正月に読んで面白かった本(2025年)
正月に本を読んだ
正月に読んだ本の中で、面白かった本だけを、メモにて。
一部、夏休みに読んだ本も含む。
面白くなかったというか、最後まで読むのを諦めた本もあったが、それらは省略にて。
タイトルだけ見て買うと失敗するんだな~。
でもタイトル買いとかジャケ買いしないと、大穴馬券も出ない。
難しいところ。
中華冒険小説「両京十五日」
早川書房から中華小説が出ていたので読んでみたが、抜群に面白かった。
明の時代を駆け抜ける、中華冒険小説。
両京十五日1 凶兆 (ハヤカワ・ミステリ)

訳者解説によると、作者は以前「司馬遼太郎を起点として、ジョージRRマーティン(ゲーム・オブ・スローンズの原作者)の方に伸ばしていく」と語ったらしい。
この「両京十五日」の構造的には、どちらかというとトールキン(ロードオブザリング)のような円環構造だった。
都を離れて羽を伸ばす皇太子、生真面目過ぎて左遷された役人、飲んだくれ刑事、復讐を誓う女医、生きる術を探す宗教家。
キャラが立った様々な立場の登場人物が、絡み合う糸のように助け合い、あるいは殺し合って・・・
最後は一本の運命の太い糸となって都に雪崩れ込む、ロードムービーなミステリ展開。
徐々に明らかになる各人物の背景と、最後まで先が読めない展開。
キャラクター特徴がそれぞれクッキリしてて、マンガ的な分かりやすさもあった。
めちゃ面白かったので、オススメ。
アメリカ「それでもなぜ、トランプは支持されるのか」
今のアメリカを知る本。
それでもなぜ、トランプは支持されるのか: アメリカ地殻変動の思想史

アメリカでは第二次大戦以来、富の格差が広がり続けている。
産業構造の変化に伴い見捨てられた白人ブルーカラー層が、アメリカで支配的な新保守主義たるネオコンや、エリートが推進するグローバリズムを憎み・・・やがて哀しきポピュリズム。
その根底には、1900年代半ばのバーナムから始まる「超資本主義は、奴隷制度より酷い」という考え方がある。
「アメリカではそういう発想があるのか」というのが、この本を読んで一番の発見だった。
超資本主義は、中間層を容赦なくまとめてテクノクラート支配層の奴隷に落とし込み、切り捨てていく。
生産の海外移転が安ければ海外に移転し、残されたブルーカラー層はゾンビとなって街を彷徨うしかない。
知識人までトランプに寄るのはなぜなのか?というのが謎だったが、そのヒントがここにありそうと思った。
「行きすぎた資本主義は、奴隷制より酷い」と考えている人達がいる。
この本では、アメリカの政党や思想のうねりが具体例と共に語られる。
具体的な政党の話となると細かくて、ついていくのは大変だが、面白かった。
アメリカ「ヒルビリーエレジー」(J・D・ヴァンス)
トランプにより副大統領候補に指名された著者ヴァンスの自伝。
ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

白人の貧困階級の社会で育つということは、どういうことか。
そして彼らは何を考えているか。
その凄惨な家庭環境、社会環境が語られる。
誰も知らなかった、白人貧困階級のリアル。
トランプの支持基盤でもある白人貧困層の実態が垣間見える。
良い本だった。
ベトナム「日本人の知らないベトナムの真実」
ベトナムの歴史から経済まで。
ベトナム旅行の前に軽い気持ちで読んでみたが、読みやすい文章の良本だった。
日本人の知らないベトナムの真実

ベトナムの、中国や韓国との関係性や歴史観、他の東南アジア国との違いが分かりやすい。
そこが良かった点。
ベトナム人は祖先が中国だと思っているが、現在の中国とは仲が悪く、とはいえ政治は常に中国の後追いとなっている。
共産化とか、2人っ子政策とか。。。
経済的には、中小企業から全く税金を取れておらず、それで国にお金がないので投資もできない。
そういう事情をみるに、今後の経済成長ってどうなのかなと考えさせられた。
ちなみにカンボジアとは国境争いがあり、フーコック島もカンボジアが領有権を主張しているらしい。
確かにフーコック島って、そういう位置にあるよな~。
経済「金利を見れば投資はうまくいく」
金利によって景気変動のサイン(兆候)を掴む。

米国長期金利、政策金利(短期金利)のサイクルと、株価の関係。
分かりやすくて実用的。ためになった。
金融政策サイクルは・・・
米国長期金利(=米国債券)の下落が不景気のサイン。
短期金利(=政策金利)は時間差で下落するので、長期と短期がクロスしたら、不景気スタート。
株価ピークは、クロスの半年か1年後になり、それから落ちる。
2-3年サイクル。
信用リスクサイクルは・・・
社債スプレット、つまり国債と社債の乖離率が高まると、レバレッジ局面。
次はリスクオフ局面、株価下落しつつ社債スプレットは拡大続行。
底の財政緊縮局面で、スプレットは縮小に向かう。
手元のメモを書き出してみたが、もはや意味は忘れた。
2冊も読んだのに(笑)
コーマック・マッカーシーの青春三部作
コーマック・マッカーシー。
「ザ・ロード」や「ノーカントリーフォーオールドメン」は読んだことがあった。
ちなみに未読勢に最初の一冊とすると、「ノーカントリーフォーオールドメン」が良いかも。
コーエン兄弟の映画版もある。
今回読んだのは、青春三部作といわれるシリーズ。

三作とも、カウボーイの時代の少年・青年が、荒野を行き、メキシコに抜けて、戻ってくる。
あるいはメキシコで死ぬ。
ざっくり言うと、そんな青春の物語。
コーマック・マッカーシーの文章は、なかなか読みにくいけど、クセになる。
「」(カッコ)なしのセリフと風景描写が地続きに入り混じった、静かな文章の世界。
時折、血と暴力と荒野の野生が吹きすさぶ。
セリフと風景がごっちゃだから、登場人物が浮き出てこなくて、人間性を突き放した感じがする一方で・・・
人と人、人と動物(馬)が、すごく近いような距離感も感じる。距離感が独特。
だいたいの作品において、避けがたい暴力や運命について、なにかが描かれている。
それがなんなのかは、分からない。
ほい。
そんな感じ。



