- 作者: 熊田忠雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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世界の国々に、日本人として初めて渡航した人々の記録について、国別にまとめている。
大抵のエピソードは、その古さのために記録も少なく、意外とあっさり。
しかし江戸・明治時代に、アフリカとかヨーロッパの国に初めて渡ったのが、船が難破して漂着した漁民であったり、出稼ぎで春を売る女性であったりすると、その波乱万丈っぷりに尊敬の念を禁じえない。ぜってー俺には無理、みたいな。
言葉も分かんないし、白人・黒人なんて見たことない・聞いたことないっつーレベルだろうしね。外人側もチョンマゲとか見て「なんだコイツら?」って感じだろーし。カルチャーショックとかそういう次元じゃない断絶があるよな、対峙した瞬間。
例えば、↓はイギリスの地を初めて踏んだと言われる日本人の話なんだけど、壮絶すぎて泣ける。
- 時は江戸時代、1830年代
- 年貢米を積んだ船が志摩(三重県)から江戸に出発
- 暴風雨で難破、航行不能に
- 年貢米を食いつぶしつつ、ひたすら漂流
- 病気などで、14人中11人死亡
- 太平洋を横断し、カナダに漂着(生存者3名)
- インディアンに捕らわれ、奴隷になる
- 半年後、交易で通りかかったイギリス人に救われる(買われる)
- そのままイギリスに連れて行かれる
- 日本人として、初のイギリス上陸
- イギリス政府に「利用価値ないからすぐ日本に帰れ」と言われ出国
- とりあえずマカオ着
- 日本に行くというアメリカ商船モリソン号に乗っけてもらい、日本へ
- 当時、異国船打払令が出ていたため、モリソン号が薩摩藩から砲撃受ける(日本史でいうモリソン号事件)
- マカオに引き返す
- 以後、日本に帰ること叶わず