ワーケーションの計画と実践

ちょっと期間限定で機会があり、何度かワーケーションをしてみたので、その振り返りにて。

計画編(場所・期間・ホテル・準備)

まずは、ワーケーションを計画するにあたってのポイント。

場所(近場・遠距離)

「場所」については、2つの選択肢がある。

急なオフライン・ミーティングにも対応できる、隣県レベル。
隣県となると気分的にはステイケーション(近場で過ごす旅行)と変わらないが、日中はホテルの部屋に籠もって仕事をするので立派なワーケーションだ。

もしくはそれらの状況に対応できないレベルの遠距離。
遠距離となると周辺(社内・社外)におけるリモートワークの浸透度と、それ相応の事前スケジュール調整が必要になる。

今回は飛行機での移動が必要な四国から、都内から近場の神奈川まで、色々試してみた。

期間(最適な日数)

「期間」については、コストの問題もあることから「必要最低限」の短期を考えたい。

短期決戦の場合は、「移動時間」も考慮して6泊7日が最適
つまり日曜の夜に現地入りしてホテルにチェックインし、月曜の朝から仕事。
そして土曜の朝にチェックアウト。

場所によっては月曜の早朝を移動に割くこともできるだろう。
ただホテルでの事前WiFi接続確認や、近場での飯場調査をしておかないと、月曜が慌ただしくなる可能性があるので注意が必要。
例えばお昼休みが1時間の場合、1時間で食って戻ってこれるような店を自分の目で見て確認しておく。
事前にネットで営業時間を調べても、現地で実際にお店にいくと「当面休業」の貼り紙とか普通にあるご時世なのだ。

ちなみに当方の場合「せっかく移動するのだから」ということで、土曜の朝にチェックアウトした後、気分を切り換えるべく別のホテルに移動、土日は普通に観光をしてから東京に戻るような日程を組んでいた。
この場合、全体では7泊8日

まぁ、余分な追加1泊ですよね。
その分だけお金もかかるわけで…。

ただ実際の経験で言うと、6泊も予約しちゃったら、7泊も変わんないよね。
感覚がマヒしちゃって。

ホテル(環境・設備・費用)

ステルス・ワーケーションの計画と実践

「ホテル」については、自分の好みに合わせて下調べが必要。
自分が事前にチェックしていたポイントは、以下。

  • 3食の調達をどうするか(ホテル朝食や、周辺の飲食街の充実度)
  • 安いランドリーが付帯するか(部屋に洗濯乾燥機があるホテルも)
  • 平日でも確実に使える、温泉・サウナのようなホテル設備の有無
  • 朝・夜に行けるかもしれない、観光名所・自然環境(海・山)への近さ
  • 7泊8日の「費用」はどうする?

お楽しみの現地メシをどうするかは、重要。
平日の昼間はずっと仕事なので、メシにかける期待は大きい。

一方で、もっと重要なのがホテル代、つまり「費用」の問題

自分の場合は、ホテルチェーンの無料宿泊券を使ったり、過去のふるさと納税で貯めたJTB旅行券を多用したり、「ホテルのステータス修行をする」という別の目的を乗っけることで解決した。
「解決した」というか、問題から目をそらすことにした。

まぁ、今回は「東京以外で仕事するのって、どんな感じだろう」をやってみたかったので、「多少の出費はしょうがない」ということで。

ポイントとしては、あんまり安いホテルだと壁が薄くて部屋外からの雑音が気になったり、ネット回線が貧弱で仕事にならないリスクがあるので、その点に注意したいところ。
とはいえ、全国チェーンのような大手ビジホであれば、そこら辺は安くてもクリアできるかな、と。

準備(アイテム)

滞在先に持っていくアイテムとしては、トラベル・ルーターを用意した。
BUFFALO「WMR-433W2」

今ではどのホテルにはWiFiがあるが、有線LAN経由のWiFiであれば安定性が高いことが多いので、WiFiも有線LANも両方使えるようにしておきたかったのだ。
リモートワークでネット回線の接続状況が悪くなると、なかなかのトラブルに発展しそうなので、万全を期したいと思って。

実践編(理想と実際)

