ANA国際線でマイル/PP計算に使う「予約クラス」と、「運賃カテゴリ」(Value/Basic/Flex)の関係をチェック(「エコ割」廃止後)

2015/3に、ANAの国際線の「運賃名」が変わったんですよね。
「エコ割」「ビジ割」という名称がなくなって、「Value」だの「Basic」という「運賃名」になった。

変更可否・払戻可否などの基本ルールが同じ運賃は同じ名称のカテゴリーにまとめ、ご要望に応じたカテゴリーへの切り替えが容易にできるようになります。
主に日本サイトで使用していた「エコ割」等の名称は廃止し、リニューアル後は世界中で運賃カテゴリー名を統一します。
今、予約できる最安運賃が見つけやすくなります。

http://www.ana.co.jp/int/guide/be/

しかし、何がどう変わったのか。
メモにて。

ちぇけちぇけ。

「運賃カテゴリ」(Value/Basic/etc)と「キャビン」

公式サイトの説明は以下。
エコノミークラス 運賃種類のご紹介 | ご予約/旅の計画 | 国際線航空券予約・空席照会 | ANA

まず、「運賃カテゴリ名」ができた。

全部で6種類。

※安い順

  1. Super Value(スーパーバリュー)
  2. Value(バリュー)
  3. Special(スペシャル)
  4. Basic(ベーシック)
  5. Flex(フレックス)
  6. Full Flex/普通運賃

これは、あくまで「運賃」のカテゴリ。
「予約変更」「払い戻し」の可否などを表す。
そのサービスの充実度に合わせて、「Super Value」は最も安く、「Full Flex」は最も高い(普通運賃)。

「運賃カテゴリ」は、各座席(キャビン)に対して設定される。

  • エコノミークラス
  • プレミアムエコノミークラス
  • ビジネスクラス
  • ファーストクラス

例えば、「エコノミー」の中でも、「予約変更」も「払い戻し」も不可で、一番安いのが「Super Value」。
その両方が可能で、運賃が高いのが普通運賃の「Full Flex」。

運賃カテゴリ Super
Value
Value Special Basic Flex Full Flex
普通運賃
予約変更 × ×
払い戻し × ×
※Fは△
アップグレード Plusなら●
それ以外×
Plusなら●
それ以外×
Plusなら●
それ以外×
Plusなら●
それ以外×
Plusなら●
それ以外×
Plusなら●
それ以外×

「アップグレード」の可否は、「運賃カテゴリ」名に「Plus」がつく。
「Value」はアップグレード不可だが、「Value Plus」はアップグレードOK。
「Basic」や「Flex」も同様。

「運賃カテゴリ」が違えば、サービス(予約変更/払い戻し可否など)が違うので、ANAのチケット予約画面でも、どの「運賃カテゴリ」にするか、選ぶことができる。

f:id:tonogata:20151012145804p:plain
※この例では、「Value」と「Basic Plus」が選べる
※設定されている「運賃カテゴリ」しか選べない

しかし。

マイルやPPの加算率は、「キャビン」「運賃クラス」だけでは分からない。
そこら辺は、結局「予約クラス」を知る必要がある。

「予約クラス」(ブッキングクラス)とは何か

「予約クラス」(ブッキングクラス)は、「マイル計算」(PP計算)の元になる。

一覧は以下。

積算条件 | ANA国際線 | マイルを貯める | ANAマイレージクラブ

エコノミーには、合計14の(積算対象の)予約クラスがある。
Y、E、B、M、U、H、Q、V、W、S、T、L、K、G。

「積算率」は、それぞれに設定されている。
Yは100%、Vは50%、etc。

ちなみに「積算率」とは、「区間基本マイル」(TPM)という、「空港から空港までの航路距離(マイル)」に対しての比率。
各都市への実際の「区間基本マイル」は以下にリストがある。
マイレージチャート | ANA国際線 | マイルを貯める | ANAマイレージクラブ
※表中の「100%」が、「区間基本マイル」(TPM)

