年に世界で最も定時到着率の高かったJAL。

そのJALについては、以下に詳しい話があった。

なぜJALの飛行機は「遅れにくい」のか 定時到着率1位の裏側 ITmedia

定時到着率が世界1位のJALでも、飛行機が遅れることはある。

上の記事にその内容と対策が書かれていて、なかなか面白かった。

JAL便の中でも遅れが発生しやすい便があり、それが朝イチの羽田→那覇(901便)。

JALが客の導線を分析したところ・・・

保安検査を通過した乗客が、搭乗口から離れた売店に朝飯を買いに行っているために搭乗が遅れ、飛行機の出発遅れの原因になっていたのだそう。

朝6:25発の那覇行きなので、みんな朝飯を食わずに家を出て、空港で腹ごしらえをしようとするんだな。

そこで対策として搭乗口を売店の近くに変更したら、定時出発率が3%から30%に向上した。

きっちり分析と対策をするJALもスゴいが、飛行機の遅れる原因が「売店に朝飯を買いに行く乗客が多かったから」(売店が遠かったから)というのも面白い。

いかに時間に正確な日本人でも、朝メシ抜きには耐えられず・・・


軍事演習で飛行機が遅れる?

一方、定時到着ランキングのワースト部門は、どうだろうか。

下位3社は、いずれも中国の航空会社である。

ワースト1位は、中国国際航空。

(18位)中国南方航空(64.19%)

(19位)中国東方航空(61.80%)

(20位)中国国際航空(60.14%)

別記事によると、中国の航空会社の定時到着率は前回から更に50%悪化したらしい。

いわく、「2005年以来ずっと悪化」し続けている。

Chinese flight delays increased by 50% in 2017

中国の航空会社における出発遅延の原因は、なんなのか?

まず、「悪天候」が原因の遅延が51.28%。

「航空管制上の理由」による遅れが、7.72%。

32.38%については、「その他」となっている。

この「その他」には、「軍事的な理由が原因の遅れ」も含まれる。

「軍人的な理由」というのは軍事演習とか、そーゆーモノだろう。

別調査によると、2017年の上半期における遅延全体の25%を「軍事的な理由」が占める。

25%とはまた、なかなかの割合だ。

According to Caixin, military activity accounted for as much as a quarter of all flight delays in the first half of 2017

逆に言うと、その「軍事的な理由」(25%)を差し引けば、日本の航空会社と定時運航率があまり変わらないような気がするが・・・

(60%+25%=85%)

ほんとかな?

もうちょい、ナチュラルな遅延理由が多そう(笑

とはいえ。

やはり国によってそれぞれ、遅延理由もお国柄が反映されているんだなぁ、と思った次第。


遅延率が高い便か確認する方法

飛行機の「遅延」といえば、ちょっと前にGoogleFlightで「遅延の注意喚起機能」が強化された。

Get help with cheaper flights and potential flight delays this winter

GoogleFlightで航空券の検索をすると、過去実績で遅延の多い便には「30 分以上の遅れが頻繁に発生」というような注意喚起分が赤字で表示される。

この機能自体は、結構前からあった。

この機能が強化され、遅延予測に80%以上の信頼性がある場合に限り、「予測遅延時間」を表示するようにもなった。

例えば、「このフライトは42分遅れる可能性あり」というような、具体的な予測時間である。

ただ実際には、この「予測時間」が表示される確率は、結構少ないんだけど。

いずれにしろ、便利な機能ではある。

日本に発着する飛行機だと、さほど遅延率は高くない。

しかし海外で乗る飛行機については、1度チェックしてみるといいかもしれない。


そんな感じ。

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tonogata
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