次に、自分が実際にやってみたプランと、その結果について。

計4回のワーケーション実績

合計4回、6泊7日のワーケーションをしてみた。

宿泊地ホテル名テーマ費用感
1泊あたり
神奈川ドーミイン
川崎
近場だけど
露天風呂あり
1万円前後
仙台ホリデイ・イン
仙台
安めビジホで
ワーケーション
6000円~
大阪リッツカールトン
大阪
高級ホテルで
ワーケーション
5万円~
愛媛クラウンプラザ
松山
城下町と温泉街1万円前後

ホテルは「安価・普通・高級」をそれぞれ試した。
高級ホテルを試すために無理に泊まったリッツカールトン大阪は1泊5万円以上。
普通には泊まれないので、6泊中の5泊分は無料宿泊券を使った。

一番楽しみにしていたのは神奈川の「ドーミーイン川崎」で、これは屋上に露天風呂があるビジホ
そのほか愛媛なんかも温泉街に近く、「朝か夜に温泉いけたらな」という期待を込めた打線であった。

それぞれで宿泊した部屋の様子は、以下の通り。

ドーミーイン川崎
(スーペリアクイーンルーム/19㎡)

ドーミーイン川崎(スーペリアクイーンルーム/19㎡)

ホリデイ・イン仙台
(ダブルルーム/24㎡)

ダブルルーム(ANAホリデイ・イン仙台)

リッツカールトン大阪↓
(Superiorルーム/43㎡)

リッツカールトン大阪 Superiorルーム

クラウンプラザ松山
(ツインルーム/24㎡)

クラウンプラザ松山 スタンダードツイン・ルーム

また各滞在先では、最後の土日はホテルを変えて、1泊2日の旅行を敢行した。
それぞれで選択したホテルとテーマは以下。

宿泊地最後の土日旅行テーマ
神奈川近場なので自宅直帰
仙台ドーミーインEXPRESS仙台シーサイドドーミーイン最大の大浴場
大阪カンデオホテルズ大阪なんば都市型の屋上露天風呂
愛媛道後温泉「道後御湯」露天風呂付き客室

基本的に、「最後くらいは温泉・大浴場でゆっくり」という感じですね。

毎日が温泉・露天風呂なら、極楽か?

今回、近場のホテルとしては温泉付きの「ドーミーイン川崎」を選択した。
「毎日、温泉・露天風呂」ってのが、やりたかったんですね。
遂に完全体に進化したドーミー降臨、「ドーミーイン川崎」の広い天然温泉・工場夜景の露天風呂・充実朝食
※↑は別日に訪問した際の宿泊記

ドーミーイン川崎の露天風呂

やってみたら、これ、最高でしたね。
4泊目くらいまでは。

2つ誤算があった。

まず1点目。

毎日、朝・夜の2回も露天風呂で長風呂してたら、疲労が溜まってきたこと。
やっぱり風呂ってのはエネルギー使うし、疲れるんですよね。
テンション上がって、ついつい長風呂しちゃうのが良くない。
風呂上がりはサッパリして気持ち良いんだけど、どうも体の疲れがとれないようになってきて。。。

次に2点目。

最後の2泊くらいは温泉の入りすぎで肌に「湯かぶれ」が発生し、軽く炎症をおこして痒くなった。
温泉も「入りすぎは良くない」ってことなんでしょうかね。個々人の肌質にもよると思うけど。
いずれにせよ最後の方は、温泉も心からは楽しめず。
長期で温泉を狙う場合は、自分の肌に合った泉質を選ばないと良くないなーと思った次第。

ちなみに愛媛で使った「クラウンプラザ松山」は、道後温泉まで路面電車で12分の距離。

伊予鉄の路面電車

朝・夜に時間があれば道後温泉まで行こうと思っていたが、運悪く仕事的にも忙しい時期と重なり、早朝や夜に外出してまで温泉に向かう気力はおこらず。
やっぱりドーミーイン川崎のように、ホテル内に温泉があるレベルじゃないと、普段使いは難しいなと感じた。

一方で、ホテル内に温泉があるからといって「毎日極楽か?」というと、後半はそうでもなかったというのが、今回の感想。
でもまぁ、やっぱり温泉付きのホテルは、また試したいなと思うんだけど。

まとめ:毎朝・毎晩の温泉は意外と疲れる。「湯かぶれ」も注意

毎日が温泉・露天風呂なら、極楽か?

高級ホテルは、仕事に最適?