TPMについては、以下なども参照。
マイル計算時の「TPM」=「区間基本マイル」(区間基本マイレージ)とは何か – やじり鳥

「予約クラス」が違えば、この「積算率」も違う。

「積算率」が高いほど、チケット代も高い(ことが多い)。
Y(100%)は最も高く、V(50%)とかは安い。

※だいたい上の方がチケット代が高い

キャビン 予約クラス 積算率
ファーストクラス F 150%
ファーストクラス A 150%
ビジネスクラス J 150%
ビジネスクラス C、D、Z 125%
ビジネスクラス P 70%
エコノミークラス Y 100%
エコノミークラス E 100%
エコノミークラス B、M 100%
エコノミークラス Q→H→U 70%
エコノミークラス V→W→S、T 50%
エコノミークラス L、K、G 30%

※O、I、R、X、Nは積算対象外(0%)
※「プレミアムエコノミー」は「予約クラス」上では「エコノミー」の中の上位クラス

おーけー。

それでは、この「予約クラス」と、さっきの「運賃カテゴリ」の関係は?

「予約クラス」と「運賃カテゴリ」の関係

「予約クラス」と「運賃カテゴリ」の関係を確認してみる。
(注)あくまでサンプル。路線や時期によって異なる。

キャビン Super
Value
Value Special Basic Flex Full Flex
普通運賃
エコノミー T/L/K/G=30% S→W→V=50%
Q→H=70%
P=70%
30% ※50-100%
U=70%
M=100%
※50 – 100%
B=100%
Y=100%
プレミアムエコノミー 100% E=100% 100% E=100% 100% Y=100%
ビジネス 70 – 125% ※70 – 125%
D=125%
Z=125%
70 – 125% ※70 – 125%
Z=125%
J=150% J=150%
ファースト 150% 150% 150% A=150% 150% F=150%

※HND/SINをメインに、それ以外もサンプリングしてる
※(ホントはエリアとか違うと別なので、混ぜてはいけない)
※「→」は同一カテゴリ内での価格順を示す
※定義だけで、実際には設定されなさそうなのもある(ファーストのSuper Valueとか)

例えば、「エコノミー」の「Value」に、積算率50%の「予約クラス」が3つある。
S→W→V=50%
※右に行くほどチケット代が高い

S,W,Vは、空席連動で自動的に設定される。
早く予約すれば、価格の安い「S」を確保できる。
空席が少なくなるとチケット代が上がって「V」を買うことになる。

「V」を超えると、積算率70%のQ/Hに移行。
マイルも溜まりやすくなるが、チケット代が一段高くなる。

これらエコノミーの予約クラス「H/Q/V/W/S」は、それぞれ値段は違うが「運賃規則」(サービス)は同じ
日本発シンガポール着(エコノミー)運賃規則|ANA国際線

まぁ、早く買うと安いチケットが入手できる、ということで。

「予約クラス」と「チケット価格」の関係を、表でみてみる。

羽田→シンガポールの例で言うと、運賃は以下。
運賃表[国際線] | ご予約/旅の計画 | 国際線航空券予約・空席照会 | ANA
燃油代は以下。
運賃表[国際線] | ご予約/旅の計画 | 国際線航空券予約・空席照会 | ANA

キャビン 予約
クラス
運賃カテ
ゴリの例
マイル
積算率
搭乗
PP
参考料金
シンガ
ポール
(4月平日)
購入
期限
例:SIN
ファースト F Full Flex
(普通運賃)
150% 400 820,000 当日
ファースト A Basic 150% 400
ビジネス J Full Flex
Plus
(普通運賃)
150% 400 511,000 当日
ビジネス J Flex Plus 150% 400 337,000 3日前
ビジネス Z Basic Plus 125% 400
ビジネス Z Value Plus 125% 400 206,000 当日
ビジネス D Value Plus 125% 400 257,000 14日前
ビジネス C 125% 400
ビジネス P Value 70% 400
プレミアム
エコノミー
Y Full Flex Plus 100% 400
プレミアム
エコノミー
E Basic Plus 100% 400 212,000 当日
プレミアム
エコノミー
E Value Plus 100% 400 159,000
エコノミー Y Full Flex
Plus
(普通運賃)
100% 400 344,000 当日
エコノミー B Flex Plus 100% 400 194,000 当日
エコノミー M Basic Plus 100% 400 174,000 当日
エコノミー U Basic Plus 70% 0 136,000 5日前
エコノミー H Value 70% 0 119,000 5日前
エコノミー Q Value 70% 0 79,000 5日前
エコノミー V Value 50% 0 59,000 5日前
エコノミー W Value 50% 0 44,000 5日前
エコノミー S Value 50% 0 36,000 5日前
エコノミー T Super Value 50% 0 ツアー?
エコノミー L Super Value 30% 0 ツアー?
エコノミー K Super Value 30% 0 ツアー?
エコノミー G 知らない 30% 0