高級ホテルの部屋で仕事をするというのは、一種の憧れではあった。

今回は、それを実現するために「リッツカールトン大阪」を選択。
1泊5万円以上するが、無料宿泊を駆使して6泊7日で利用した次第。
「リッツカールトン大阪」に6泊してみた、黒豆納豆オジサンの朝食紀行

まず高級ホテルの良いところは、部屋が広い点。
自分が泊まった部屋は、一番ランクの低い部屋ではあったが、それでも43㎡。
普通のホテルならスイートルーム級の広さである。
デスク・椅子・ソファもしっかりとした素材で、仕事が捗る。

リッツカールトン大阪 Superiorルーム

毎日の清掃にくるスタッフの接客も、かなりレベルが高い。
だいたいAM10時くらいに部屋の清掃のお伺いにスタッフがやってきた。
部屋の扉を開けて迎え入れると、まず目に飛び込んでくるのは・・・

クラシックなメイド服風ユニフォームを着た、若い女性スタッフ。
素敵な笑顔で「今日のお掃除は、いかがなさいますか?」。
初めてみた時には、「うぉ!本物のメイドだ!!」と感動した。
いや、メイドではないんだけど。

そして、その若い女性スタッフの右斜め後ろには必ず・・・
同じ制服をきた年配ベテラン女性スタッフが、笑顔で佇んでいた。
すげー仕事できそうな佇まいで、思わず「うぉ!メイド長までいる!!」と。
立ち位置はいつも同じで、若手スタッフの右斜め後ろ。
美しいフォーメーションだ。

他のスタッフもそうだが、ホテル全体で接客がお上品&高クオリティなんですよね。

ただし。

ワーケーションという意味でいうと、このホテルは部屋外の雑音が結構気になった。
古いホテルにありがちな気がするが、入口のドアの下の隙間がちょっぴり広いのかもしれない。
今回滞在した4つのホテルの中では、一番「雑音が気になる」ホテルだったかも。

他の客が廊下を電話で話ながら歩く際には、その声がこっちまで明瞭に筒抜け。
スタッフが掃除道具や補充品を台車で運ぶ、ゴロゴロと大きい音も・・・。
まぁイヤホンしてれば気にならないが、WEB会議でマイクをONにしてるタイミングがあることも考えると、やっぱりちょっと気になる。

同じように、クラウンプラザ松山も廊下側からの音が気になった。
ホリデイ・イン仙台では角部屋だったので同様の問題はなかったが、やはりホテルは入口扉が薄いので、廊下を通る人の話し声なんかが筒抜け。。。
こうなってくると、自分がWEB会議や電話で話す時の声も、廊下に筒抜けなのでは?と不安になる。

そういう意味では、実は今回泊まった4つの滞在先ではドーミーイン川崎の防音環境が一番良かった。
部屋の内側に、更にスライド式の内扉を装備(ドーミーインではたまに見る仕様)。

ドーミーイン川崎のスライド式内扉

内扉を閉めると、完全に廊下の音は聞こえなくなる。

その一方で、ドーミーインはデスク・椅子の環境がショボい。
ただまぁ実際のところ、このデスク・椅子でも思ったほど不便はなかった。
それより「音」の方が問題。

リッツカールトン大阪・クラウンプラザ松山も、もっとグレードの高い部屋なら、また話は違うかもしれない。
ただ一番安い部屋&「角部屋ではない」条件だと、ちょっと「音」が気になるなぁ、と思った次第。

まとめ:ホテル格式より部屋の構造。角部屋が都合良し、内扉があれば最強

高級ホテルは、仕事に最適?

現地メシとコストの問題

平日なので、高いモノは食えない。
一方で、せっかくなので現地メシを食いたい。

まず「ホテルの宿泊プランに朝食をつけるか」が大きな分岐点。
今回は6泊7日と長いので、ホテル朝食だと飽きるかもと思い「朝食なしプラン」で宿泊代を安くおさえつつ、現地メシを試したいと考えていた。

またランチについては、ホテルから飲食街への距離感が全て。
例えば1時間の昼休みで、お店まで行って、食って帰ってこれるか。

誤算だったのは「リッツカールトン大阪」で、ちょっと市街地から距離があることや、朝はジムに行ったりと忙しかったこともあり、結局朝食はホテル内でとることにした。
「リッツカールトン大阪」の朝食は3150円(定価4500円を割引)と、なかなかのお値段。
結構な出費になったが、朝食会場の雰囲気・サービスは素晴らしい。ただし品目は少なめ。
「リッツカールトン大阪」に6泊してみた、黒豆納豆オジサンの朝食紀行

スプレンディード 内観

昼は「抑え目に・・・」ということで、ホテル内のパン屋でパンを買ってきて食うことにした。

現地メシを存分に堪能できたのは愛媛「クラウンプラザ松山」。
商店街に近いこともあり、昼・夜に色んな現地メシを試せた。
愛媛の美味いメシ。宇和島鯛めし・松山鯛めし・さつまめし・とんくりまぶし・もぶり飯・醤油めし

また、こちらはホテル朝食もレベルが高かった。
ただお値段2450円と高かったので、普段は近場のマック・すき家で朝食をまかなった。

クラウンプラザ松山 朝食会場からの眺望

安価なビジホ「ホリデイ・イン仙台」は、朝食・ランチとも価格が抑え目で良かった。
宿泊代が安いホテルは、朝食とかレストランも背伸びせず使えて便利。

仙台での昼・夜については、当初は「よーし、毎日牛タン食ったるぞ」と意気込んでいた。
仙台の牛タンは、利久の「牛タン極定食」が好きです

利久 牛タン極焼

しかし3000円級の牛タン定食を3回食べた後で、「こんなことしてたら、破産してまう!!」と考えを改め、安い蕎麦カフェ・モーニングをメインに切り換えたのであった。

コスト的に食環境が充実していたのは神奈川「ドーミーイン川崎」。
東京から近いだけに「現地メシ」という側面は薄まるものの、ゼロではない
商店街にも近いし、ホテル朝食は1500円で品数も超充実。

ドーミーイン川崎の朝食

やっぱ安めのホテルだと、朝食も安く済んでいいですね。

まとめ:飲食街への近さ重要。安価なホテルならレストラン利用も安い

ホテル朝食と現地メシのバランス

リモートワークにおける環境音の誤算

現地に行ってみて発覚した誤算も、いくつかあった。

まずは、部屋のお掃除訪問の問題。
最近は連泊だと部屋の清掃がないパターンもあるし、高いホテルだと連泊でも清掃にくるが、結局日中は仕事中なので掃除は断っていた。
ただ水の補充・タオル交換・ゴミ捨てなどのために、スタッフが毎朝部屋にきてくれるというのは、あるわけで。

この場合、部屋のチャイムを鳴らしつつ
「○○様、部屋のお掃除に伺いましたぁ!!」
という声がけが発生する。

自宅でのリモートワークでもWEB会議中に宅配が来ることもあるが、こっちの場合はホテルの薄いドア1枚なので、よりダイレクトな音量と呼びかけ内容が、急に飛び込んでくる感じ。
マイクONにしてたら、ストレートに音拾っちゃいそうだな、という。

振り返って思うに、これらは「ヘッドセット(マイク)」があれば助けになったかもな、と。
パソコンのマイクを使わず、口元にマイクを装備して出力を控えめにし、なるべく周囲の音を拾わないようにする、と。

別売りのマイク
https://www.irasutoya.com/2015/03/blog-post_156.html

マイクもノイズキャンセリングを機能をもったアイテムがあるようなので、そういうのを使うとか、ね。

まとめ:ノイズキャンセリング付きのヘッドセット(マイク)が便利かも

リモートワークにおける環境音の誤算

まとめ

ワーケーション実践で得た「気付き」について、再掲メモにて。

  • 毎朝・毎晩の温泉は意外と疲れる。「湯かぶれ」も注意
  • ホテル格式より部屋の構造。角部屋が都合良し、内扉があれば最強
  • 飲食街への近さ重要。安価なホテルならレストラン利用も安い
  • ノイズキャンセリング付きのヘッドセット(マイク)が便利かも

最近では、ワーケーション向けの宿泊プランも色々とでているが、今回は諸般の事情からそうしたプランを使わずに予約した。
ワーケーション・プランなら、もっと安く済んでいたかもしれない。

今後当面はワーケーションの予定はないが、一瞬とは言えその土地のカルチャーに触れて過ごすのは、なかなか興味深い体験だった。

ほい。

そんな感じ。

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