※この組み合わせ以外にもあるので注意。あくまで例。

羽田-シンガポールの場合、、、
最も安いエコノミー(ツアー以外)は、予約クラス「S」(Value)の3.6万円。
アップグレード可能な「Plus」が付く、もっとも安いのは予約「U」(Basic Plus)の13.6万円。

うーん。

やっぱアップブレード可能な「Plus」は、そこそこ高いね。。。

「Super Value Plus」を探して

仕組みは何となく分かった。
しかし当方、別にお勉強をしたいワケではない。
「安いチケット」を知りたいのだ。

「キャビン」は?
「エコノミー」でお願いします。
値段的に。

そして、エコノミーの中でも、「運賃カテゴリ」的に一番安いのは「Super Value」でっしゃろ?
余裕。
勉強した甲斐があったぜ。

しかし、安いだけでは困る。
困りますよ。

マイルを使って、ビジネスクラスにアップグレードとか。。。
したいのよね。

お任せください。
その場合は、運賃カテゴリに「Plus」がつけばUG可能となります。

ご名答。
俺氏、それ、正解。

「エコノミー」の「Super Value Plus」。
これぞ求めていた聖杯。

おーけー。
探してみる。

んー。

アカン。
全然ない。

まぁ旧名スーパーエコ割でUG可能なチケットみたいなものだから、滅多にないか。。。

1件だけ見つけた。
「北米・中米・南米行き期間限定運賃」の「Super Value Plus E-RNA17/E-RNK18」。
https://www.ana.co.jp/int_farerule/jpn/tc1/sale_ja.html#S10

あー、これ。
便名みると、成田-ヒューストンか。

そういや、ANAが2015年からヒューストン路線を始めたときに、「エコ割ヒューストン就航記念スペシャル」というのをやってたな。
http://www.traicy.com/archives/8770692.html
たぶんアレだな。
「ヒューストン」に興味なかったからスルーしてたけど、確かUG可能というニュースがあったと思う。

いずれにせよ、もう買えないっぽいけど。

んー。

また今度、探してみよう。
割とデカいイベントなら、出てくるかもしれないな。

Super Value Plus カテゴリーの記事一覧 – やじり鳥

実際のPP計算

予約クラスが分かれば、PPを計算できる。
というか、ANA公式でシミュレーション可能。

ANA SKY WEB : ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション
※国際線のタブにいく

行き先別の日本発着の区間基本マイルが知りたい場合も、ANA公式。
マイレージチャート | ANA国際線 | マイルを貯める | ANAマイレージクラブ

海外発着の場合が知りたい場合は、以下など。
Mileage Calculator – WebFlyer :: The Frequent Flyer Authority

空港コードはIATAのコードをwikiから拾うとか、検索すれば分かる。
IATA空港コードの一覧/A – Wikipedia

まとめ

ANAは以前、「運賃タイプ」といって「エコ割のタイプF=予約クラスS」みたいな、ちょっと面倒な仕組みだった。

ANA「エコ割」の「予約クラス」と「運賃タイプ」の関係や、「マイル積算率」をチェック。

それが、今後は予約クラスが割と前面に出てきて、考えるのが楽になったなぁ、と。

ANAはスターアライアンス共通のアマデウス互換(移行?)になったという変更があった。
それといっしょに、ANA日本だけでやってた「エコ割」とかをやめて、海外で使ってた「Value」とかにした、と。

https://www.ana.co.jp/pr/05-0709/pdf/05-star0909.pdf
https://www.ana.co.jp/pr/11-0406/pdf/11-ana-amadeus0530.pdf

アマデウスになったことで、ANAを使いこなしてた人からは色々不評がでてる模様で。
使いにくくなったと。
個人的にはさほど使ってなかったので、不便はあんま感じてないんだけど。

とりあえず、いきなりエコ割がなくなって「Value」だの何だのと言われて、「これは何だ?」と思ってた。
チェケらってみて、やんわり分かったけど。

そんな感じで。

ANA カテゴリーの記事一覧 – やじり鳥

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